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昔の「本の雑誌」をめくっていたら、2008年のベスト10の中にこの本のことが載っていて、そう言えば、この前、文庫になってたよなぁと思い出して、買って来た。
作者が最初の話を書いた後、病気休筆して再び書いたというこの本、6年弱のブランクを挟んでいる訳だけど、殆どそれを感じさせないのは、流石というべきなのかしらん。
「アカペラ」は身勝手な両親を尻目にじっちゃんと暮らす女の子の話、「ソリチュード」は父の死をきっかけ家出した実家に20年振りに帰った男が主人公、「ネロリ」は病弱な39歳の弟と静かに暮らす50歳の女性が登場する。
う~ん、どれも上手く書けたお話と思うのだけど、登場人物のグダグダと内に篭った心根が響いてこなくて、あまり好きなテイストでは無かったです。
「ネロリ」のココアちゃんの締めは、無いと収まんなんだろうけど、巧過ぎて余計な感じ。
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ネタバレあり。
中編小説3作収録。
アカペラ。
先が気になってどんどん読んだ。
面白かった。
タマコにすごく共感できた。
横山に振られたんだけど、そのことはもう何でもないように振舞ってて、
振舞ってるうちにほんとにどうでもよくなってくる感じとか。
不幸な家庭扱いされてもそんなことは大した問題じゃなくて、自分は幸せだと本気で思ってるところとか。
悩んでたって辛く感じる時間が増えるだけで、メリットは一つもない。
やたらと悩んでる人をみると、この人は悩むのが好きで悩んでるんだなーと思う。
そうは言っても悩むときは悩むけど。
しかし!
タマコとトモゾウが事に及んでしまったのはいただけない 笑
びっくりしちゃったよ。
ラストは悲しく感じた。
タマコがもっと成長した後のことを考えれば、いい終わり方なのか。
ソリチュード。
イケメン中年が20年ぶりに東京から地元の千葉に戻ってブラブラする話。
主人公がイケメンでなければ全く許されないであろうストーリーで、
イケメンは偉大だと感じた。
面白かったけど。
ネロリ。
50間際の社長秘書の姉と、今まで働いたことのない病弱な39歳の弟が、仲良く二人暮ししている話。
設定が珍しいと思った。
須賀は田辺聖子の小説に出てくる男の標準語バージョンのようでもあるが、
しかし聖子さんの男はもっと押しが強いような気もする。
この話はオチが気に入らない。
実はココアちゃんは親戚でしたーってのはないほうがいいと思ったけど。
作者あとがきによると、この3編は全て、狭くて古くて安普請の一戸建てが舞台となっているそうだ。
確かに。
でも、ちょっとした近親相姦も共通している。
孫とじいさん(血はつながってない)
いとこ(結婚出来るけど)
ココアちゃんと日出夫(母違いの姪)
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他人ならまぁそういう人もいるかと思えることも家族だからこそ嫌いだったり腹が立ったりすることがある気がする。とりあえずわたしは365日魚を出さなきゃいけない男とは絶対結婚しない!!と母を見て思ってきた。ソリチュードを読んでふふっと笑ってしまった。
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大好きな山本文緒さん。予想したよりブラック。。でも、必要以上に重くない空気感はさすが!
ソリチュードがいちばんすきです。
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ネロリが、一番好きかも。
何がある訳ではないけれど、
なんとなく嬉しいこととか、悲しいこととか、
人とはほんの少しだけ違うこととか。
そういう積み重ねが、生きるってことであって、幸せってことなのかもとか思ったりする。
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短編が3作。「アカペラ」「ソリチュード」「ネロリ」ちょっと変わった親子だったり、孫と祖父だったり、姉弟だったり、そんなつながりや愛情を、爽やかに描くのではなく澱んだ愛情で描いている、そんな空気感の小説です。3作の中では「ソリチュード」が、自分の中ではいちばん好きな山本作品の空気があるような気がしました。できる人間でなく、なんだかダメじゃん!て言う人間の、葛藤とか生活の中に、実は心の温かさとかが、チラチラっと垣間見れることで、ちょっと安心できるような、そんな空気感。あとの2作はあまり心に響かなかったかな。
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「アカペラ」が、よかった。
もー、タマコがまちがっているにきまっているけど、だーだーなきたくなっちゃうよね。もー、あんなんで終わるんじゃ、しんじゃうよりずっと!たち悪いわ。
山本文緒、恐るべし。
カニータに、かなり共感。いかすけないばかなやつですが、気になります。彼の物語も読みたい。
わたしはオバチャンなのですが、もっと若い時分に読んでいたら、感想はちがったものになると思います。もー、大人っていやぁね。
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まず一話目のアカペラから、最初からぐんぐんと引き込まれて、面白い!と思ったんだけど。でも。
途中の展開がやっぱり生理的に駄目。
この部分、絶対なくてもいいと思うんだけどなあ。
ソリチュードは好きな感じ。
ネロリは、これまたオチがなあ。
ココアちゃんのオチはいらないと思うんだけど…
というわけで、面白いと思いつつ何だか残念な気持ちになる一冊でした。
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山本文緒さんの本を読むとき、今回はどこに爆弾が潜んでいるだろう、と構えて読む癖がついているかも。
それはそれで楽しくて、この短編集は「ここで来たか!」と思うこともあれば、爆弾と見せかけたフェイクだったり、読んでいてわくわくした。
歯に衣着せぬ言い回しも相変わらずで、複雑な関係を描いていても、文章はどこかさっぱりしているように感じる。
こういうラストだとは想像できなかった「ネロリ」がいちばん好き。
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「先公仮面を脱いで来い」・・・ワクワクしてきた。いよいよここからだ。
http://booklook.jp
エンディング。あー、そうか、なるほどね!!「アカペラ」か、おもしろかった。
http://booklook.jp
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表題作のアカペラが一番苦手だった。
祖父と孫が恋人みたいになれるもんだろうか。偏見持ちすぎなのかもしれないが、生理的に受け付けない。
切ないんだけど、入り込みきれず。
それ以外の作品は、切なくて、大好きだったのだけれども・・・
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何となく手に取った、という感じの一冊。
山本文緒さんはプラナリアが推されまくってた時に、
なんだか逆に気が引けて読んでこなかったのですが、
そういうことを忘れて手に取りました。
多分、音楽関係のタイトルだったからでしょうね。
(同じような感じで桐野夏生さんも手に取ってないです)
で、感想ですが、中編3つという構成でして、
それぞれ結構読み応えがありました。
いずれも近親じみた関係の恋愛が核になってます。
しかしその背徳感よりもあったかさの方が勝っていて、
だから読後感は清涼な感じでしたね。
一作目のアカペラのラストは結構好きです。
三作目は何というか結局これもだったか!という感じで、
少し食傷気味でしたが、まぁテーマを持って作ると
こういう風になるんでしょうね。
自分自身、小さい頃従姉の由美子さんという人に、
憧れてた時期もあったので、何というかわからんでもない、
というところがあります。
あ、小学校の頃ですけどね。
当然分別ついてからはありえない、と理解しました。
(法律上はOKですけど)
まぁ近親の恋愛ネタにアレルギーがある方には薦められないですが、
なかなかの良作でした。
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3作の中編で構成されていますが、どれもある意味近親恋愛がテーマとなっており、理解できなくは無いが共感はできない微妙な内容。
文体の読みやすさや語り口の軽妙さと、内容の重さがアンマッチであり、読後のもやもやとしたいやな感じを増長しているように感じました。
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帯買いってやつね。
「明日に期待しすぎないように生きてる大人たちに読んでほしい」って小泉今日子氏がさ。いや、それで言うと私は期待してるけどね?
「アカペラ」はあったかい気持ちにはなるんだけど、ちと途中の下りが私には受け入れ不可でした、あったかさがギリ勝ったかな。でもムリだろ、あれは。孫と祖父の物語なんだけどね。
「ソリチュード」もね、うーん、すいすい読み進められるけど、ストーリー的にはいまいちかなぁ。ただまり江はイイ女だよね、そんな女になりたいよ、とか思うから私は男気あふれてるのかも。
「ネロリ」はなんだろな、ラストにびっくりするけど、弟への愛も素晴らしいとは思うけど、色々納得はいかないよね。
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文緒さ~ん、ご病気されていたなんてさっぱり存じませんでした。
復活、うれしいです。
そして、初めての中編集らしかったこの一冊、かわいい人たちが登場していました。