紙の本
教養として哲学と宗教を概観するための本
2019/12/30 00:47
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しょひょう - この投稿者のレビュー一覧を見る
哲学や宗教についての本はかねてから好んで読んでいたが、教養人として名高い著者が書いていることもあり、購入して通読。
西洋哲学だけでなく、中国やインドにも触れている。
研究者ではなく、ビジネスマンである著者の理解、解釈に基づているため、学問的な意味での網羅性や厳密性はないが、文体は平易で読みやすく、「なんとなく一通り分かった」気にさせてくれるし、参考図書(推薦図書)も明記されているのも親切。
全く触れられていない事項(例えば、ハイデッカーとか行動主義、日本仏教、近代の東洋思想など)も多く、また、触れられている哲学者や宗教についてもその思想の一部の紹介にとどまっている部分が多く、正直物足りなさも感じたが、そもそも一冊の本(分厚いが字も大きい)で記述できるわけもないので、それは仕方がないか。
哲学や宗教への予備知識のほとんどない人でも最後まで読み通せる本としてはお薦め。
紙の本
哲学の入門書として読むと良いのでは。
2022/03/15 07:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:akihiro - この投稿者のレビュー一覧を見る
400頁を超える分厚さですが、一つの章の分量はそこまで多くありませんし、哲学者の写真などもたくさん載っているので、思ったよりスラスラと読めました。
本書では個々の哲学思想を掘り下げるのではなく、それぞれの思想がどのような時代、環境、宗教観のもとで生まれたのかに焦点が当てられています。それが本書の特徴であり、価値を見出す点でもあると思います。ざっくりとですが哲学の通史を追えて、思想の変遷を知ることができました。
一点、p.181に「日本書紀でも、最後に神武天皇を創作しています。」とありますが、その根拠が解説されていません。物語の創作ならともかく、初代天皇を創作となると建国の歴史観を揺るがしかねません。それ以外の箇所についても、著者が何を持って断言しているのかについてわかりかねるところがあるので、本書だけで理解した気になるのは控えたいと思います。
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48歳にして、あまりにも知らないことが多すぎることを痛感。自分の頭の中の世界が広がった感じ。世界にはおもしろいことおもしろい人が際限なく存在するんやな。知りたいこと考えたいことが膨らんで楽しく得した気分になった。挙げられている参考文献にも取り組んでみたい。まずは、ダーウィンの種の起源から始めたい。
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哲学と宗教、そして人間全体に関わっているんだな、と何となくわかりました。
哲学って小難しくって近寄りがたいイメージだと思っていたけれど意外と奥が深く面白そう。
そして人間と国家についての関係性についてが面白いです。
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宗教や哲学はちょうど夏季休暇を利用して知見を深めたかったテーマなので、一も二もなく購入し1日かけて読破。
人類が生まれた時から問い続けられてきたテーマ「世界はどうしてできたのか」「人間はどこからきてどこへ行くのか」に対する回答を、ある時は理性的に、ある時は人類の外(神)に求めようとしてきた変遷が非常に興味をそそる。
ビジネスへの実用的な思考術や捉え方は「武器になる哲学(山口周著)」に譲ることができるとしても、本書はその歴史的見地から詳説が加えられており、読み通すことで生涯の強いバックボーンを得られることは間違いない。
特に私が興味をひかれたのは「荀子」の性悪説の解釈、および「カント」の格率論、すなわち「信念は学習を重ねていけば道徳法則と一致する」という結論である。
400ページ以上ある大作なれど、おかげで初めて知った内容も多く、コストパーフォーマンスも高い。読み通すのはちょっと大変だが、学ぶことの楽しさを再確認させてくれた本でもあり、時間を見つけて読み下してほしい一冊。
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出口さんの著作にはいつも感心させられるし、勉強になる。
紀元前から近代に至まで古今東西の哲学と宗教を簡易な表現で説明してくれます。哲学、宗教に詳しい人には物足りないのかもしれませんが、いずれも知識の浅い私には網羅的に理解できることが助かる。詳細は各章に載せられている名著に譲っていますが、それがまた読みたくなります。
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次から次に読みたい古典が見つかる困った本。大企業サラリーマン・起業家を経てAPU学長となった出口先生だからこその語り口が、バラバラになりがちな宗教と哲学の歴史を、一本の筋につなぎとめてくれる。
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読みやすくとっつきやすく書かれた倫理の教科書という感じ。ただ倫理の中では宗教はあまり触れられていないので、一般的な学校の教科書より詳しい。読むにあたってある程度世界史の教養がないとしんどいかも。でも、この本を読んでみようと思う時点で、それなりの教養はあるはずなので問題ないか。
何度か読み直したいなと思わせる本でした。
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出口治明先生の『哲学と宗教全史』読了。見た目が分厚くて、理系出身で世界史の前提知識もない自分が読めるが不安だったが、語り口調で易しく噛み砕かれており、思ったよりずっと読みやすかった。何度も読み返すことになりそう。
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この本は読む価値はどこにあるのか?
私たちホモ・サピエンスは約20万年前に誕生し、
今から約1万年前に定住生活を始めたとされている。
農耕社会を営み、家畜や土地を所有物として支配し始めたドメスティケーションと呼ばれるその時期から、人間の脳みそは進化していないということが、現代の科学で分かっている。
技術や知識自体は蓄積されていくので、文明は進化するが、
人間の考えること自体は脳の構造自体が同じであるので、ほとんど変わらない。
1万年が経っても私たちは、変わらず喧嘩をし、変わらず失恋をし、同じような失態を繰り返している。
人間の考えることがほとんど変わらないのであれば、今まで人間が考えてきたことの中でも、最も面白く、最も賢く、最も深く、考えたり行われてきたことを知れる哲学や宗教を学ぶことは、
今後自分が人生を生きていく上で何よりも役立つのではないか。
時代を超えて、今に至るまでの歴史に残ってきている思想や知恵というのは、未来に役立てるのではないか。
同じことを繰り返す人間ではあるが、
先人達の思想を学び、考える一助にすることは、
今後の未来や行動を少しでも、より良い結果に繋げやすくできる。
というのは教養を身につけてきた人達の行動には、ある種のバランス感覚があることを見てとれるのではないか。
進歩史観と永劫回帰的史観という物事への見方があるが、いずれにせよ、やはりそれでも学ばなければならないし、学びたいと思うし、多くの巨人達は学んできているのだから。
「学ぶ」「考える」そして、未来をつくっていく
ということに対して深い示唆を与えてくれる
非常に密度の高い良書。
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出口さんの切口のもと、宗教と哲学がオーバービューできる。著者の中にこの豊かな理解の構造が築かれていることに、ただただ驚嘆する。
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紀元前から近現代までの哲学、宗教について網羅された一冊。一人一人、一つ一つの理論を深掘りしているのではなく、同じ地域の人を時代の変遷で俯瞰したり、同時代の別地域に人を比較したり、師匠と弟子の考え方の違いを比べたりしていて、関係性などがよくわかる。基本的な知識を身につけるには最適の一冊。
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平易な文章で読みやすかった。
哲学と宗教に関するガイドブックと言える。
参考文献やお薦めの本の紹介が充実しているので、これからそれを読んで行こうと思う。
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初めて哲学に関する本を手にした。人間は?世界は?という大きな命題に対して、異なる手法でアプローチした哲学と宗教。困難な ことに直面してきた人類、その中で生きる支えとして、神を信仰し語り継がれてきた宗教。そして、自然科学と合わせて、世の中、人類の成り立ちを解明してきた、哲学。でも、これだけ科学が、進歩しても止むことのない、信仰は、きっと人類が永遠に存続して欲しいという願望なのかも。
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とても読みやすいです。
中西古今の哲学を貫通して、この一冊で入門した気がしました。
気になるのが、神学と科学の接点が少なかった、あとで調べてみます。
ありがとうございます。