紙の本
何度でも読み返したい
2023/12/31 16:18
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
中にある短編エッセイに興味を持って購入したが、それぞれの短歌も日常を切り取ったような親しみやすさががる。何度でも読み返したい歌集
紙の本
ダルちゃんの影響で
2020/07/29 23:20
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:えぐちよ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ダルちゃん」に出てきたのでこの詩句集の存在を知り、購入しました。
まだじっくり読んでいませんが、一人で静かにひたって読みたいと思います。
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短歌、俳句、詩、どの言葉もはっとする光や空気がありました。
研ぎ澄まされてる。
こんな風に言葉を切り取れるのは、お持ちだったご病気のせいも少しはあるかもしれないけど、それはきっときっかけでしかなかったのだろうと思いました。ご病気でなくても、笹井さんは言葉を紡いでらしただろうな、と。
もっと読みたくなると同時に、もう新しい作品を読むことは出来ないのだと思うととても悲しいです。
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文庫化がほんとうに嬉しい1冊です。
それと同時に、"没後"10年でこの文庫本が出版されたことを悲しくも思います。
表題の作品をはじめて読んだときの、衝撃と感動を忘れられません。なんて美しい事態だろう、と深呼吸しました。
短歌を読むとき感じることはたくさんありますが、言葉の化学反応と言葉の再発見について、とくに大きく深く感じます。
誰もが知っている、だけどここに結びつくとは思ってもみなかった言葉が、静かな音で降ってきて、31音の枠内に最も相応しい光りかたをする。
軍手と図書館、宇宙服と青林檎、食パンの耳と祈り、美術史と味覚、思い出と霧吹き……
挙げたらきりがないくらい、ああここにこの言葉がくるのか、と感動しっぱなしでした。わたしの知らなかった言葉の置きかた、音の鳴らしかた、句読点の降らせかた、がこんなにたくさんあったのでした。薄い冷たい手のひらが静かに透き通るような、不思議な優しさです。
夕焼けを眺めているときに感じる郷愁に似た、少しさみしくて、少し優しくて、少し懐かしい、そういう言葉の郷愁が、笹井さんの短歌にはあるような気がします。
たった31音のつらなりを読んで引き出される感情の、この名付け得なさ、掴みどころのなさ、それなのにとてもいとおしいのは、なぜなのか、わかりません。
言葉に触れることができたなら、指でなぞってみたくなる短歌たちでした。やわらかくてつめたくて、夜明けの匂いがしそうな、いのちのインクで詠まれてました。
唯一無二の、とても美しい歌集です。
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永遠解く力
「短歌をかくことで、ぼくは遠い異国を旅し、知らない音楽を聴き、どこにも存在しない風景を眺めることができます」という歌人の言葉を確と感じる。その情景を追体験できる作品。
短歌の分からなくても何となく良いと思う感覚は美術に似ていると思う。
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夭折した歌人の短歌集。作者は病魔に侵されほとんど寝たきりの状態であった。
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日常にありふれた物を主体にした句が多い。汎心論的。海、風がよく出てくる。現代短歌にありがちだが、意味不明なものが多い。
解説を読んで思うが、作者の死や病魔に侵されていた、ということに触れるべきなのか疑問だ。亡くなったこと、闘病していたことをひとつの売り文句として消費しているのではないか。これらの句は作者にとっては、闘病という状況が無ければ生まれてこなかったかもしれない、また短歌が作者の支えのようなものになっていた、というのは事実かもしれないが、それを能動的に語ることはおかしい。文芸的な評価と作者の状況は切り離して考えなけれならないと思う。
表題作が最も秀逸だと思う。が、他にも十数点ほど優秀だと思った句があった。また、p175の夕刻遊歩という詩も良い。
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最近、詩集や歌集を読むようになった。たまたま手に取った。
題名に惹かれてという部分はあったが、題名以上に清く、優しく、涼やかな歌や詩がたくさんあった。抜き書きした歌や句や詩は40くらい。よい出会いだった。
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最近読んだ歌集で1番好きかもしれない。
穂村弘よりすき。
感性に共感できる歌はとても共感できるし、
意味わからない歌も、わからない理解できないけどなんかいいなって思ってしまうものが多かった。
えーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力をください
めっちゃ謎の魔力あって頭の中でループしてる。
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短い詩と書いてあるから、ジャンルは詩にしてしまおう。
まさにダルちゃんのとおり。でも、確かにいつまでもいつまでも読んでいられた。。
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自己の主張感が少なく、登場する自然や動物や物の全てと自分とを同価値に描いているのに、作者のやさしさや切なさが芯に伝わってくる
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えいえん を とくちから は存在するのか。見つけたと思っても、すぐに形を変えてするりと手からこぼれ落ちそうな。
繊細な世界に落とされて、今まで見ていた景色が違って見える。意識が頻繁に立ち止まる。
えーえん えーえん えーえん とくちから……
いま、かんがえることが ひとつずつ ひらがな。
えいきょう うけすぎている。
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一度では分からない歌もありました。短歌の他エッセイや俳句、詩と読み進めるうちに何かがふわっと見えてくるような不思議な感覚。
あらゆるものが姿を変える。そのように、読むたびに見えるものが違う気がして、これから何度も読み返すのだろうと思います。
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‘えーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力をください’
ああこれ絶対好きなヤツ。
好きすぎて泣くヤツだ、と思いながら読んだ。
案の定うるる、ときてしまった。
2009年、26歳で惜しまれつつ亡くなった歌人、笹井宏之さんのベスト歌集を没後10年を機に未発表原稿を加えて文庫化したもの。
文庫版には黄色い紙が入っていて、そこには漫画『ダルちゃん』の作者はるな檸檬さんのエッセイが載っている。
何と、『ダルちゃん』の重要なシーンに使われている本がこの作品集のハードカバー版だそうだ。
‘「はなびら」と点字をなぞる ああ、これは桜の可能性が大きい’
‘拾ったら手紙のようで開いたらあなたのようでもう見れません’
‘このケーキ、ベルリンの壁入ってる?(うんスポンジに少し)にし?(うん)’
‘ひまわりの死んでいるのを抱きおこす 季節をひとつ弔うように’
‘五月某日、ト音記号のなりをしてあなたにほどかれにゆきました’
‘人類がティッシュの箱をおりたたむ そこには愛がありましたとさ’
どこが好きなのか、と問われたら「とにかく優しくてほんのりあたたかく、茶目っ気と真剣さが程よい具合で混じり合ってるトコが好き」と答える。
読んでいる間は笹井さんに恋い焦がれているといっても過言ではない。そこにいるひとのように。
もう10年も前に亡くなったひとなのに。
‘別段、死んでからも遅くないことのひとつをあなたが為した’
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没後10年再注目!
二〇〇九年、二十六年の生涯を閉じた夭折の歌人のベスト歌集が没後十年を機に未発表原稿を加え文庫化。
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空にただよう風が残したスケッチのような言葉たち。ものは自由自在に別のものに変わり、会話し、触れ合う。
新たに自由詩が収録。「再会」という詩がとても気に入った。