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投稿者:やっほー丸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
少女達の学校生活の中で起きた殺人事件の真相を探っていく物語です。
感覚的には、ミステリー:青春が7:3くらいかなぁ。青春と言っても美化されたような清々しいものではなく、言葉の端々に現れる少女達一人一人の悩みや考えが突き刺さってくる感じでした。ただ、疲れずに読めたので私に合っていたのかも。
ミステリーとしては、初心者の私にとっては少し衝撃的でした。なので、ミステリー初心者の方は十分楽しめる内容だと思っています。
しかし、最後が辛かった…。また、時間を置いてよみたいなぁと思える作品でした。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
それも、五年を経てまた、同じように少女の刺死体……。展開はすごく衝撃的で、引き込まれましたが、読み終わったあとの読後感のなんとも言えない……後味の悪さー。うーんでした
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物語の世界観や設定はものすごく好き。
登場人物も好みなんだけど、どうして、この結末なのか?
短編も読めるようなので、期待したい。
表紙は最高。
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『元年春之祭』が話題の陸秋槎の最新作。
歴史ものの次は青春ミステリで、作風の広さを窺わせる。今作の持っている純粋さ、リリカルさは、初期の辻村深月や、佐々木丸美なんかに通じるところがあったと思う。
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5年前に学生寮で起こった不可能事件(足跡の無い殺人)の真相を追う生徒会長と、それに協力する図書館司書。調査を続けていく中で再び過去の事件に酷似した殺人が発生して・・・という話。
中国人である筆者は、日本のいわゆる「新本格ミステリ」に強い影響を受けたとの事で、一筋縄ではいかない解決編を読んだら成程と理解出来た。今までの華文ミステリの中では本格のスピリットを一番感じた。しいて言えば、殺人現場の見取り図が欲しかったね。イマイチ分かり難かったので。
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ここ最近、FGOにかかりきりで読書はほぼ放置状態でしたが、ツイッターで紹介されているのを見つけて読んでみて、琴線に刺さる作品でしたので、久方ぶりに筆を取りたいと思います。
本作は陸秋槎による長編2作目。原題は「当且僅当雪是白的」とあるように、中国ミステリの翻訳。舞台は共学高校。この高校では、5年前にいじめを機に一人の少女が自殺、その謎を解こうと生徒会役員たちが調査する最中、5年前を模倣するような殺人事件が起こり、、、というもの。
翻訳がこなれていることもあるのでしょうが、これは中国ミステリなのか?と思うほどに、日本ミステリ、もとい日本文化の文脈が押さえられていることに驚きを隠せない。登場人物を日本名にするだけで、日本の高校で起きた事件にできてしまう。作者は中国の大学院を修了後、現在金沢市に在住されているようですが、それにしてもすごい。タイトルにもあるように、作中の季節は12月頃に設定されており、曇り空、降雪は一つの鍵となっています。こうした季節感は、中国らしいなあと思って読んでいましたが、よく考えたら金沢もそうだった。
さて、解説等にもあるように、綾辻行人の『十角館の殺人』をはじめとする日本ミステリやオタク文化の影響が随所に見られる。青崎有吾が推薦文を寄せるだけあるwww ただ、密室トリックは個人的に分かりづらかった。事件の舞台となる高校と寮の地図が掲載されているのですが、寮内だけでなく、事件現場となった事務棟と現場の略図があると、よりわかりやすかったのではなかろうか。ラストについては、私個人は描写・情景として美しいと感じる一方、やはりかの人物たちには罪を償って欲しかった。あと、タイトルのエピグラフの意味が未だにわからないのですが、果たして(おバカですみません)。
ところで、本作は本格ミステリであると同時に、作者本人は意図せずと述べているが、百合としての側面が極めて強い。探偵役である生徒会長と寮委員、図書館司書と大学時代の友人、5年前の事件の被害者と加害者など、女性同士の深い(エロス的な意味ではない)関係性が描かれる。中村至宏の装画がまた妄想(笑)を掻き立てる。百合好きの人におすすめの一作である。このことに関わり、作者もインタビューで述べているように、過去と現在、少女と大人といったように、複数を対照させながら事件、そして登場人物たちの内面を描く構図は面白かった。とりわけ本作の肝となる少女の内面、葛藤、将来への不安などは、自分自身が過去と現在を振り返る状況にいるからこそ、なんだか身につまされた。確かに、高校生が持つ無知ゆえの全能感と将来への不安は、私にも覚えがある。自分は、すでに学校図書館司書よりも年齢が上であるから、立ち位置としては彼女に与するのですが、高校生時に生徒会役員を務めていたこともあり、一概に彼女たちを子供として切って捨てるようなことができなかった。この辺りも司書と同じですね。
すでに重版されるなど、日本でも注目が高まっているようですのですが、ぜひぜひ今後とも作品を発表し続けて欲しい。なお、本作の前日譚と、舞台を同じくして数年後の物語がすでに中国では刊行されているようなので、こちら���ぜひぜひ翻訳版が出て欲しいところです。
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ケレン味たっぷりの青春ミステリ。密室トリックけっこう頭使う。しかし、〇〇役が〇〇だったという最大のトリックさえも霞むくらいの、青春の清冽さ。
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読みながら気になったのは、小説の舞台となる高校生活がどこまで現代中国を反映しているのか。作者が日本の小説で読んだ「高校生活」を舞台にしただけではないのか。前作の古代中国と同じく、現実から遠く離れた架空の世界と理解すれば、それはそれで納得がいく。
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一部ではあるが、犯人と自分がシンクロして眩暈を感じた。青春「百合」ミステリー。前作「元年春之祭」は、前漢時代が舞台だったが、今回は現代の高校が舞台。難しい漢字は出てこなかったが、中国の人名になじみがないので、男女の区別がつかなかった。別紙で登場人物表が挟み込まれていた。これ、しおりに代わりにもなる。
今作も若い女の子が主役。頭は切れるが、決して明るい性格ではないし、曲がったところもある。そして、百合の要素。今作は、ダークな「古典部」シリーズといった趣がある。ライトノベルならぬダークノベルか。前作もそうだったけど、この感じは嫌いではない。あと、終章は蛇足で、いらないと思った。
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青春学園物の華文ミステリ。(翻訳)。
ミステリではあるけど、そのはかとなく漂う女学生たちの百合感を楽しんだ感じ。
中国の名前だから馴染むまでてこずったけど、訳が良いので作品に集中できる。
事件を調べ始める動機も弱いし、推理も弱い感じ。でも、この空気感は良い。印象としては学園×百合×ラノベ×ミステリ風味というとこかな。
ひっかかったのは、これって探偵役が犯人っていうNGパターンでは??大御所が満を持してやるならいいけど・・・。
あと、終章で著者と同名の作家設定の人が出てきたけど、このキャラは女性だったはず。そして著者さんは男性だよね???
この終章の語りが入るのもキライじゃないけど、あえて自分キャラを重ねてくるあたりは、遊び心というより若さゆえの顕示欲かなぁなんて感じてしまってもったいなかったかなー。
ちょっともやっとするけど、総合して初の華文ミステリ楽しめました。
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学園ミステリ。五年前に寮で起こった事件。それを調査するうちにまたしても起こる類似した事件。女学生がやや面白半分的に事件の調査をする、という一見ゆるい設定ながら。密室トリックがかっちりしていて、そして容赦のない登場人物たちの人間模様、となかなかに痛々しい物語でした。タイトルから感じられた清冽な印象を持ちつつも、案外邪悪な作品かも。
五年前の事件の動機についてはかなり理解できる部分があったのですが。現代の事件の方が……理解はできても共感ができないなあ。だからこそ彼女たちに寄り添って読んでいると、苦しくなるような心地がしました。もうこのラストまで何とも言えない。
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虐めで雪の夜に寮から外に追い出された少女が次の日の朝、雪の密室の中死体で発見される。5年後、寮で起きた虐めをきっかけに生徒会長馮は自殺で片付けられたこの事件の真相を追い始める。そして事件をなぞったような少女の死体が発見される…。過去の事件を調べる為に虐めの首謀者達に会って傷えぐり倒す手法が大胆で日本との違いに驚く。最終的には「何故」重視で少女時代の閉塞感とかちょっとしたずれからの悲劇にしんみりする。2つの事件の謎を消去法で絞っていく過程はお手本のようなミステリ。名前何度も人物表で確認しないと判らなかったりで読みにくかったけどほんのり百合要素含め美しかった。
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タイトルがトリックなどに関係があるのかと思って読んでいましたが、特に関係なかったですね。過去の殺人事件にまつわる女子高生と元女子高生たちの群像劇ともいえる作品かと思いましたが、それ以上に女子高生ものでした。ワイダニットが好きな私としては、この動機筋は感傷的で印象深かったですし、結末もきれいな印象でした。ところどころの描写も繊細。後半は筋を追うのを急いであまり味わえなかったので、後半部分だけでもまた読み返そうかと思っています。
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5年前に学生寮で遺体で発見された少女。不可解な要素がありつつも警察は自殺として処理。そして現在。新たに起こる殺人事件。その様相は5年前と酷似していた。
中国の翻訳ミステリ。珍しいですね。中国ではこういう本格ミステリ的なものの市民権とかどうなんでしょうね?
現代の事件の方のトリックというかそこに至るまでのプロセスはそれなりに納得できるものの殺害動機が・・・どうもなあ。学生が登場人物の学園ミステリということで「青春の先行きの見えない不安定さ」みたいなものを表現されたりとかなんでしょうかね?あんまり・・好みではないですがホワイダニットは後回しになるのが本格らしさといえなくもない・・のかな?
さらに5年前の事件の方がなんともこう、もやもやする感じでした。うーん。
よく知らなかったんですが、これはシリーズなんですかね?これの登場人物のお話が他にもあるとかで。
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雪密室を扱った青春ミステリーで、ロジカルに手堅く纏まっている印象。北京出身の作家さんということですが、登場人物の名前以外は中国感が全くなく読み易い文章ですんなり物語世界に没入出来るところも良いです。
ただ、どこか既視感のあるストーリーで何処にも真新しさを感じられないのが難点かなと思います。