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復刊。
最初から『パラレル』と銘打っている辺りはかなりメタ的で、あの時代にこういうミステリが書かれていたのはかなり斬新だったのでは。
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不良刑事のキッドとピンク、胡散臭い探偵士ホームズJr.、いつぞやのブル博士、マザーグースになぞらえたイかれた事件は、イカした奴らが解決。「曲がった犯罪」は衒学趣味の傑作。ジャンクアーティストの奇想はあまりにクレージーだが、それだけでなく古典的な仕掛けも随所で光っている。どいつもこいつも曲がったやつばかりだ。
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以前に読んだ同シリーズの「慢心」の方はイマイチ興が乗らなかったので、かなり迷いましたが、『改訂新版』の言葉に恐る恐る購入を決意。
結論:買って正解でした(嬉しい誤算)。
マザーグースに題を取った四編の中短編集を収めた本作。
動機ありまくりな容疑者ならもっとうまい殺し方があったハズ、という着眼点から推理がスタートする【「むしゃむしゃ、ごくごく」事件】と【カバは忘れない】。
「衆人環視が作り出した密室もの」の【パンキー・レゲエ殺人】。
上記三編ともに面白かったんですが、特に気に入ったのはは三編目に収録された【曲がった犯罪】です。パラノイアな登場人物、パラノイアなまでにマザーグースの一編を再現しようとする筋立て。そんな奇妙な世界観と、至ってスマートな謎解きとのコントラストに痺れました。
うーん、やっぱりこういうのが相変わらず好きであるなァとシミジミ思いを致す次第でした。
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名探偵と刑事の関係が倒錯したパラレルワールドの英国で、マザーグースをモチーフにした珍妙な事件を解決に導くのは落ちぶれスコットランドヤード刑事のパンクス。
アクの強いキャラクター達
逆説を駆使したロジック
巧妙に迷彩を施されたパズルのピース。
かーなり完成された短篇ミステリを読めた。
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改訂決定版で再読。マザーグース&見立て殺人が大好物なので、もうこのシリーズは大好きとしか言いようがありません。でも読んだのが昔なので、かなり忘れてました(苦笑)。
パラレル英国を舞台に繰り広げられる、イカレたとしかいいようのない事件の数々。フィクションだからこそ楽しめるこういう事件が楽しくって仕方ありません。事件現場のシチュエーションだけでも楽しめるのに、もちろん本格的な推理も楽しめ、最高!
お気に入りは「曲がった犯罪」。マザーグースの物語への密着度も高いし、やはりこれが一番本格として綺麗な解決だったなあ。さりげないところにあった伏線にもあっと驚かされたし。まさかそこから証拠が出てくるとはっ!
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並行世界のロンドン。パンク刑事が……ちゃんと推理して活躍する。カバは忘れない、のノリが好きだったなあ!ミステリーで馬鹿笑いすることってないんだけど。曲がった犯罪はまさかまさかの。はじめのアレにもちゃんと意味があったとは。マザーグースは全く詳しくないのだけど、そこにいる人たちに共通して染み付いた「何か」に見立てられるように行われる殺人というのは、推理する側も読む側もまるで導かれるようにそうなっていくことを受け入れてしまうんだねえ。その見立ても意味があったりなかったり、偶然そうなっていたり(偶然となるとちょっとしたオカルトだよね)。ちょうどダブル・ダブルを読んだあとだったので、巻末のなぜ駒鳥を殺したのか?も興味深く読むことができました。いい加減言い訳せずに、ヴァン・ダインを読むべきなのか。グリーン家の翻訳とあわなかったのか、冒頭数ページでとまってしまってます。僧正殺人事件は読んでみたくなりました。