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復刊3冊目。
既刊2冊と比べると、3冊目である本書が一番取っつきやすい感じがした。余り刊行順を気にしないでいいシリーズではあるが、巻末解説にもあった『入門編』は確かにこの『慢心』であると思う。
収録作の中では『執事の血』が一番好きだ。登場人物同士の入れ替わりについては、割と早い段階で予想がつくのだが、そこからこのオチに持ってくるところが凄い。
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今回もマザーグースになぞらえた奇天烈な事件の数々、そして2人のパンクスのルーツも垣間見える。
物語性を尊ぶ人は具体性を愛していて
詩情を尊ぶ人は抽象性を愛していると思うのだけど
不思議とどちらの味わいも持っているシリーズだなあと思う。
短編だとやっぱりワンアイデアの見せ方〜みたいな感じになると思うのだけど、だとすると今回は「執事の血」が一番かなあ。幕切れが上手。
最後の中編がまたグッとくる感じで、ピンク・Bのこと好きになる。
前作で最高だった狂人の論理的なものも少し楽しめた。
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改訂決定文庫版で再読。クリスティーのマザーグース物について論じられた巻末特典も、マザーグースミステリ好きとしてはたまりません。読んでいないものが多くて楽しみです。
お気に入りは「執事の血」。この真相は見抜けた! と思ったのですが。その裏にさらに隠された犯罪があったかもしれないだなんて……ぞくりとさせられました。
「ピンク・ベラドンナの改心」も、ピンクが好きなので嬉しい一編。SM殺人ってのでかなりイロモノ感がある気がしたけれど、ミステリとしてはしっかり本格。いつもはお荷物感(笑)のあるピンクがしっかり活躍してるのが良いし、そしてキッドとピンクが警察に入ったいきさつがまさかそういうことだったとは。
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キッド・ピストルズシリーズ短編集。今作ではキッドとピンクの生い立ちについてもそれぞれの口上で語られている。謎解き要素はミステリなので勿論あるのだが全体的に濃くはなく、キッドとピンクというキャラクターの魅力の幅をひろげるという要素の方が強い感じはした。特にキッド最初の事件と銘打たれた、表題作でもある「キッド・ピストルズの慢心」を読めばキッドを更に好きになるだろうと思う。何だかんだいってキッドは正義感が強いいい奴だよねぇ。