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次世代経営者研修を提供しているのだから、経営者とは何か?もっと深く理解しなければならないのだと反省させられる一冊でした。
現場の視点も大事だが、トップの視点も持てないと、そのつながりを設計できないわ。
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経団連社長の日立出身中西さんとIGPI冨山さんの対談をメインにまとめた本。
これからの社長はどんな人物で、どんな資質のある人をどう育て、どう選んでいくか、などなど、社長の条件を論じた本。
コンサバ代表団体であった経団連からこういう話が出てくること自体時代の変化を感じる(ここまで日本の大企業がやられてやっとかと思うけど)
ポイントは二つ。
社長を育てるには、若い頃から選抜してプールしたメンバーを倒産寸前の海外子会社などに飛ばしてタフな経験をさせる。それを繰り返しさせて意思決定の力をつけていく。
社長を選ぶのは、社外取締役含むボード、何年もかけて、彼らにコミットしてもらって次期社長として誰が良いか詰めていく。最も難しく大事な意思決定となる。これは現社長の専有権であってはならない。
以下内容メモ
◯日本の電機メーカー
・製品群を拡大し、オペレーショナルな部分で儲けてきた、その会社の慣性が大きい
・リーマン級の出来事が来ると、構造改革して守りの経営で2-3年利益を出すが、またオペレーションに戻ってしまい、成長戦略を描けない
◯社長の資質
・変化に敏感で、自ら変化を作り出せる人が必要
・20年間同じ仕事をしてきたオペレーションのスペシャリストに企業体の将来を考えろ、というのは無理、勇気を養う場がない
・足して二で割る妥協が許されない厳しい鮮烈な決断を迫られた時、自分で物事を決められない。会社の構成員に光りと影が生まれ、欲しくない反響が来る、これを受ける覚悟があるか。
・計算できないことが起こった時にオタオタしない。楽天的
・大企業の中にいるとキャッシュの苦労をしない
◯社長の選び方
・コーポレートガバナンスは不正を見つけることじゃなくて、会社の舵取りができること、取締役会の一番のミッションはCEOを選ぶこと
・社外の人がいきなりわからない。3-4年はかかる。社取のコミットが重要。
・現社長が次の社長を選ぶはありえない
◯社長の育成
・事業サイドと金融サイド両方の見方を持つこと
◯採用
・若いリクルーターがダメ、トップ自らのコミット、なぜなら毎年トップ人材は100人くらいしかいない
・グローバルを考えれば新卒一括採用は違和感
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これからの社長の条件を知るため、読みました。本書の内容を一言でいうと「意思決定力×実行力に基づく、知的格闘技を楽しめること、が社長の条件」です。新しい時代には新しいリーダーが必要で、社長像は時代とともに変遷していることが分かりました。
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中西氏と冨山氏の対談は、「自分たちは選ばれた優秀な人材だ」という選民思想丸出しで、本当気持ち悪かった。
後半は社長選びについての経験者の皆さんの話。「社長になりたい」ではなく「社長の仕事がしたい」人でないとダメだとの話に感銘。
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これまでのビジネスモデルから脱却した社のあるべき姿やビジネスモデルを打ち出す、ビジョンスピーチができること。最先端の情報に触れ、新しい着眼を心がける。つねに、未来をからバックキャストで。
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オペレーションを上手くやってきた人が、その延長では社長になれないのは、考えている次元が違うから。事業戦略もそうだし、企業戦略はもっと次元が違う。要は会社をどうして行きたいか?という議論は、オペレーションエクセレンスの延長にないから。
当然役員レベルはそれを理解した上で、次の社長は誰か?を議論する。でもこれも社内の人間の議論に過ぎないよね。だから、世界を広く知る独立社外取締役が第三者として監督すべきだし、それ故に取締役会が非常に重要になる。執行側はそれを任せられる社外取締役を選ばないといけないよね。
そうすると自然な思考として、社外取締役は外国人も含むグローバル経営経験者になってくるよね。日系企業はこれが頭で分かっていても出来ずに、役員レベルで意見が割れたりして合意形成が出来ていない。だから本当の危機にならないと、その必要性が理解出来ないんだよね。
つまるところ、危機対応などの短期の議論に振り回されてるのが日系企業の現状だと思う。それは事業本部長クラスと同じ目線な訳で、役員が本来の役割を果たせていなくて失格って事。フワッとしがちな中長期の話を、いかに逆算してその必要性を説いて実行に移せるか、が経営層の要件だと思う。
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前半の中西さん冨山さん対談パートで、川村さん、中西さんという社長が育った日立製作所凄いなあと。
後半の社長経験者のインタビューで、コニカミノルタの松崎さんの経営者としての迫力を感じ、松崎氏の書籍も追加購入。
日本型経営の強みや、日本型コーポレートガバナンスというものがあるのか、最近の関心事。
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第四時産業革命、society5.0という社会において、産業構造の変化、それに伴う事業、および、組織をはじめ、人材や文化などあらゆるものを変えていかなければならない。こういった時に重要な役割を担うのが意思決定を行う社長であり、本書では今の時代に必要な社長としての条件、選任方法、ガバナンス体制について、著名人からの考えで学ぶことができる。
新たな学びとなったのは、牽制機関として働く社外取締役をどう決めるかや指名委員会の運営による決定方法など、社長以外の重要人物に対する考え方、また、ガバナンス体制をどう構築するかといった基盤が大事であるということで、ある意味当たり前のようであるが考え方として抜けていた部分である。
また、社長として求められる条件としては、人間力や人望といった、単純なスキルに寄らない部分が非常に大事であるということを改めて認識できた。
社長になりたい人ではなく、社長の役割のような仕事をしたい人、が社長になるべき、ということにも納得する。
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現在の経団連会長は住友化学の十倉 雅和氏である。本書の中西氏は体調不良を理由に21年6月に会長職を辞任し、その同月に逝去している。就活ルールや日本型雇用システムの見直しに熱心に取り組んでおられた。その方と、私が最近はまっている(遅いが)冨山和彦氏の対談本であり、興味深く読んだ。
リーダー論やガバナンス論、人材育成など、多岐に渡る議論で色々学びがあったが、最も心を打たれたのは「社長は、仕事が趣味じゃないと務まらない」という格言である。そうか、私はあまり仕事が好きではないのでは、と。楽しい仕事だけではないのは当然で、辛い仕事も乗り越えるのだが、その苦難の克服の過程にも仕事の面白さがある。それは勿論分かるが、社長であっても全てが思い通りではないし、数多の制約条件や人のマネジメントの中で、仕事が全く意図せぬ結果になる事は少なからずある。効率化や省人化などは、やはりどこかで人の手による仕事を否定しているのだし、生産性を上げるという事は、労働が必ずしも善という価値観を意味しない。汗水は不快だし、残業を賞賛する事はできない。勤労は美徳という自己暗示が解けてしまった悲劇がそこにある。
ただ、ここで語られる「趣味」は少し次元が異なる話。人が生きていく上で仕事が必要であるし、それをしないで生きることは空虚である。スコアや権威獲得、感謝や称賛を得る事、あるいは食料を安定的に確保するための集団活動、その帰属意識が得られるのが会社である、とすれば、人はそれ無しでは生きられないのかもしれない。両氏は、自らのマネジメントにおいてその結果や反応が確かめられるような状況を楽しめる人が社長に向いている、と言っている。つまり、「趣味」である。
ー まずは一括採用で入った新卒者を工場に割り振って、工場が責任を持って育てるということだったわけです。でも、それが限界に達したんだと思っています。オペレーションだけは十分にトレーニングできるし、技術情報のサーベイだったりもあって、マーケットもある程度はわかるんです。でも、工場を中心にモノを考えている限り、オペレーションのプロフェッショナルはできるけど、そこまでです。例えば、経営の方向性を変えないといけない、ということに対するセンシティビティ、感受性やセンス以前に、そういうことをするための勇気を養う場がないんです。すごく優秀で、実績もあって、20年間、同じ仕事をしてきた人が、じゃあ、その企業体の将来を考えられるか、というと、やっぱりできない。
誰もが楽しめる会社、苦労する事が当たり前という常識が変わるような世の中に近づいている。様々な役割の条件が変わりつつある。