紙の本
素晴らしいの一言!ビックリしました
2020/03/05 21:04
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
「日本人は集団主義的、欧米は個人主義的」との世界の通説について、著者が実証検査を踏まえた上で強く異論を唱えた、力強い1冊です。
まさか、前述した通説にこれといった根拠がないなど、今まで疑問に思うこともなかったので、当書を読んでビックリしました。視野が広がりました。
さらに、当書は「通説に異論を唱えるための方法」についても伝授しています。この能力を使いこなせれば、会得した人間は「箔がつく」のではないでしょうか。人生の大きな武器になり得そうな感があります。
文章は一部、難易なところがあります。一気に読破しようとすると、私みたいに頭が疲れるかもしれません。ゆっくり読み進めてほしい1冊です。
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出版社プレスリリース(2019.11.8):「日本人は集団主義」という通説に科学的根拠なし!東大名誉教授が明かす『日本人論の危険なあやまち』 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000320.000018193.html
キーワード:
◆対応バイアス
(他人の行動の原因を考えるとき)外部の状況を考慮せずに、その人の内部にある特性が原因だと考えてしまう強い偏り(p193)
◆確証バイアス
特定の仮説が頭にあると、証拠を調べようとするとき、「その仮説に合った証拠ばかりに目が奪われてしまう」というバイアス(p215)
◆文化
「知的活動によって生み出され、知的活動によって継承されうるもの」(p248)
◆文化ステレオタイプ
・文化の違いにもとづくステレオタイプ(p231)
・「文化の違いにもとづくステレオタイプ」というよりは、「文化的に創り上げられた『違い』にもとづくステレオタイプ」(p292)
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日本人はアメリカ人と違って集団主義的なのか?といった素朴な疑問への回答からはじまったが、最後には文化的ステレオタイプが大虐殺をももたらす、というオチになる。
軽い気持ちで読みはじめたが、最後には重いテーマに至るので少し戸惑った。
日本人特殊論が、異様な日本バッシングと、アメリカによる経済制裁を許容させたプロセスは興味深い。アメリカには上手くやられたなと思う一方、中国に同じ手は通用するかなと思う。
筆者は心理学の先生なので、心理学の理論を用いて解説をされている箇所があったが、あまり頭に残っていない。読み直さなければ。
小池和男さんが、経済における日本人特殊論はまやかしだと論じている点について、筆者は多く引用している。年功序列賃金、系列などなどについてである。
しかし、どの議論も内容が薄いように思う。日米貿易摩擦の原因は人口差というのも短絡的な印象を受けた。
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日本の人でさえ好んで良く使う集団主義ステレオタイプ(ところがご本人はそう思っていないことが多い)。そこから離れてみると文化を超えてそうふるまってしまう状況の力に気づかされる。実証データと歴史的な根拠をもとに反証を積み上げていく著者の著者の筋道に脱帽。ただ、どれくらい選択的に根拠を引用いているのか、専門外の私には判断する余裕がない。根拠の偏った選択的は肯定派であろうと否定派であろうと同じだろうから、結論付けることは難しいかもしれない。いずれにしろ、性別や民族への偏見に厳しくなった今の社会でも、なぜ「〇〇人は許容されてしまうのか&oq=そこから離れてみると文化を超えてそうふるまってしまう状況の力に気づかされる。実証データと歴史的な根拠をもとに反証を積み上げていく著者の著者の筋道に脱帽。ただ、どれくらい選択的に根拠を引用いているのか、専門外の私には判断する余裕がない。根拠の偏った選択的は肯定派であろうと否定派であろうと同じだろうから、結論付けることは難しいかもしれない。いずれにしろ、性別や民族への偏見に厳しくなった今の社会でも、なぜ「〇〇人は、、、」許容されてしまうのか、不思議なものだ。