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主たる謎はすべて明かされた12巻である。
泥努と紅の対話により、泥努の思い出が詳らかにされた。彼と姉の思い出は、個人的には想定した中で最も哀しい、誰一人とて救われないものだった。
人が生きていく上で、侵略者のような存在なくとも、ただただ悲しさだけで人は壊れ化け物になってしまう。この物語が突き立てる真理はあまりに重い。
それと同時に、ついに侵略者どもは真なる敵を見つけ、排撃することを決めている。
能力者をからめとり、将棋のようにむしろ彼らを戦力化する双亡亭にとって、そんな彼らの攻撃を無効化してしまう凧葉と緑朗の見せる勇気は何よりも致命的だ。
そんな彼らの反撃を受けながら、泥努が描く絵を壊す手段を見つけ出す一行。いよいよ物語は解決策を携え、最終局面に入ろうとしているように見える。
物語展開のテンポの良さと、前半で描かれた泥努の思い出の血の滲むような有様。
非常に面白く、心打つ一巻であった。星五つで評価したい。
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泥努の姉への想い。
帰黒さんの髪の毛。
伝染するのは負の感情だけではない。
いよいよクライマックス?と、毎巻思うけど
嬉しいことに続いている。
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泥努、壊れてるなぁ。
現時点での崩壊も酷いものですが、むしろ過去の狂気が恐ろしい。
おとなしい少年が殺意を持って人を刺せるほどの憎悪と言うのはよほど…。
人の心が見える異能ゆえ、というよりはすれ違った運命の皮肉、でしょうかねぇ。
とりあえず、大した力を持たない者達こそが脅威、という展開は大好物です。
そして彼らが起爆剤となって仲間が強くなっていくのも。