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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
巨塔が病院ならば、黒い巨塔が裁判所なのが発想として面白い。
裁判所には、高校の時に、傍聴をしにいったことがあるが、最高裁は、また雰囲気が違うのかな?
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瀬木比呂志っていうのは、講談社現代新書に司法モノを結構書いていたんだな。普通の小説家かと思った。すらすら読めるライトノベルというわけではないので読む人は選ぶかもしれないが、組織の人間関係、管理者や権力者のメンタル構造の類型描写という点では、とても面白かった。
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大学病院医学部を舞台に医師たちの権力抗争を描いた「白い巨塔」を思い起させるタイトル、表紙の不穏なイメージ、帯に踊る刺激的なコピーに釣られて手に取った作品。
最高裁判所事務総局・・・我々一般人には、そこでどんな人たちがどんな仕事をしているのか想像もつかない世界。とてつもなく賢いエリートたちが、三権分立のもと「司法」の一翼を担って日々、我々国民のために「行政」「立法」の暴走を防いでくれていると思っていた・・・
冒頭に「これは、この世界の出来事ではない。あるパラレルワールドの物語である。」との一文がある。だけど、描かれる世界に感じる圧倒的なリアリティが恐ろしい。
エリートたちが集まる最高裁事務総局に蔓延る醜悪な権力闘争、壮絶なパワーハラスメント、精神を病むまで追い詰められる者たち。力ある者は力を最大限に振るい、逆らう者には容赦なく、報復人事は当たり前、絶対的な上命下服のそこは、裁判官の思想統制のための牢獄(ラーゲリ)。
自らも裁判官の経歴を持ち、最高裁判所にも勤務した経験を持つ作者が描くこのフィクションは、どこまでがリアルで、どこまでが架空なのかはわからない。だけど、仮にこの小説のように、裁判所が政治に忖度してその判断を下すとき、三権分立は完全に崩壊する。
良識あるものは弾かれ、上に追従する者だけが取り立てられていく組織が健全であるわけがない。
この小説で捨て身の抵抗をした主人公は、組織の闇の前に何の痕跡も残せず、30年後も変わらぬ「黒い巨塔」だけが残った。この結末に暗澹とする。
これが全部フィクションであってほしいと心から願った読後でした。
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人が人を裁くって本当に難しいことです。
人故に集まれば、しがらみも産まれるし、
組織になれば思惑も出てくる。
正義の基準も絶対でないだけに、
それに携わる人は大変です。
それにしても、一文が長い、そして登場人物の役職が長い。ちょっと最初疲れました。
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全く長すぎで、エンターティメントとはいい難い印象。人が多すぎであり、専門性が高すぎて、ついていけないセリフも多々。誰が主人公で誰が狂言回しか、不明。裁判官の内部事情を暴露することがメインであれば、もう少し違うアプローチもありそう。