紙の本
ちょっと違和感が。
2011/05/24 09:58
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
以前同じ作者の「さよならドビュシー」という作品を読んで、クラシック音楽が好きという事もあって私的にとてもツボだっただけに、本作品も期待大で読ませて頂いたのだけれども…ちょっと違和感を感じてしまったか。
連続殺人鬼、しかも不特定の対象を狙った殺人者を題材とし、その地区に住む市民のパニックなどを描いている本作品。犯人像に関するミスディレクションや重なるドンデン返しも配置され、テクニック的には十分な盛り込みがされていたと思うのだけれど。
何だか暴力シーンが妙に長く細かく描写されたりするのはどうかと感じた。物語後半3分の1はそんなシーンだった印象。それも危機一髪のハラハラドキドキのバイレンス!というよりも、何か繭をひそめたくなるような異様な感覚を覚える。サイコサスペンスにそういう描写は付き物とは思うけれど、どうも暴れている側が逐一狂気じみていて、その暴れ方が気持ち悪い。例えば現代日本において、地域住民が蜂起して警察署を襲い暴れまくる、というような描写はやはり何だか現実味を感じないし、目の色を変えて婦人警官にまで襲い掛かる、なんていうのはちょっとどうかなと感じてしまう。
フーダニットやハウダニットを存分に味わう、という感じでもなく、命に対する情念をとことん募らせた物語という感じでもなく、どこに重点を置いていいのかちょっと掴めないまま終ってしまった。
紙の本
衝撃的なタイトルほどの派手さはないけれど、そこそこ読ませる因果応報のお話。
2011/07/11 11:26
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハジメマシテの作家さん。『さよならドビュッシー』と一緒に購入したのだけれど、この衝撃的なタイトルが気になって先に手に取った。
が、内容はタイトルから期待したものとは違った。もっととことん衝撃的なストーリーを期待していたのだけれど…その点はちょっと残念だった。
端的に要約すると、因果応報のお話(読んだひとなら納得の四字熟語だと思う)だ。そこに刑法39条が絡む。
文章は、正直好みではない。そして39条を題材にした物語も、好きではない。だけど、次々起こる事件引き込まれ、次々とページをめくってしまった。
先にも書いたが、本書は因果応報のお話だ。それも、どこまでも追究された因果応報。そして自業自得、のお話とも言えるだろう。この主題の持っていき方が、すごく好みだった。
全体的に見て、すごくお上手というわけではない。ところどころ小さな我慢をしながら読んだ箇所もあった。だけど、ラストの数行はサイコーに興奮した。そしてこのラストのどきどき感を味わうためには、きちんと初めから読まなければならない(よかった、ちゃんと読んで)。
荒削りな部分も多いけれど、今後に期待するとして、他の作品も読みたくなった作家さんである(期待値はだいぶ下げたけれど)。
紙の本
盛りだくさんのミステリ
2022/08/24 06:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:lucky077 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読者をミスリードしてのドンデン返しあり。設定が凄くて、そんなのアリか?と思った。弁護士の御子柴シリーズと関連する部分もありお腹いっぱい、盛りだくさんです。刑事 古手川の成長も描いています。
電子書籍
一気読みしました。
2020/08/02 15:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テルテル坊主 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリーはこの作者の本がきっかけで読むようになりました。
中山七里さんの作品はこれで3冊目です。
グロ過ぎるシーンは早読みしました。ちょっと苦手でした。
続巻が気にはなりますが、多分事件のエグいシーンを読むのが無理と思うので、次はまた、別の作品を読むと思います。
投稿元:
レビューを見る
埼玉県で連続猟奇殺人事件が起こって・・・
表紙のカエルちゃんからは考えつかない位、エグイ描写がいっぱいでビックリ。
刑法39条が絡めてあったり、どんでん返しがあったり、盛りだくさんで、おもしろいんだけれど、で、作者は39条に関して、どう考えてるのっていうのが伝わってこないのが惜しい。
投稿元:
レビューを見る
史上初! 最終候補にダブルエントリーされ、「こっちを読みたい!」という声が続出した話題作。『さよならドビュッシー』『おやすみラフマニノフ』に続く中山七里の最新刊。『このミス』ファン待望の作品が、満を持して登場!
マンションの13階からフックでぶら下げられた女性の全裸死体。傍らには子供が書いたような稚拙な犯行声明文。これが近隣住民を恐怖と混乱の渦に陥れる殺人鬼「カエル男」による最初の凶行だった。警察の捜査が進展しないなか、第二、第三と殺人事件が発生し、街中はパニックに……。無秩序に猟奇的な殺人を続けるカエル男の正体とは? どんでん返しにつぐどんでん返し。最後の一行まで目が離せない
『さよなら~』が割と好みの作風だったこともあり、
未読ながらも次作となる『おやすみ~』も購入。
ふと訪れた書店で帯にひかれて
本作も購入することとなったのだが・・・
序盤から中盤にかけての猟奇的な惨殺死体の描写も
さることながら、
私が最も嫌悪を覚えたのは、「ナツオ」が虐待される場面だった。
---デビュー作とはまるで違った作風にとまどいつつ、
なんとなく読み進み難い感もあったが、
「途中で投げ出さなくてよかった」と実感するほど、
ラストヘかけてのどんでん返しの応酬に感服。
事件の背景は重く、事件そのものにも嫌悪するが、
しかけられた構成はとても気に入った。
---最後の一行までも目が離せないという点でもなかなかの出来!
今後も追いかけていきたい作家さんの1人になった。
投稿元:
レビューを見る
殺害方法は凄惨で詳細に表現されているので一見敬遠してしまいがちであるが、伏線回収もしっかりとされており、結末も二転三転する、この作者らしい展開。
事件に混乱した市民が暴徒と化したり、犯人との対決など暴力的な場面が連続して続くので後半は展開が気になりながらも若干食傷気味になった。
しかし全体的に間満足度の高い作品であった。口は悪いが心根が優しい渡瀬と若く直情的な古手川の良いコンビの活躍が今後の作品でも楽しみになる終わりであった。
投稿元:
レビューを見る
市民対警察の乱闘や犯人?との格闘シーンはかなりハラハラ。古手川のしぶとさすごすぎ。ちょっと猟奇的な殺人事件と、最後の最後のどんでん返しに至る謎解きなど、結構個人的には好きなストーリー展開でした。
投稿元:
レビューを見る
残酷な描写が多いけど、なぜかほんわかしてる。
真相がわかるにつれ、それが恐怖に代わっていく。
最後の一文で息をのむ。
投稿元:
レビューを見る
タイトルや表紙に惹かれて購入。
連続猟奇殺人のグロさや市民の暴走シーンなどの描写は見事ながら、帯で喧伝されているドンデン返しはありがちなものだし、テーマに対する追求も不十分に感じたかな。好みのタイプのオチではあるんだけど…。
投稿元:
レビューを見る
「さよならドビュッシー」を文庫化されたのを機に読んで、その次にこちらも購入しました。猟奇殺人、それも連続殺人。読んでると肩に力が入るというか、疲れます。読んでる途中、ベートーベンの「悲愴」が聴きたくなりました。
投稿元:
レビューを見る
エグいエグい(笑)
「さよならドビュッシー」や「おやすみラフマニノフ」とは、
まるで違った作風ですね。
このエグさは、これはこれで面白かったです。
ただ所々、非常に描写がくどい(特にとっくみ合いのシーン…、バトル要素すきなのかな?)のが、気になりました…。
どんでん返しが、ウリのひとつですが、その伏線もあからさまですぐにラストが読めてしまった。
疑って読みすぎかな…。
「さよならドビュッシー」と並んで、名を知らしめた中山七里さん。
その後、「さよならドビュッシー」の方をメインに据えていったのも、わかる気がします。
けど、こういうのも、すきですよ
投稿元:
レビューを見る
このタイトルだけで読みたくなってしまいました。猟奇な見立て?シリアルキラーもの。かなり陰惨でえげつない部分もありましたが。ミステリとしても唸らされました。真相の裏までは読めたけど。まだそれで終わりじゃなかったのね。そしてこういうブラックな結末、大好き。
刑法第三十九条の問題って、難しいよねえ。明らかにそれはおかしいだろうってケースもあるけど。実際に責任能力がなかった場合、きちんと監理するのは当人のためでもあるんじゃないかと思いました。だって実は事件そのものよりも、市民が暴徒に変貌する様の方が数段怖いと思うんだよなあ……。
投稿元:
レビューを見る
クライマックスに向けて襲い掛かる二重、三重の衝撃。
思わず飛ばし気味に読んでしまうほど細緻な暴力描写。
陰惨な虐待と心の闇にはそれ以上に目を背けたくなる。
娯楽に刺激は欠かせないスパイスだが、こいつは激辛。
優美な音楽の表現だけが心を和ませる緩和剤と思えば、
それすらも裏切り恐怖を煽る演出に変えてしまうのだ。
この物語が現実でないことだけが唯一の救いだろう…。
投稿元:
レビューを見る
最初はテンポの悪さが気にかかって仕方がなかったのだが、中盤以降はページをくる手を止めさせないスピード感。サイコサスペンスで騙す我孫子風かと用心して読んでいたら、どんでん返しの連続。クリスティは出る、殊能将之は出る、怪奇大作戦は出ると息をつかせぬ展開で終焉を迎える。痛いシーンが多いので読み飛ばしてしまう場面も多かったが、それでも十分楽しめるボリュームと読後感。結末の印象はかなり悪いのだが、因果応報を予感させるラストシーンで少しだけ溜飲は下げられる。もっとも毒を持って・・・系の応報なので、その部分はやはり後味は悪い。サイコサスペンスなのだから仕方ないか。序盤のテンポさえよければ文句なしの満点だった。