精霊の王 みんなのレビュー

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者：ちこ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、まだ日本という国家が存在する以前から、人々によって信仰されていた古層の神とも言うべき「石神（シャグジ）」について書かれた非常に稀有な一冊です。著者によれば、この「石神」は日本という国家誕生とともに衰退していくのですが、現能や技術の専門家たちの間では「宿神（しゅくじん）」という名前で延々と生き延びたということです。さらに、中世においては「後戸（うしろど）の神」とも呼ばれていたと解説されています。同書では、我が国の中世からの文献や資料を参考にしながら、太古の神・信仰の姿を追っていきます。読者に感動にも似た感情を提供してくれる、なかなか読み応えのある書です！