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長浦京『リボルバー・リリー』講談社文庫。
初読みの作家。第19回大藪春彦賞受賞作。稲見一良や船戸与一の作品にも通じるところがあり、久し振りに血沸き肉踊る痛快無比なる冒険活劇小説を堪能した。
時代は大正、関東大震災後の帝都。実業家の水野寛蔵の元で訓練を受けた美貌の元諜報員・小曽根百合を主人公にした冒険活劇小説である。消えた膨大な陸軍資金と機密文書の鍵を握る少年・細見慎太と出会った百合は再び戦場へと足を踏み入れることに……絶体絶命、帝国陸軍とヤクザ1,000人対小曽根百合と細見慎太の闘いの行方は……
プロローグに描かれる小曽根百合の活劇。本編に入り、細見慎太の身に降りかかる不幸と謎が描かれ、少しずつ百合の過去と慎太の抱える大いなる謎の正体が明らかになる。二人だけの闘いを通じ、明らかに成長していく慎太……いいね。
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このミス2017年版6位。スーパーヒーローものでご都合主義的に危機を脱出してミッションを遂行していくようなのはまあ嫌いじゃないんどけど、それが成立する条件は登場人物の圧倒的な魅力と、やっぱり危機を脱出するときの意外性のある仕掛けとそんなこともあるかもって錯覚させる説得力が必要なわけで。この小説はずーとドンパチやってるんだでど、それが長過ぎて飽きる。設定含めてそんなことありえへんやんってのをやりすぎ。分量も多すぎて辛かった。大藪春彦賞らしい。中学ぐらいのとき大藪春彦の小説、読みまくってた気がするんだけどこんなだったっけ。もう少し人間ドラマに感情移入できた気がするけど。
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単行本は2016年刊行。第19回大藪春彦賞受賞作品。
陸軍軍人とアジア主義者の政商とが作ったスパイ養成の特務機関で育てられた名狙撃手の女性と、経済謀略の片棒を担いだことで陸軍から抹殺されてしまった父の仇を取ろうと決意した少年との決死の逃避行を描く。関東大震災直後の東京を舞台に、第一次世界大戦による世界秩序の揺動とシベリア出兵をめぐる陸軍・海軍・内務各省の政治が物語の背景に置かれ、なかなか説得力ある作品世界を作り上げている。陸軍とヤクザとの追いつ追われつの展開は手に汗握ることは確かなのだが、ちょっと暴力描写が長すぎる印象。この7割程度でもよいのでは? と思ってしまったが、むしろジャンルのお約束と見るべきか。
一読して感心したのは、1920年代半ばの東京中心部、千住、向島、玉の井など、地理的知史的な細部がしっかりと書き込まれていたところ。とくに作中の百合が拠点とした玉の井の震災後が描かれる場面は生き生きとしていて、都市小説という観点から読むこともできそうだ。
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長かったけど、テンポの良いストーリー展開で、それ程長さが苦にならず、エンターテイメントとして楽しめた。
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この方の描く主人公格の男性キャラの性格が私は好きなのかも。
映画とか漫画のように画が浮かびやすい文章もとても読みやすい
あと読んでるときの「ムナクソワルイ」感覚が私は好きなんだと思う。
他の作品も読んでみたいな、と思わせる。
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初 長浦京作品。
少し読みにくかったが、面白く読んだ。
戦闘シーンはよく書かれていて、読み応えがあった。
他の作品も読んでみたい。
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ピンチに次ぐピンチ❗百合と慎太のコンビが繰り出すアクションは止まらない‼️
あの『世界の中心で愛を叫ぶ』の行定勲監督が、神秘的に描くのか、エログロで描くのか? キャストは誰なのか? 映画化楽しみです
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あらすじ
大正時代。東京から引っ越してきた慎太と弟喬太。父親は信託会社を経営してる。兄弟は身分を隠して引っ越した秩父で、国松という老人と出会う。国松は狼のルパを飼っていた。しかしある日、慎太の両親姉召使いは、軍の人間に殺され、さらに逃げた先で喬太が放火によって死ぬ。国松が最後に託した住所が銘酒屋の百合。彼女はかつて実業家(ヤクザ)水野寛蔵に見出され、政府の一機関で訓練を受け、スパイとして57人の殺害に関与した。
慎太の父親は陸軍の金を管理する立場であったが、横領し外国に送金していた。軍が狙っているのはその海外銀行でのバニシング(消失)を止めるための、慎太の指紋とパスコード。さらに水野の息子武統率いるヤクザ達も加わり、左足に障害を持つ慎太と百合はひたすら追われる身となる。
《感想》ひたすら撃ちまくって殺し合いをしたりするアクション小説。老若男女。どこまでもしつこく追ってくる軍部と、どんな手を使っても百合を殺害しようとする武統一味。読みながら映画「ジョン・ウィック」みたいだなと思っていた。8月に映画化される予定らしいが、こんだけ血しぶきで、銃を撃ちまくって、ひたすらタバコを吸っていて大丈夫なんだろうか。
印象に残ったところは弁護士の岩見。7年前に海軍の艦隊で部下をなくしてしまったことを悔やんでいる。その後百合たちに関わるようになり、自分の本性を思い出す。今自分が百合たちを助けているのは偽善。後輩を死に追いやったことを悔いているのではなく、将来大物になれたかもしれない、有力者の息子を死なせ、自分を代議士・政務官へと引きあげてくれるはずだった男を、自分の単純な過失で死なせてしまったことをすごく悔いていた。つまり、自分の素晴らしい未来を自分で潰してしまったことをすごく悔いていたのだと実感するところ。数行しか書かれていないけれども、人間の嫌な面、しかし普通にありえそうなところをうまく書いているなと思う。あとは百合のファッション。こんだけ血と汗でドロドロになりながらも、「履くものはローファーでないと嫌」みたいなところが面白い。あと、文章でも、細かなファッション洋服の描写が楽しかった。
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映画になるみたいで読んでみました。
同じような展開が続いてるようで、お腹いっぱいになりかけました。
日露戦争、第一次世界大戦、シベリア出兵、関東大震災…
日本が突き進んだ近代化の足跡も垣間見えるのはおもしろかったです。
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タイトルはギャングの“マシンガン・ケリー”を捩ったか??
以前から気になっていた小説ですが、映画化されると聞き映画を見る前に読みました。
舞台は関東大震災後の大正時代
主人公の小曽根百合は諜報機関の幣原機関で訓練を受け、殺人の技術に長けた美しき元諜報員。
20歳で消息を絶ち帝都の色街(玉の井)の銘酒屋の主人となっていた彼女へ、消えた陸軍資金の鍵を握る少年“慎太“を助けて欲しいと連絡が。
大金を手に入れるためには手段を選ばない帝国陸軍の精鋭部隊はヤクザとも連携し慎太を追う。
百合は自らの技術を駆使し慎太との逃避行を始める。
百合、慎太は生き延びる事ができるのか。
設定は全然違いますが、大人の女性が少年を守るハードボイルドということで映画の「グロリア」を連想してしまいました。
大冒険活劇で楽しめました。
チョット百合がスーパーウーマン過ぎますが。。。
射撃、ナイフ使い、格闘技、爆破物の知識、船の操縦、何でも一流。
主人公の百合は勿論ですが、相棒女性の奈加が格好良い!
映画では百合役は綾瀬はるかさんが演じるらしいが、私の百合のイメージではないな。
奈加役は誰なのか楽しみです。
小説の終わり方も好きです。
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強くて美しい女性がとにかくかっこよくて魅了されっぱなしでした。時代背景を理解して読むとより楽しめると思いました。映画も楽しみにしています!
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映画化されるのでその予習に。長浦京さんの作品はプリンシパル以来2作目だが圧倒的に読後感が良かった。
相変わらずヤクザの世界は面白い。
主演の綾瀬はるかちゃんは原作の百合にぴったり。ジェシーの津山役も楽しみ。
個人的には慣れ親しんだ東武伊勢崎線沿いの町が舞台なのでとても楽しめました。玉ノ井は今は駅名がなくなっているのでなおさら。
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自らひとりを残し女中を含む家族全員を軍によって殺された少年慎太は、父から託された書類を狙う軍そして軍の息のかかったヤクザに負い続けられる。
そんな少年を助けるのが、銃の扱いでは右に出るものがいない、元諜報員の百合。
何も知らなかったひとりの少年が国家や世界を巻き込む陰謀の真っ只中で命を狙われ、それから逃れ守られ切り抜けるアクション小説。
時々出てくる固有名詞や見知った地名で作品のリアルさが増すのが好みでした。
映画もそろそろ公開なのかな?たのしみです!
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綾瀬はるか主演で映画化されたので読んでみた。小曽根百合と、もうひとつの主役はSW M1917リボルバー。アクション描写、特に銃撃戦のバリエーションが少ないのは少し不満だが、面白い。
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私は、良い意味で映画は観なくても良いと思った。
映像よりも映像が浮かぶ最高にスリリングな逃亡劇。まさに息つく暇無く、あらゆる方法で敵は襲ってきては、それをあらゆる方法で倒していく。
長かったけど、最後は名残惜しいくらい。
文学的表現とは違うのでしょうが、落ちぶれつつそれでも果敢に生きる女性たちと共に銃や手榴弾が飛び交う下級遊郭の描写が、どこか耽美的。
大正時代の東京〜北関東のあらゆる場所が舞台になっていて、それもまたリアルで良い。