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柚月裕子のデビュー作でかなり人気のある作品だが、私には今ひとつだった。話半ばで先のストーリーが見えてしまったこともあるが、やたらと解説して行くような話の進め方に何となく不自然な感じがしてしまったからかもしれない。
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人の感情が色でわかる「共感覚」を持つという不思議な青年を担当する臨床心理士が、知的障害者更正施設の闇を追及するサスペンス。柚月裕子の原点となるデビュー作。
社会的弱者の視点で正義を貫くのが柚月作品の本質である。人の感情が色彩に現れるという非現実的な現象を、どこまで許容できるかがこの作品の評価の分岐点になるが、私は全く違和感なく読み進めることができた。
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大切な人を思う気持ちは障害があってもなくても同じで尊い…
どの世界にもそういうものを利用する汚い世界もある
現実にありそうな題材で気が重くなるなか、司の能力のお陰で物語性が高まっていることに救われた
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3
デビュー作。臨床心理士の佐久間美帆が、知的障害更生施設に入所している人の感情が色で分かる共感覚を持つ藤木司とともに、親しくしていた少女彩の死の真相、医師や企業を含めた障害者施設の闇に迫る話。他の作品と比べると、社会背景描写が薄い気もするが、障害者を雇用する企業と助成金、診断する医師との癒着とその性癖などが描かれなかなか面白い。一見、誠実そうな上司の精神科医である高城の性癖を描く描写は結構えぐい。筆者は、動機や人の裏にある感情に拘っているとのこと。
医師が目に見える情報で治療するのに対して、臨床心理士は面談を通して患者の目に見えない内側の問題を掘り起こしその問題点を治療していく。
美帆と更生施設長の安藤のやりとり。障害者は往々にして、意味不明な行動をとることがあるが、その理由を突き詰め一人ひとりに向き合うべきという美帆に対して、それは医療現場における理想であるがそのやり方では医師不足や老患者の増加などから医療崩壊を起こし破綻をきたすことから、現象論的にとらえ仕事として割り切る必要がある。
障害者雇用率制度と障害者雇用納付金制度に基づく助成金。ある基準以上の企業には、国が定めた割合で障害者雇用が義務づけられている制度で、障害者を雇用した企業には国から様々な助成金が出る。雇用する障害者の数え方は、障害レベルで変化し、軽度なら一人、重度なら1.5人、身体か知的かによっても違うが、最も高いのが重度知的障害者。
嗜好や性癖、窃視症、死体を愛するネクロフィリア、幼児にしか欲情しないペドフィリアも治せないらしい。
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柚月裕子のデビュー作ですが,期待通りでした。
中盤までと、中盤から後半への展開…引き込まれてしまいました。狐狼の血に繋がるような気持ちの悪い描写もありましたが…前作読むのが楽しみ。
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知的障害者施設の入所者が個人所有のパソコンを所持していることや、下校時に連れ出せることなど、施設関連の描写での非現実的な部分が気になった。
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障碍者の性欲と性犯罪のお話。
結構アンタッチャブルなところを書いてて読んでいてあまり気分のいいものではない……でも読んじゃった。
柚月さんは犯罪者の動機部分に一番力を入れると仰っているのだけど、そのせいかかなり容赦のない書き方しているなあと思う。社会的規範を逸脱するにしては単純だけど火力が強い。
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知的障害を持つ人にも性欲はある。
それをドクターが取引に使うとは…
新人臨床心理士が警察の真似事をしてうまくいく。
危機は友人のホンモノの警察官、心理士の患者、が救う。
司が急にきちんと言葉を発し、意味のある行動をするのは、難しそうに思うが。
展開がそんなのありえない、と思うことが多かったのでのめり込めず。
臨床心理士にカウンセリングを10年近く受けた経験があるが、このような心理士はいないと思う。
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犯人はわかりやすいが、事件の背景はよくできていた。障害者福祉の闇がフィクションでありながらよくかけていたと思う。現実的にあってはならないことであるのは間違いない
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柚月裕子さんのデビュー作と知って買った一冊。
臨床心理士が事件の真相を調べる話だった。
医療関係の話は難しい単語や言葉などがたくさん出てくるので途中で挫折しそうになるが、この話はまだ読みやすくわかりやすかった。
登場人物のその都度の気持ちや状況が細かく書かれていて、登場人物が今どんな気持ちなのかとかがよくわかった。
結構きつい描写が細かく書かれていて、読んでてあまり気分がいいものじゃない部分もあった。
人の心が色で読める能力って持っていても、ただ生きづらいだけの能力じゃないかと自分も思った小説でした。
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臨床心理士の美帆が担当する司は、人の感情が色でわかる「共感覚」保持者であった。
SFかと思いきや純然たる社会派ミステリで、扱うテーマは重い。
司が親しくしていた知的障がい者である少女、彩。
自殺したとされる彼女の死の真相に、吐き気をもよおしながらも読む手はとまらない。
ストーリー展開に容赦がなく、随所でショックを受けることになった。
でも面白い。
クライマックスはハラハラしながら読んだ。
読みごたえのある作品。
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一気読みでした。
人の感情が色で見える少年、というSF的なスタートで、どうなることか、と思いましたが、しっかり現実的なところに着地しました。
これがデビュー作とは。他の作品を読むのが楽しみです。
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特殊な能力がある事を誰にも信じてもらえず、知的障害者を装って生きなければならない。
それが現代であり、否定も肯定もできない。
弱者を追い詰める無自覚な社会。
そこにひとりの臨床心理士が、患者により添い真理を暴いていく。自己に降りかかる危険も顧ず。
面白かったです。
過激な部分の映写もありつつ、主人公の強さと明るさもコミカルな表現で読間にホッとできて、
あっとゆうまにラストまで読み切りました。
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特に後半は事件の真相が段階的に見えてきて、続きが気になり一気読みでした。
栗原の発言や行動もかっこよかった!
扱うテーマ(題材)は、障害者や社会的弱者、そしてそれに絡む性という、普段あまり目につかないもの。読む中で見方が広がり、考えさせられた重厚なテーマでした。
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これがデビュー作なんですよね?なかなか凄いです。恐るべし。よくよく考えるとかなり色々なテイストが盛り込まれてるんだけど、とっちらかってないところが才能なんでしょうね。やりすぎ一歩手前で見事に交わす様は見事。主人公にフォーカスしすぎないとこも妙。主人公以外、特にすぐそばにいる人たちの描き方が深いんです。これが他の作家さんたちとの決定的な違いかと。深いというよりも丁寧と言った方がいいかもしれません。