紙の本
人生は自分で選ぶべきもの
2020/04/18 10:11
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投稿者:びずん - この投稿者のレビュー一覧を見る
神戸の古本屋さんで出会った本でした。中身も見ずに直感でゲットしたので、幡野さんのことは何も知らなかった。私の祖父2人もがんでなくなった。50〜60だった。そう思い出し始めて、そういえば父がもう直ぐ60歳になることに気がついた。突然不安になったので、読むのをやめようかと思ったけれど、がんに関わらず何か病気になった時には、ただ事実を教えて欲しいと思った。幸いにも私と私の親の関係は良好だ。小学〜高校までは「いい子」だったかもしない。読書は自分の経験しないことを教えてくれる。頭でっかちにならないよう気をつけて。
紙の本
問題があるなら、選びなおしていい
2022/02/27 02:54
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投稿者:ちぃ - この投稿者のレビュー一覧を見る
筆者はガンの余命宣告を受けている。中央値3年のうち出版時で半分くらい経過している。根治できない(筆者曰はく「治らない方のガン」)ため、再発したら終わり。幼い一人息子が小学校に上がる姿を見られないかもしれない。そんな中、残してやれるもの、残したくないものを選び、行動に移していく。大切な配偶者と子には精神的にも危害が及ばないようにしたい。筆者の真剣さが胸に迫る。
NASAの考える「直系家族」は配偶者と子と子の配偶者だけだそう。親友と親兄弟姉妹は同列で「拡大家族」に分類される。血のつながりは消えなくとも、付き合い方は見直しても良いはずだ。親兄弟姉妹との関係に問題を抱えている人は読んでみて欲しい。血がつながっているからとあきらめるのは、まだ早い。
紙の本
生きづらいと感じているひとに
2019/07/06 22:17
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投稿者:Hiroro - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者の幡野さんは癌を患っていますが、これはいわゆる癌闘病記ではありません。いま生きづらいと感じているひとに、自分の人生を歩む勇気ときっかけを与えてくれる本だと思います。幡野ご自身の病状や治療のことだけでなく、これまでの日本でなんとなくタブー視されてきた「親との関係を断つこと」「安楽死を選ぶこと」などについて、幡野さんは誠実なことばで綴っています。いま悩みを抱えているひとも、そうでないひとも、ぜひ一度幡野さんのことばに触れてみてください。
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
若くで癌の告知をされて、しっかりと自分の意思で選択する姿はかっこいい。子供時代は選択肢がないが、大人は違いますね。
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自分のことをコントロールしづらいなと感じたら、また読みたいと思います。
どんな大人になりたいか?
生きるって、わたしにとってなんだろう。
幡野さんの書かれる文章は、やさしく、柔軟で、しかし唯一な語り口であると感じます。
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筆者の強さと、正直さに感銘を受けた。
これはがん患者の闘病記でも家族愛の話でもない。筆者が自分の命と向き合い、自分の人生に責任を負い、自分と、家族と、社会と本気で向き合った勇気ある告白の本だ。
死が現実的に迫ってきたとき、本当に大切なものが見えてくるのだろう。
家族を選ぶ、ということ。自分の人生を自分で選ぶということ。ある意味衝撃的でもあり、鬱屈とした私の心を少し晴らしてくれた。
30代でがんがみつかるまでの8か月の苦しみ、病気が分かった時のある種の安堵。診断に難渋してきた医療者たちへ示す冷静な理解。病気が判明したとき、姉に伝えてしまった後悔、きっと取り乱すだろうという妻への思いとそれを裏切る妻の強さ。経過の描写はリアルでありながら、とても冷静に描かれている。多くを乗り越えた今だからこその冷静さである。
余命数年の筆者に対する憐みの目は鬱陶しく、失礼であり邪魔だと明言する。自分は幸せであると声明文を出すためにブログでがんを公表したという。
ネット上の心無い中傷に傷つくだけではなく、その裏側にあるその人自身の影や嫉妬心、自己嫌悪を「こころが蝕まれていくプロセスを知ろう」と分析する筆者はとても強く、印象的であった。
17歳で子宮と卵巣を摘出したKさん、壮絶な家庭環境のなか14歳で母をがんで失ったMさん、表面的にしかつながりない環境で家族への復讐、自殺を意識していたTさん。
それぞれ全く苦しみの種類は異なるが、その根底には人との付き合い方であり、究極の人間関係でもある「家族」に関する考え方があった。悩みの根源にあるのが親子関係にある、というのが筆者の出したひとつの結論である。
親子関係が生きやすさ、生きづらさの根底に深くかかわるということには自分も心当たりがある。
苦しいことが沢山あった。けれど幡野さんはご自身の人生をかけて多くの人たちに、私にも、勇気をくれた。
仕事も、住むところも、パートナーも、どこでなにをするのか、だれとするのか。自分で選び、自分の生き方ができるその最期の日まで、自分の人生を選んでいくのだ。
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思ってた以上に重め。
ポジティブになれる自己啓発本を読みたいならちょっと違うかも。
でも、読んでよかった!
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ガン患者で写真家の幡野さんが書かれた本。
家族、仕事、お金、生死は選ぶことができることがテーマ。
3年の余命宣告を受け、始めたインタビューのうち3名分のインタビューが取り上げられている。
どれも家族にまつわる深い根源に立ち返る実話が取り上げられている。
目を閉じたくなるような話も交えながら、生きるとは何か、家族とは何かに触れる。
最後には安楽死、尊厳死について取り上げ、最後に生き方を選ぶことについて。
死に直面した方だからこそ、生に対する説得力がすざまじい。
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心が元気なときに、ぜひ読んでほしい本。
タイトルの「…選べなかったこと…」とは、進路とか職業とかかと思いきや、親子関係のことがメインに書かれている気がしました。
親とて他人、自分を不幸にするなら縁を切ってもいい。ショッキングだけど、今苦しんでいる何人もの人を救う新しい考え方だと思う。そうやって納得しつつも、じゃあ自分にその選択ができるかというと…自信ないな。でもせめて自分は自立した想像力のある親になりたいとは強く思った。
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これまでにも生きる価値や人生の進路を選ぶことについての本は数多く読んできたが、どれも綺麗事にしか感じられなかった。
しかし、この本は違った。
読み始める前は、死が迫ってきて初めて感じた命の大切さ、みたいなものをきれいに書いてあるのかと思っていた。読み進めると、そんなことを思っていた自分が恥ずかしくなった。幡野さん自身が自分のこれからについてしっかりと考え、行動し、そしてやっと得られた気持ちを丁寧に綴ってある。決して重たい内容ではなく、むしろ自分の背中を押してくれる、暖かい本だった。
これからも何度も読み続けていこうと思う。
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タイトルがすべての本質を物語っており、
それで良いのだと思った。
前作『ぼくが子どもの頃、ほしかった親になる。』というタイトルが、
またそのすべてを語っていて、
内容も突き抜けて普遍的であったような感触が、
本作で得られなかったのには、
個人的なものとそうでないものと両方の理由がある。
個人的ではない理由は、
著者が内省と考察を深めるために、
唯一無二の個人史を様々な人に丁寧に、
そして誠実に聞き取るなかで、
ひとつの共通点を見出し、仮説を立て、
限りなく自らの体験と摺り合せて導き出した、
いくつかの考えが鋭いことは、
類まれないものだと思うが、
どうにも他者の物語が入り込むと、
「〇〇らしい」という表現が気にかかる。
あれ?これまでずいぶんとリアリティがあったのに、
どうして急に聞きかじったことになるのか?
と、不意打ちされた。
もちろんこれは、
すべてを体験することはできないから仕方がない。
個人的な理由としては、
「○○らしい」ということで挙げられていたもののなかで、
トラウマについて、
カウンセリングのなかで赦すことを求められるという下り。
確かに、そういう理念を持った心理士もいるし、
一派もあると思うけれども、
それはごく一部であって、
私は決してそのような治療をしないということ。
そして、統合失調症があたかも、
親との問題が原因の中心であると読めてしまう表現も、
読み手によっては、大きな誤解を生むと思う。
ただ文面から幡野さんが、
カウンセラーと呼ばれる人間にも話を聴いているのはわかる。
それ以外は、私自身の公私の体験を通じて、
とても共感し、尊敬している。
心の専門家が偉そうに語る言葉ではなく、
専門家ではない人が自分の物語として、
率直に語っておられるからこそ、
やはり多くの人の胸を打つのだと思う。
そして、いつかそれが、
たったひとりの愛する我が子に届くように、
命をかけて巧妙に準備立てられていくプロセスに、
こうして触れさせていただけることを、
私は素敵だと思っている。
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自分で決めることの大切さ。
自分で決めることが、人生の意味。
周りに流されない。振り回されない。
残り僅かでも、最後まで自分の人生を自分で選んで、生きる。
そんな話でした。
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以下に書いてみました
http://blog.livedoor.jp/taka841/archives/53322599.html
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選ぶ、ということがどういうことか知りたくて読了。
自分で選ぶ、選び直す。
簡単なようで難しい。満足な選択肢がないかもしれない。選択肢を強要される環境に身を置いているかもしれない。
どんな結果になっても自分で選択することでしか前に進めないこともある。とはいえ、自分が潰れてしまっては仕方ないので、優先順位の1,2位ぐらいは自分で選ぶようにしよう。そして、同時に「他者が選ぶ」ことも支援できるようにしよう。
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余命宣告を受けた後の本だが、未来志向だ。
家族への愛情もそうだが、NASAの家族観も現在と未来の優先度が高いのに驚いた。
そして、一貫しているのが個人の主体性だ。
安楽死についても然り。脳死による臓器提供もそうだが、所有という概念について自分と他者でギャップが生じる。
自分の人生、家族についても自分で選択する。
今後の法整備について、この本が参考になればいいと思う。