お菓子作りと人生の甘さ・ほろ苦さを感じるお話
2019/02/25 12:23
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ねこすき旅人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
祖父の昔ながらのお店で働く主人公の女性は、結婚前提につきあっている男性がいるが、お菓子作りや新しいお店のアイデアにのめりこむあまり、おざなりになって祖父母から心配されています。そんな主人公の女性、祖父母、婚約者の男性、洋菓子店に訪れるお客さん、前のお店の後輩などの心境の変化や日常の変化を、甘いけれど種類によってはほろ苦く、お酒のパンチが効いたお菓子を登場させながら、描いているお話です。
好きな人とうまく接することができないもどかしさや仕事に対する不安、将来に対する不安、誰もが一度は体験したことがあることをお菓子の甘さや制作過程などから表現しているところが、とてもよかったです。色々なお菓子の紹介もあり、街の洋菓子屋さんに寄ってみたくなる本でした。
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面白かったです。
パティシエールが主人公ですが、お話は苦くて好きでした。
亜樹さんは鈍感過ぎるし言葉が足りないしで苦手かな…と思ってたのですが、とても不器用なんだ!と気付いてからは好きになりました。
でも亜樹さんの作るお菓子はどんなものか想像出来なくてとても惹かれます。
亜樹さんのおじいちゃんのお菓子もとても美味しそうだし、長岡さんの紅茶専門店も素敵です。
食べることが大好きなのを、主にTwitterからうかがっている千早さんの描くお菓子はそれはもう…たまりませんでした。
亜樹さんのおじいちゃんの、「菓子の魅力ってのは背徳感だからな。こんな綺麗なものを食べていいのかって思わせなきゃなぁ」というのはぐっときました。
登場人物たちの悩みをお菓子で解決!ではなく、でもお菓子でそれぞれ思うところがあり前向きになっているのがいいなぁと思います。悩みを解決するのがパティシエールではなく、あくまで自分の力とか気付き、というのが良いです。
フェイドアウトしていった登場人物たちも気になりますが、亜樹さんと祐介さんのこれからに幸あれ!と思いました。
見目麗しいお菓子が食べたいです。
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【下町の西洋菓子店を舞台にしたキュートな連作短編集】下町の西洋菓子店の頑固職人のじいちゃんと、その孫であり弟子であるパティシエールの亜樹。甘やかで、ときにほろ苦い連作短編集。
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千早茜さんの作品を久しぶりに読みました。
なんと言ってもおじいちゃん…いえ、シェフの
職人としての生き方が本当に素晴らしい!
一言一言に頷かずにはいられませんでした。
まだストーリーの入口に立っただけのように感じます。
続編を期待しています。
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主人公の亜樹を中心にお菓子を通して前を向いて行くお話。お菓子の描写が素敵すぎてお話に入り込めました。お爺ちゃんの作るシュークリームが食べたいな。
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いや、なんだこれお菓子の話かと思ったら
大人の甘くないお話だった。
登場人物たちのその後が気になる
でも、嫌いじゃない。面白かった。
アフリカのザンビアに住んでたというパワーワード。
他の作品も読んでみたくなったぞ。
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さすがの千早先生。スイーツへの造詣が深い。スイーツに対する語り(特に美佐江)など、共感する部分も多く、まるで甘い物を食べたときのように、脳内がセロトニンで溢れた。
読み終えて、ほぼ毎日シュークリームを食べているという、危険な作品。
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スイーツって繊細な食べ物だけど、人の所作から感情、味まで、すごくリアルにみせてくれる。
同じように人の心も繊細で、複雑なのか。
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美味しそうなケーキがたくさん出てくる。甘いにおい、焦がしたにおい、苦味。色んな香り、味、見た目があって体中に感じることのできるもの。誕生日などの特別な日に食べたり、悲しい時にドカ食いしたり、帰り道にふらっとお店に寄ったりと様々なシチュエーションで必要とされているもの。甘味や苦味の奥にあるもの。そういう深い味に出逢う喜び。日々の生活のなかにあるのは苦味が多いのかもわからないけれど、だからこそその先にある甘さ、喜びに気づくことができる。どちらかひとつだけでは満たされない。主人公の亜樹のじいちゃんがとてもいい味を出していて楽しかった。
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主人公の女性にちょっと共感しづらかったな。
はじめましての作家さん。
甘いだけじゃない、ビターなチョコレート菓子みたいな連作短編集。
主人公に共感することはあまりできなかったし、じゃあ他の誰かに共感できたのか、と問われても答えられないけれど、嫌いじゃない。
みんなそれぞれ、大なり小なりのつらいことを抱えて生きているんだよなぁ。
バターやシュガー、バニラビーンズの甘い香りに包まれて、西洋菓子店のディスプレイを眺めているような気持ちになりました。
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じいちゃんが好き!
個々人の思いが一話ずつ溢れていて、
そうして他の視点からも読める。
昔バイトしていた
老舗のケーキ屋さんで初めてみたプティ・フールを思い出した。
美味しいお茶を入れ、
美味しいケーキが食べたくなる本。
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思ってたんと違う…!
心を溶かす甘い菓子を食べる登場人物達の人生のほろ苦さったらない。
第1話の『グロゼイユ』がいきなりとばしてるなーと思ったら最初は連作の予定ではなかったのですね。ここで終わればよかったが、主人公の嫌な奴加減が後半に向かってどんどん増してきて、弁護士は逃げた方がいいと思いました。
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食べ物がテーマになっていると、その食べ物を食べたくなることが多いけど、この物語は違う。紅茶やコーヒーを飲みながら、スイーツの濃厚な味を想像しつつ、人間模様を味わう。何かに夢中になることのかっこよさと同時に、ひとつに突っ走るだけでなく、バランスを取っていく大切さも学べる。あきさんのおじいちゃんのセリフがかっこよかった。
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最近はやりの「おいしいものを食べて元気になろう」的小説かと思って読んだら、大違いでびっくりしました。
描写は丁寧だけれど深追いしすぎず、適度な余韻を味わわせてくれます。
軽いタッチの明るいお話もよいですが、このような上質なお話も読んでいきたいなと思いました。
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ずっとチェックしてたんだけど、買ってよかった〜!読みやすいのに、とてもいい雰囲気を纏った小説。ふわふわのシュークリーム、食べたくなる。