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いつもの今村夏子作品通り、着地点の読めない先が気になる展開。だが、過去作に比べて心がざわつかなかった。特に不穏な空気を感じることもなく終わりを迎えてしまった。わりと序盤で(あ、こっちの人がおかしいパターンね)となってからは新しい展開はなかった。結構エンターテインメント性の強い作品だった。
著者のファンだし、今作も面白かったが、正直これが芥川賞?と思ってしまった。著者の他作品はもっと面白い本があるだけに、このタイトルで芥川賞を獲った(獲ってしまった)のはなんだか残念に感じてしまう。
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清掃。仕事。コミュニケーション。
芥川賞。
むらさきのスカートの女を見つめ続ける黄色のカーディガンの女。
でも色味とかはそれほど出てこない。
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友達になりたいけど声をかけられずいきなりむらさきのスカートの女に突っ込んでいって肉屋のショーケース破壊するドジっ子のお話!かと思ってニヤニヤして読んでたらとんでもない。一気に読み終えてしまった
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不思議な話だった。「紫のスカートの女」を背後霊のように付きまとう「黄色いカーディガン」の私。
どちらかと言うと、その私の生活が詰んでいるような感じで、紫のスカートの女がだんだんまともに見えてくる。どちらにも大して感情移入出来ないままだったけど、続きが気になってつい一気読みしてしまった。
昔、同僚を殺して、顔を整形したりしながら長年逃げていた女性がいた。事件の起こった当時、その被害者の服等を身につけたりしていたと何かで読み、不思議に思っていた。
ただ嫌いで殺した訳ではない。
憧れの混じった憎しみみたいなものか。
一番近いのは支配欲なのだろうか。
ところで、備品を持ち出していたのは結局誰?私?
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近所に「紫のスカートの女」と呼ばれる女がいる。彼女は呼び名の通りいつも紫のスカートを履いていて、商店街の人波を泳ぐようにすり抜け、行きつけの商店街ではクリームパンをいつも買う。それをもって行きつけの公園には彼女専用のベンチもある。子供たちは彼女にジャンケンで負けた子が声をかけたり、体にタッチをするという肝試し的な遊びが流行っている。そんな彼女は【私】の姉や、小学校時代のハーフの友人、身近にいたはずの誰かに似ている。彼女と仲良くなりたい【私】は職を転々としながら暮らしている紫のスカートの女に自分の働いている職場に働きに来るように様々画策をする。その頑張りで、なんとか遠回りしながらも同じ職場で働くことになった紫のスカートの女は、最初こそ躓いたが、少しずつ頑張りを認められていく。しかしそのいい流れはゆっくりとおかしな方向へ流れていく。そして招かれた結果に【私】がとった行動とはーーーー。
今村さん初読み。
やわらかくて、読みやすい文章はなんだか可笑しみも注入されていてふわりと不思議な世界に足を半分預けているような感覚になった。お話し的には気持ち悪さとか、痛さとか、切なさとか、ホラー感とかが詰まって詰まって、瓶詰めされて、ふふふと笑いをかみ殺すような気持になった。
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のっぴきならない状況の自分自身はそっちのけで、むらさきのスカートの女の観察者に徹する主人公。
どれだけ執拗に観察したとて、視点と思考回路が独特だから、こちらとしてはどう捉えていいのか判断がつかない。
これ、笑っていいんだろうか…と訝しみながら、あやふやなまま笑ってしまってた。
違うタイミングで読んだら、また全然印象が変わりそう。
ある箇所の言い回し、南キャン山ちゃんの声で再生された。
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大人にも子供にも、近所の皆にその存在を知られている「むらさきのスカートの女」。肩まで伸びたツヤのないパサパサの黒髪、いつも紫色のスカートをはき、週に一度商店街のパン屋でクリームパンを買い、公園の一番奥のベンチに座ってパンを食べる。
そんな彼女を密かに観察する「私」。彼女が気になって仕方がない「私」は、彼女と友達になるためある策略に出て、まんまと同じ職場で働くように彼女を仕向けることに成功し、その日常を観察し続ける。
「私」目線で語られる「むらさきのスカートの女」の日常。当初奇異な存在と思われた女が職場の仲間に溶け込んでいく姿を見るにつれ、逆に浮かび上がってくるのが「私」の狂気。「私」が「黄色いカーディガンの女」として輪郭が露になるとき、「私」目線で読んできたこちら側の足元が揺らぎだす。
今村さんらしいどこかねじれた感じの物語は最後まで不安定で、どっちが正しくてどっちがおかしいのかわからなくなる心許なさが付きまとう。
そもそも、正しい正しくないはそれぞれの目線によって自在に変化するものだということに気付かされ、言いようのない不安感がもたらされる。
だけど、そんな作風がクセになり、また今村作品を読んでしまうのだろうな~
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街をふらつく変人、「むらさきのスカートの女」をストーカーする、「わたし」の話。
むらさきのスカートの女みたいに、
勝手にあだ名をつけられて、勝手にジンクス背負わされて、勝手に有名人になって、からかわれたり冷ややかな目で見られたりしている人、どこの街にもいると思う。
でもそんな奇人に憧れてストーカーする主人公はもっと変、というか、イカれていました。
話したこともない同姓を追いかけたり、自分と同じ職場に務めさせるために切磋琢磨する姿が淡々と描かれています。
中身があるような、ないような。おやつ感覚で読める一冊でした。
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むらさきのスカートの女と、その女に異常なほど執着する黄色いカーディガンのわたし。
執着というかもはやストーカーばり。
公園で子供達と楽しそうに話すむらさきのスカートの女を見た、わたしが、転がっていたオレンジに夢中でかぶりつくあたりから、印象が変わり始める。
おかしいおかしいと思っていたむらさきの女だったが、実は見方を変えてみれば、おかしいのは、わたしの方なのではないか…
だんだんとその不安とワクワクが膨らんでいき、続きが気になって仕方なくなる。
結局、わたし目線でしか描かれていないため、どちらが変だったのか、わからないまま。
でもそれがこの本の良さなんだと思う。
人にはいろんな一面があり、見方を変えれば、普通の人も、異常者もきっと紙一重。。
それを思うとすこしゾッとしました。
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第161回、芥川賞受賞作。
ー 狂気と紙一重の滑稽さ。変わりえぬ日常。
〈わたし〉が望むものとは? ー
なんと言ったらいいのか…不思議な、独特な世界観の話。
ある意味恐怖を覚える話だが、バスの中で、むらさきのスカートの女の肩に付いたご飯粒を取ろうとした時車体がカーブで揺れて
むらさきのスカートの女の鼻をつまんでしまった時は可笑しくて声を出して笑ってしまった(笑)
2019年読了、19冊目
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「むらさきのスカートの女」と彼女を観察する「きいろいカーディガンの女」どちらが異常なのか。
たぶんわたし達は知らないうちに常識の1歩外に出てしまう危うさをもってるのだろう。
「むらさきのスカートの女」を観察している主人公の語りで物語は進んでいきます。徐々に「むらさきのスカートの女」を一方的に観察するだけで満足できなくなり、相手に自分の存在を気づかせようと主人公が行動したことで「むらさきのスカートの女」の日常に変化が現れます。主人公は自身を「黄色いカーディガンの女」といい彼女の日常も又変化していきます。「むらさきのスカートの女」と「黄色いカーディガンの女」。どちらが正常でどちらが異常なのか。ちょっと奇妙なこの物語の主人公はもしかしたらあなたや私かもしれません。
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第161回芥川賞受賞作品むらさきのスカートの女
何がそんなに面白かったのかを説明するのそう簡単な作品ではない。
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今村作品は、読みやすいのにどこか入りたくないところにずるっと引きずり込まれるような独特の力を持っている気がします。今回は長編。みんなが知っている一風変わったむらさきのスカートの女。彼女を観察し友人になろうとする主人公の視点でむらさきのスカートの女が語られます。最初は絶対にこんな女性とはお近づきになりたくないと思って読んでいるのですが、いつしか表現されているのは全く違うことだと気付きます。気持ち悪かった!登場人物誰にも共感できないし。でもさすが今村さんです。今まで読んだどの芥川賞作品より心に残りました。
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昨年夏に図書館で予約し、1年を経てようやく自分のところへやってきてくれた。
いい意味で期待を裏切る作品だった。
「むらさきのスカートの女」と、主人公である黄色いカーディガンの女の対比と実は紙一重のような二人の描写が面白い。物語ラストの終わり方も、読み手側に色々と想像させてくれる。
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この著者の作品は今まで2作読んできたが、ちょっと視点がずれた作風が気になっていた、本作で芥川賞と言うことだが作品的には賞に充分値する作品だと思う。世の中の底辺に蠢く二人の女性の話、同情的に見ていた女性の運気が上がって来ると途端に目の敵になるという人間のサガに哀れを感じた、ちょっと注目の作家に入れておこう。