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2019年4月27日 59冊目(4-14)
絵が描けたら建築士になりたいと思っていました。今も建築に興味があるので。
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ノースライト、北側の窓から入る光。
失踪した依頼主。どうして主人公の設計した家に入居せずにいなくなったのか?
ストーリーは広がっていくが読者には全くわからないまま進む。
しかし最後にそれは主人公への愛が成したことに気づく。
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某書店を物色しつつパトロールしていたら、「〇〇書店にお越しの皆さま、横山秀夫です。…」と聞こえてきた店内アナウンス。
今や作家自ら書店を行脚しサイン本を並べて、新作をPRする時代だと知ってはいたが、新人や若手のみならず、よもやこのように実績も知名度も十二分にあるヴェテランまでとは…。
そこで宣伝されていた本書、どこかで高評価のレヴューも既に目にしていたし、手に取って購入した次第。
単行本化は最近ながら、奥付を見ると雑誌連載は10年以上前のようで、確かにところどころ時代は感じさせる。
ディテールは別として、大枠の謎解きを含めたプロットは意外とシンプルで、早い段階で推察が可能。
男社会をマッチョな筆致で描く横山節も相変わらず。
でありながらもやっぱり抜群の読みやすさで、まったく長さを感じることなく最後まで一気に読まされるし、題材となっている建築も個人的に興味がある分野なので、そこも一枚乗っている。
そして小説家としての確かな技術で以て、予測可能でベタな展開であっても、きっちりと感動させられてしまった。
上手い。
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面白かった!
建築家が思う存分力を発揮して建てた家が空き家に。
どうして?から、その理由に達するまでの物語に惹きつけられる。
日本に亡命していた建築家、施主、少しずつ真実に向かっていく。
最後の弔い戦には粋を感じる。
読み終わり、フーッと息を吐いた感じ。
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2019ゴールデンウィークに、まさに平成最終日から令和初日の2日間、見舞い目的の拝島往復の中央線を中心に読了。
警察小説時代にかなりはまりこんだ横山秀夫作品。本屋で新作を探すことも忘れかけたが、それもそのはず長編小説は6年ぶり、『64』以来と。
主人公は、青野稔、ダム建設の職人である『渡り』の子。建築士。バブル時代に夫婦関係を壊し、娘の日向子とは月一回のみ会話を許されている。
その青野の建築家としての、そして彼と家族だけでなく、クライアントの吉野や、同じく建築士の同僚・岡嶋といった登場人物それぞれの、『再生』の物語、と読めた。
吉野探し→タウト探しの前半より、青野と元妻ゆかりや日向子、或いは岡嶋との関係に主題か移った中盤から、物語が染み込んできた。ちょうど立川駅の喫茶店あたりから、世の中が突然、澄んで見え始めたように感じた。
タウトや建築について学びながら読めばまた違った楽しみがあったか。逆に、若干作り込まれ過ぎたような重さも感じた。建築としての手法や美しさやと、物語との相関までたどり着ければ、さらにもう一段突き抜けていたかもしれない。
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それぞれ傷を抱え、それを隠し持って生きる登場人物たちに読者もヒリヒリした痛みを与えられる。ミステリー部分は松本清張を思わせた。
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事件らしい「事件」は出てこない。刑事も出てこない。
一級建築士の青瀬稔が「謎」を解いていく物語であり、
その結果、青瀬が再生していく。
『ノースライト』というタイトル同様、
静かに、穏やかに物語は進む。
私が読んだ横山他作品と比べると、
“引き込まれて、グイグイ読み進める”ような迫力には欠けるかも。
ラストの青瀬の「決断」は、胸に迫る。
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相変わらず中年男性のナイーブな心理描写を書かせたら右に出る者は居ないなあと思った。
すごく丁寧に作り込まれてて面白かったんだけど、結局「64」の時と同じ感想に行きつくんだが、横山作品の長編は間延びしがちだなあと。
特に今回は刑事モノや警察モノといったお馴染みの題材ではなく、建築家が中心となった物語。
もちろん専門的な分野に関する記述も、読者が置いてけぼりになることないよう判りやすく文章が作り込まれているけど、それだけにちょっと冗長になってしまってるのかな。
終盤のお仕事の盛り上がりも割と想定通りの展開で、本題だった謎の解明も正直「ふーん」くらいだった。
そろそろ横山先生の「短編」を読みたいです。
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建築家の主人公が、賞も取り最高作として作り上げた家が、引き渡しの後連絡がつかなくなり、その家にも住んでいない事がわかり、購入者を探す話。
ブルーノタウトを追う話でもある。
横山秀夫氏は本が出るのが楽しみな作家の一人で運良く早速読むことが出来た。建築士がキーワードでまた新たなジャンルと思う。綿密に調査しているのだろうなと思うのと、主人公のニチジョウセイカツヲ書くことで、状況を伝える文の作り物語の進め方は勉強になる。
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初めは推理小説かと思い勘違いして読んでいましたが、
勘違いするほどそれだけサスペンス感のような
ドキドキ感を味わいました。
特に後半からはぐんぐんと真相に迫り、
今まで冷静だった主人公がどんどんと熱量を上げていくのが
ページを捲る手が止まりませんでした。
今まで建築士を主軸にした作品を読んだことが無かったので、
設計、建築などの仕事の一連が知れて面白かったです。
またこの作品の鍵となる「タウトの椅子」の制作者でもある
ブルーノータウトについての事が詳細に描かれているのでとても興味深く読めました。
作品の舞台となった所が意外にも自身の身近な場所に
あったりと作品の中に登場するものが、
どこか身近なものに感じたので感情移入もしやすかったです。
主人公の仕事に対する思い、そして家族や同僚、友達などと
家を通して人生そのものを考えさせられるような
テーマでもあり読んでいてとても納得するものばかりでした。
そして家を建てるということはどんな人でも
夢を見させてロマンを感じるものだと思いました。
そんな建築士がとても魅力的だと思えてしまいました。
「64」、「半落ち」、「クライマーズハイ」などの
以前の作品を動とするならば、
今回の作品は静寂感の静でその中に美しさのような
佇まいを感じて今までの横山さんの作品とは違った
作品の雰囲気でとても味わい深いものだと思い
読了後は明るい未来も垣間見れて心が温まりました。
この作品も映画やドラマなどの映像化として観てみたいです。
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ミステリー作品かと思いきや、なかなか面白い人間ドラマでした!主人公が自分が建築デザインした家の持ち主の謎の失踪の真相を追いかけつつ、その失踪した家で見つかったブルーノ・タウトの作品のような椅子の謎、所属する建築会社の社運をかけてのぞむことになった大型コンペ、またそれを妨害する人たちとの対峙、仲間の無念の死、それぞれの家族の複雑な家庭事情など、いろいろな事件が発生しては、複雑に絡み合うドラマ展開がさすがは横山秀夫作品と感じさせられました!
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連載中に読んでいたのに椅子の話という記憶しかなかったので今回出版されて良かった
最後まで一気に読んでしまいました、やっぱり読み応えのある作品です
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横山節の真骨頂ともいえるサスペンスの崖、何かとんでもないことを見逃しているのではないか、というハラハラというより、同じトーンで進みつつも美しい物語になっている。
横山さんの作品には珍しくタウトの椅子や洗心亭など固有名詞が多く出てくる。それがある意味ファンタジーとも言えなくない筋のなかで、主人公が迷う森の木立のようにすっくと立ち、ミステリー感を引き出している。
人生の取り返しのつかない傷を見せまいと生きてきた建築家が、ただひとつ魂を込めて設計したと胸を張れる家とその施主に端を発する事件。
横山さんの本はドーンと打ちのめされた感を求めて読むけれど、この本は美しい余韻を楽しむ話。愛するものと人生の中ではぐれても、それきりを会えなくなったとしても、人が思う限りその人はどこかで救われることができる。
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建築士青瀬の住みたい家を建てたことからのいろいろな波紋.別れた妻や娘,建築事務所の所長であり友人,Y邸の施主などに広がって,Y邸と部屋に置かれたタウト の椅子に還ってくる.そんな物語だ.最後の起死回生のコンペのたたき図は出来過ぎの感があるが,何事もハッピーエンドでなくっちゃ.そしてまた作品を包み込んでいるような表紙の絵がとてもいい..
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久しぶりの横山作品、これも上手いですねぇ!とりわけ終盤からの緊迫感とラストまでの一気呵成な展開は目が離せないで夜半まで読んでしまった(^^) 仕事も家庭もうまく行かずの一級建築士がとある家族からの依頼で会心の家を信濃追分に完成させて専門誌からも称えられる。しかし完工後ぱたりと音信不通となった依頼人家族、しかも入居した痕跡さえ無く、ポツンと一つのブルーノ タウト製作らしき椅子があるだけ。会心の家が否定されたような気持ちを抱き、謎解きに臨む主人公だが実は意外な関連性があったのだ。施工依頼人の名前に、はは〜んとは思ったけど....。なかなか面白かったです♪