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ヴァランダー警部は捜査に能力を発揮するが、老いた父の行動を案じ、進路の定まらない娘を気遣い、恋人にもなかなか連絡が取れない。
犯人は比較的早くわかるが、綿密な描写で飽きさせない。
哀切な結末。
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リアルと言えばリアルなんだろうけど、波がない。犯人を明らかにするのであれば動機や人物関連にひとひねり加えるなどの工夫がほしい。心情を中心に読ませるにしても語彙やエピソードが平凡。
”めくらましの道”にしたって犯人の欺きによるものでなく、捜査陣が勝手に混乱しているだけなので言葉負けしているのではと。
巷ではそこそこの評価のようだが、自分にはあまり合わない模様。
■このミス2008海外9位
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本作は「出来れば知りたくなかったことを確実に知るに至る」までの“本筋”も面白いが、ヴァランダー警部周辺のことを扱うような“脇筋”も面白い。
本作の最末尾に在る“訳者解説”だが、なかなかお得だ…ヴァランダー警部シリーズの刑事達に関する小事典が在る!!
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少女の焼身自殺と頭皮を剥ぐというなかなかエグい連続殺人がいったいどう絡んでくるのだろうとどきどきして読めました。警部は相変わらず睡眠時間が短いですが冴えています。登場人物たちにすっかりなじんだので続きがでるといいなあと思います。
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人間を事件にかかわりのないところまできちんと描き、一つ一つ捜査の手順を踏み、事実を積み上げてみせる。
これはとてもよくできた警察小説だと思う。
謎解きの側面だけを読んでいたのではこの面白さは半減してしまうだろうなぁ。
作品後半、事件に深いかかわりを持つと思われる人物の家をヴァランダーが尋ねる場面。
何度も道を間違えて、間違えた場所に気づいて引き返して、正しい道に戻る。わずか1ページにも満たないシーンが、この物語のすべてを表しているようだ。
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スウェーデンの小さな町の警察官、クルト・ヴァランダーのシリーズ5作目。
事件の事で思い悩んでいた1秒後には、季節の移り変わりの美しさに目を奪われ、遠距離恋愛中の女性に思いを馳せ、病気が発覚した父親と向かい合おうと考え、ふらっとやってきた愛娘に癒され…とにかく人間くさいおじさんが魅力的。こういうジャンルだと、いつのまにか超人的になっちゃう主人公が多い中、何度も何度も同じ悩みにはまったり、鬱からなかなか抜け出せなかったり。ヨーロッパの片隅の小さな町で、変化していく世界への不安を抱えながら、それでも日常生活のなかに光を見出そうともがいている主人公が、とにかく情けなくてかっこいい。
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下巻に入っても期待は裏切られませんでした。人物像がはっきりと浮かび上がっていること、1995年当時の世相がよく伝わること、そして着地がすっきりしていることなどがポイントの高さにつながっています。昔読んだ「マルティン・ベック・シリーズ」とは雰囲気が違いますが、こちらのスウェーデン警察小説シリーズもお勧めです。ぜひ一作目の「殺人者の顔」からどうぞ。追記。スウェーデンでドラマ化されたという話は、解説で読んだ記憶があるし、ケネス・ブラナー主演で、去年イギリスでドラマ化された(舞台はスウェーデン)というニュースも聞いていたが、まさか、今日WOWOWで放送されていたとは知りませんでした。しかも一作目が「目くらましの道」。残りの二作はこれから翻訳される作品なのか、それとも、オリジナルなのかは不明ですが。引越しを機に、解約してしまったのが悔やまれる。でも、ソフト化されることを期待しましょう。
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やっぱり結末全然覚えてなかった。ところで、動機の必然性というか、理由がイマイチよくわからなかったのは、オレの読解力のなさですか、そうですか。
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犯人がすぐそばに居たり、娘に近づいているのに全く気づかないヴァランダーにハラハラ。鍵が盗まれてるっちゅうねん!以前の国際組織と渡り合ったとは思えない迂闊さ。それもこれも犯人が。。。だからだろうけど。
ゴールドダガー賞受賞ということで、期待値が高すぎたか。最後もあっけなく(エピローグは良かったけれど)て、私にとってはいつもと変わらない面白さでした。
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ふだんは人一倍読むのが遅いのに、半日で読了。新記録。
センテンスが短いのでリズムよく読み進むことができる。淡々と進みながらもいや増してゆく緊張感。訳者の手腕かもしれない。
北欧のひとびとがいかに夏休みを楽しみにしているか? 彼らがどのように夏を過ごすのか? マイペースで、いなたい登場人物たち……(事件は悲惨だが、なんとなくの〜んびりした印象なのはそれゆえ?)。「北欧の人と暮らし」という視点から読んでも、なかなか興味深い一冊。
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(上巻より)
ただ、心理学者のマッツ・エルクホルムが、
もうちょっと活躍(捜査上だけでなく)してくれると、
良かった気がする。
女性署長が就任した、今度の展開に期待したい。
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読者には犯人が分かっている事でよりハラハラさせられる展開に思わず引き込まれた。 このシリーズを読むのはかなり遅い参戦でしたがおかげでまとめて読める幸せを味わっております。
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初ヘニング・マンケル。謎解き(犯人、動機、犯行方法)よりは社会問題を書くためにミステリーを書くという姿勢が北欧ミステリーの特徴と言われるが、それがよくわかる作品だと思う。読み応えがあった。サンタナ父さんに涙したわー
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あらすじ
被害者は続き、悪名高い公認会計士も殺される。しかもオーブンで焼かれて。場所はヘルシンボリに移り、地元警察nok協力も得ながら捜査を進める。会計士は影を潜めている間に、顧客に女性を斡旋していた。年齢国籍様々の。しかも協力者がいたが、この人物も犯罪歴があり名前も変えている。
殺された盗品売買の元家族が気になったヴァランダーだったが、突き止められなかった。犯人の男ジェロニモは、予定を変えて姉を病院から連れ出し、ヴァランダー父子を襲おうとするが、先に公認会計士の手下がいることを知る。さらに、空き家に姉を匿っていたが、そこにたまたま協力者がやってきたのだった。ジェロニモは盗品売買の息子だった。
犯人は始めから終わりまでばっちりわかる売人の息子です。動機もはっきりわかります。ひねりはありません。会計士の協力者は最後まで殺されず、重要登場人物かなーと思いきや、顔かたちもはっきりしないまま殺されてしまったままです。だからどんでん返しはないです。でも、ちょっとずつチームが調べを進めて行く様子や、遠出して地元警察と交流する様子、犯人とのニアミス、夏のバカンスが近づいてきているのに、事件が解決しないイライラ感を十分楽しめます。安定の作品。
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<上巻とあわせて>
はじめての北欧ミステリー。
初めは聞きなれない地名や人の名前にとまどったけれど、一文が短くわかりやすく訳されているのでとても読みやすい◎
翻訳をされている柳沢さんの講演に伺った際、「北欧ミステリー作家は、社会小説家だ」とおっしゃっていたことがよくわかる内容だった。
特にジェンダー平等について。
なくならない女性への暴力、人身売買。
女性上司との関係性、女性同僚へ信頼の置き方の変化など…。
そんなことを抜きにしても、最後まで面白く読み進めることができる小説だった!
犯人が分かっているので、犯人と警察の立場から同場面を読めるのが面白い。
「答え」に迫った後半の怒涛の展開は、ページをめくるのがやめられない…。
そして上巻のプロローグと下巻のエピローグが繋がったとき、悲しい結末に思わずうるっときてしまった。
主人公ヴァランダーの感情の変化や行動が、人間味があふれていてとても好感がもてる!
他のヴァランダーシリーズも読みたくなった。