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なつかしい。とにかく懐かしい。
まだ独身で働いていた頃、休日は本屋に出向いて良さそげな本を買っては読んでいた頃、宮部みゆきさんの著作にハマって、時間を作っては読んでいた。
私が手に取ったのは、平成12年発行の文庫版『平成お徒歩日記』だったと記憶している。この頃に結婚が決まり、生活が随分と変わった。
平成版は、懐かしい記憶とわかちがたく結びついている本で、おそらく探せば見つかるのではないかと思う。
『平成』が外されたこの本には、書き下ろしとして令和元年に実行された『お徒歩話』が入っている。著者も関係者も相応に年を重ねている様子が、微笑ましく身近に感じられた。
20年も前に書いたものがこうして形に残り、思い出されて新しいものが添えられるというのは、なんとも魅力的で滋味深い。
後年に残るものの確かさに、予想していなかった感銘を覚えた。