電子書籍
人間の本質とは…
2021/08/20 10:14
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さくら - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても興味深い小説でした。自分が内田偲になって八丁堀の人間と関わり合いながら人間の本質という荒唐無稽なバベルの塔と向き合う。人情味がある話が好きなのでとても楽しく鑑賞出来ました。ただ、残念なのは送り仮名のミスが多発している所だったな。紙の本だったら良かったのかな。
「太郎はぴしゃりど言った」 なんて興ざめするでしょ? そんなのが20カ所以上あったのに面白く読めたから評価は満点です。
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文庫化されたので、再読。
五條瑛と言う作家を知ったのが、この作品。
とてもテンポよく、さくさく読めるし、他の作品との伏線がたくさん隠されているので、再読でも十分楽しめる。
群集心理を逆手に取った研究者たちに、計数屋・偲が挑む。
群集心理の勉強になるし、主人公・偲のキャラはとっても、魅力的。
彼の片腕となる浪人生・笙も、かわいい。
ぜひ続編を読みたい作品。
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読み応えありました。
すごいボリューム。
おもしろかった。
ほかの作品とリンクしてるところとか、
すごくファンの心をくすぐる作りだし、
五條瑛の世界観が満載で楽しかった。
願わくば…。
この作家さんの作品では良くあると感じているんだけど、
この登場人物怪しい感を漂わせるから、
読んでいる方はいろいろ気がつくんだけど、
主人公はそのことになかなか気付かない、という場面があって、
それってちょっとフラストレーション。
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おもしろかった! こじんまりとした印象ですが、だからこそ展開される人間関係がおもしろかった。人物の魅力が伝わってこないような小説もある中、どの人物もすてきと思える部分がありました。人間の魅力を書くのが五條さんはお上手ですね。そして“数字”というものがこんなに興味深いものだったと知り、もっといろいろなことに関心を持ちたいなと思いました。個人的ですが笙くんがめちゃめちゃかわいい。大好き。忘れちゃいけない「葉山と天敵」のくだりでは、思わずにやりとしてしまいました(笑)。
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鉱物シリーズのスピンオフ的な作品ということで購読。
しかし計数屋という設定が想像していた以上に面白く、出てくる登場人物も魅力的。敵役になるお方の過去になかなかの萌えがあり、これはこれで1作書けるんじゃなかろーかと指をくわえている本日です。
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群衆心理を逆手に「人間を操作する」という怖さが描かれています。
東京ののんびりとした下町が、心理操作で徐々に不穏になっていく。人間が人間の心理を巧みに操り、故意に「無意識の悪意」を作り出していく。その黒幕と戦う主人公のお話。
読んでて「ん?」というような人物や組織の描写が有ったのですが、もともと別の作品(鉱物シリーズ)のスピンオフのようです。それを知らずにこっちを先に読んでしまったけれど、それでも充分楽しめます。
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もやもやも残るラストだったけど、読後感はすごくよかった。主人公の偲ちゃんやそのまわりの男の子達の、健やかさ、気持ちの良さに、救われる感じ。
「理解」と「共感」は違う!ということを思わされました。
偲ちゃん、リベンジプリーズ!ですなw
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たまたま仕事で数値を扱うことが増えたので、この話への興味がわいたってのもあるが、それを差し引いても大いに楽しめた。最高!
計測屋でのんびりと働く、警察が肌に合わなくてやめた主人公・偲の設定がいい。
通常、元・警察官のキャラクターはちょっとやさぐれていたり組織から大きくはみ出ながらもどこかで矜持を捨てきれずに屈折しているのだが、偲は正義感やバランス感覚、そうして「現実と折り合う能力」をきちんと残しながら、下町でまっとうに育ってゆく。
最後のクライマックスシーンで太郎に起こったこと、偲の前に展開した構図はとても私の胸を凍らせたけれど、それでもこの小説が前に向かって倒れる、清々しいまでのまっすぐさを損なわずに終わった点は、とても嬉しく思った。
分析も検証もすばらしく、数学にある種の魔力があることを思い出し、でもそれでも最後に数字が恣意ではなくまっとうな意思によってこそ生かされてほしいと、素直に願うことができた、悦楽。
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五條氏の作品は、どれを読んでも「これは彼女にしか書けないだろうなぁ」と思わせます。
今回のテーマである群集心理のコントロールも非常に綿密に計算されており、このボリュームを中だるみせずに読めるのはキャラクターの魅力と独創性のなせる技でしょうか。
でも、考えてみれば革命シリーズが書けるぐらいだから、彼女にとってはこの分量ぐらい当然かも知れませんね。
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日曜朝の特撮でエンター様を演じられると決まったので大好きな五條さんの本をお誕生日のプレゼントにしました。憎まれるばかりが悪役じゃないわよ、と思って「エデン」と迷ったのだけど意図したものではない柳沢笙という登場人物がいて一人で喜んだ。
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あらすじ(背表紙より)
下町・八丁堀で働く内田偲は、単調だが平穏な日々を愛し楽しんでいた。だが街に少しずつ不穏な空気が流れ始め、犯罪が不自然なほど急増する。原因を探る偲が辿り着いたのは、人を思い通りに操ろうとする企みだった。金も力も組織もない若者は街を救えるのか?心理操作の恐怖と人間の“愚かしさと愛しさ”を精緻に描く鮮烈エンターテインメント。