紙の本
様々な経歴をもった「迷える大人」たちの最後の教材は、「小笠原」そのものでした!謎のセミナーが感動をもって幕を閉じます!
2020/08/18 10:15
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、「ヒートアイランド」シリーズや「君たちに明日はない」シリーズをはじめ、『クレイジーヘヴン』、『ゆりかごで眠れ』、『真夏の島に咲く花は』などの話題作を次々に発表されている垣根涼介氏の作品です。中公文庫からは上下2巻シリーズで刊行されており、同書はその下巻です。内容は、上巻に引き続き、引きこもりの東大生、元ヤクザ、内気な女性ライターなど、選抜をくぐり抜けた「落ちこぼれ」たちは、ユニークな講義によって新たな視点を獲得し、過去の挫折をとらえなおしていきます。そして、最大にして最後の教材は、開催地・小笠原そのものでした。その美しい自然と数奇な歴史に織り込まれた真理とは一体、何なのでしょうか?謎のセミナーが感動をもって終わります!詳細は、ぜひ、同書をお読みください。
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「君たちに明日は無い」の著者,垣根涼介さんの長編小説.
新聞広告に掲載された「人生再生セミナー」.小笠原諸島で行われる不思議なセミナーに参加した「落ちこぼれ」たち.最後に彼らが掴むものとは?
うーん,設定,ストーリ,キャラ,すべてが中途半端な感じがしてしまいました.著者は読者に何を語りかけたかったのだろう・・・・
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上巻の授業がためなった。
小笠原諸島行ったことなくて
その情景を知ることができたのはよかった。
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で、下。
セミナー最後まで良心的だし。
なんか最後にウラがあってどんでん返し的な・・・・、と思ったら、いい人たちじゃないかー。
登場人物もキャラに好感が持てるし、読後の清涼感がなかなか良いです。
小笠原の歴史もよくわかります。
沖縄などとはまた違う、独自の戦中戦後の歴史があったのですね。
あと、垣根センセはやっぱ車好きなのだ。
どんな脇役(?)車両にも手を抜かず、車種や車名やなんかを描写しておられます。
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様々な境遇の、胸に悩みを抱えた参加者は、小笠原のセミナーで何を得るのか。太郎、柏木、由香とそれぞれの視点で物語は進んでいく。人生論や小笠原の人々の講義、他の参加者との交流…。人の性格はそんなにすぐ変わるものではないが、少しずつ気づきを得ていく3人。彼らの悩みには共感できる点も多かった。太郎と柏木の、まったく異なる境遇の二人の掛け合い等を楽しみながら、いろいろ自分に置き換えて考えさせられた。
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小笠原諸島での謎の研修を受ける人々。地位も境遇も異なる彼らの成長物語・・・というにはあまりにも弱々しい展開で、とても残念。この作者の発するパワーがどこで炸裂するかと待っていたが、大変おとなしく終わり、読みやすいだけ。小笠原の風物がなければ、浅田次郎のようであった。
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垣根 涼介さんの作品ひさびさに読みました。
やっぱり好みなかんじ。
人間って大変。生きるって愉快だなと。
いろんなひとがいて
境遇や環境に左右されて、見失いがちなことを、
講習によって正しそうな(何が正しいかはひとの価値観によるけど、
一般的にみて正しいという人が多そうな)方向に向けられる。
この話では、研修の主催の意図も、善意のものだったし、
受ける側も自分の価値観や芯みたいなものもあって
良い話で終わったけど、違ったら洗脳や詐欺的な宗教にもなり得る
怖い話だと思う。
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小笠原諸島での研修も後半にさしかかる。
研修の内容は現地の人、戦前からこの地にいる欧米系、原地眠の話から内地から移ってきた人の話へと転換していく。
戦前からこの地にいた人の苦労。。。国が変わるというインパクトはかなりのことではないだろうか。
全体的に俯瞰した小説のように思われる。
どうかんじるかはこの研修を受ける人同様読者自身に委ねられている気がした。
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休学中引きこもりの東大生、ヤクザの世界から足を洗った中年男、人とのコミュニケーションが苦手なアラサーフリーライター。どんづまった人々が、東京から船で26時間の小笠原にて開催される「人生再生セミナー」で、人生のやり直しをはかる。果たして彼らは人生をやり直せるのか。
垣根さんのヒューマンドラマ。明日はないシリーズみたいなカンジかなと思ったけど、またちょっと違ったかな。すがすがしく読了できるけど、そこまで感情移入できないとこがあったかな。講義の話とか、面白かったし、小笠原の描写がすごくて、行きたくなった。
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このおはなしは、自己啓発セミナーを受けた受講者の気持ちの変化を描くっていうよりも、著者が「小笠原の歴史」を伝えたかったのかしら? と思いました。
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小笠原で人生セミナーに参加する話。
柏木と竹崎さんはどっかで出てきただろうと思ってたけど
人様の感想を読んでようやく納得。
小笠原の紹介的部分が多くて
小説としての濃密さには欠けるけど
小笠原諸島にはしっかり行ってみたくなりました。
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上巻は一緒にセミナーを受けたような感じさえしたけど、
下巻は小笠原を巡る彼等に追い付けなくて、
それが上巻よりも星1つ減った理由。
私もフィールドワークしたい。
夕焼け見たい。
風の通るバンで昼寝したい。
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下巻を読み終え、改めてこの作品の主役は小笠原そのものだ、との感がした。受講生それぞれ、悩みや問題を抱えているが、小笠原の自然の中では矮小なものになってしまう。小笠原に触れることでそれぞれが再生する。
そして講習の中で語られる、そこに住む島民の、国に対する思いの何と、複雑で、重いことか。戦前、占領下、返還後、国家に翻弄される島民たち。
しかし、それおも”小笠原”は受け入れ、人々に安寧をもたらす。
主人公たちと一緒に、いつまでも小笠原の島々を旅していたい、そんな気持ちの読後感。
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謎に包まれたセミナーだったが、参加した「引きこもりの東大生」「元ヤクザ」「内気な女性ライター」・・・・・。
それぞれセミナーで小笠原の戦前、戦後の時代背景を聞き、考え、心が成長する。
三人とも半年後には次の生活を清々しくおくっている、半年後の同窓会での再会する姿を見てみたい。
世界遺産の小笠原で病んだ心を、先人の体験談を聞き、考えることにより人間はいくらでも成長するものだ。
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夏休みやお盆に読むのにぴったりな本。戦後、小笠原諸島がアメリカから返還されたとき、現地の人々が日本人になるかアメリカ人になるか選択しなくてはならなかった複雑な気持ちが分かりました。お金を払ってこの研修に参加し中間試験で合格すると就職先を斡旋してくれるという物語。自分に適した就職先を斡旋してくれるなら、倍率がすごく高くなりそうなので、この研修は現実にはとても実現できそうもないと思います。
タイトルから、人生について語ってくれるのかと思いましたが、その辺はちょっとあいまいだった気がするので☆は3つ。