われわれはなぜ嘘つきで自信過剰でお人好しなのか 進化心理学で読み解く、人類の驚くべき戦略 みんなのレビュー
- ウィリアム・フォン・ヒッペル, 濱野大道
- 税込価格:1,760円(16pt)
- 出版社:ハーパーコリンズ・ジャパン
- ブラウザ
- iOS
- Android
- Win
- Mac
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
1 件中 1 件~ 1 件を表示 |
進化心理学の入門書として最適
2023/02/23 22:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Toshi - この投稿者のレビュー一覧を見る
「他人と比べる必要なんかない!ありのままに!」、「一人でも大丈夫、自分らしく!」みたいな何の助けにもならない綺麗事にウンザリしている人はぜひ読んでほしい。
それに進化心理学の入門書としても最適。
ヒトが生態系の頂点になれたのは、ひとえに「社会性」こそが一番のキーワードである事が様々な心理学や脳科学、人類学の研究から明らかにされていく。
複雑な課題を解決する上で必要な計算能力や計画性、自制心もまた、元々はグループ内の他者からの評判や協力を得られる為に進化した社会的知性の副産物であるという、常識とは違った知見も得られた。
また配偶者競争によって、ヒトは他者と比べて自分がどの立ち位置にいるかを確認し、一喜一憂する心理が進化したそうだ。
そうして極端に社会的に進化したのが人類なので、高い技術的スキルを持つ人間も基本的には社会的なイノベーションの開発に偏るが、社会的スキルに欠け、一方で技術的スキルを持つ人間は技術的イノベーションを生み出す事が多いみたいだ。
そうした個体は男性に多く見られ、社会的スキルを持つ女性でも十分な働き口がある男女平等な国ほど、生物学的な選好の差が先進国での理系分野での性差を生むという知見は示唆に富む。
何かと性差を社会や男性のせいにする社会学者やジェンダー研究者は、もう少し生物学の勉強をするべきだろう。
最後に、現代社会への警鐘が述べられている。
本来なら家族や友人、共同体との関わりを求める欲求は進化的に最も満足度をもたらしてくれる訳だが、現代ではそうした欲求をごまかす下位互換としてのエンタメや次々と移り変わる人付き合いがあふれており、それらが現代人の不幸に繋がっているとのことだ。
1 件中 1 件~ 1 件を表示 |