紙の本
著者のクセが凄いシリーズ
2017/11/19 22:37
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投稿者:鯉狂い - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヘスス・スアレス記者の『挑戦状シリーズ』第6弾。今般興味深かったのは『ウイングの再定義』『ビエルサ、そしてその系譜』だろうか。
ポゼッションを信奉し、イマジネーションを持つプレイヤーを崇め奉る(彼らを引き立てる名脇役をリスペクトする)一方で、リトリートとフィジカルに依存したプレイヤーとその指導者をこき下ろすという大前提を崩すことなく200ページ現代フットボールの主役達を語り尽くす。
・・・
ちなみに私はシメオネのアトレティに『漢』を感じるタイプですが、何かw?
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ヘスス・スアレス&小宮良之の両氏によるスペクタクル論者の論説シリーズ第六弾である。今回はサッカーにおける選手の存在に特にスポットを当てて現代サッカー(それも特にスペインサッカー)を読み解いている。
ここでの評論は相変わらず現代性に富んでいて、今現在佳境に至っている16-17シーズンに主軸が置かれている。毎回そうであるが、発売時点で現在性が感じられるのはこのシリーズの魅力だろう。雑誌連載のとりまとめでは、時にあまりにタイミングを逸した記事が混ざってしまう危険があるものだ。
ただ、今回はやや薄目の内容に感じたのも事実である。端的に言えば、ジダンマドリーを鋭く弾劾する一方で、エンリケバルサについて口をつぐんでいる感があったのは、バルサファンの自分にもちょっと意外だった。正直、今のバルサはスアレス氏の批判の対象となる存在だとは思うのだ。
とはいえ、ウイングの意義を見直したり、あるいはバルサやマドリーで未来が嘱目される選手(アセンシオや、あるいはアレニャなんてバルサファン以外知らないようなドマイナーな若手)を取り上げるなど、彼らしさは健在である。
そうした点、現在性の魅力なども加味して、星四つ程度と評価している。選手の早熟についての言及など、今回はいつもと違った視点で興味深い記事が色々あった印象である。
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後から読むと、ヘスススアレスの慧眼は流石だと思わずにはいられない。モウリーニョユナイテッド、ペップシティ・・・。
クライフ哲学に心酔しながらも、戦術も最終的には選手ありきだという考え方の純粋さ、明確さが痛快である。