紙の本
この機会に人類永遠の疑問「時間」について科学的に考えてみませんか!
2020/01/26 12:00
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、誰でも理解しやすく高度な理数系知識を丁寧に示してくれると評判の講談社ブルーバックス・シリーズの一冊で、同巻は「時間」について考察した一冊です。同書は、ベストセラーにもなった人気の書で、「時間とは何か?」、「時間が経つとはどういうことか?」といった疑問を解くために、相対性理論、宇宙論、熱力学、量子論、さらには神経科学なども駆使しながら、科学の視座から時間の正体に迫っていく著者渾身に一冊です。とっても興味深く、読み応えがあります。
電子書籍
なぜ時間が流れるのか
2021/01/17 11:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
なぜ時間は一方方向に流れるのか(流れるように錯覚してしまうのか)という話が面白かった。ビックバンの時の宇宙が極めて特殊な(エントロピーが低い)状態だったためという話に興味を惹かれた
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少し前にカルロ・ロヴェッリの「時間は存在しない」を読んだのですが、日本語版のタイトルにまんまと騙されました!
なんと原書のタイトルは"L'ordine del tempo”だし英語版は”The Order of time”だった。
上記の本においても、ちゃんと時間は存在していることを事実として話を進めています。
「時間」について考えるお助け資料としては、まさにBLUE BACKS 的解説の本書のほうがとっつき易いです。
ポイントを簡単にまとめてみました。
第一部 現在のない世界
第1章「時間はどこにあるのか」
ニュートンが思っていたように宇宙全域に単一の時間が流れるのではない。あらゆる場所に個別の時間がある。
観測で確認された事実(相対性理論:重力の作用による時間の伸び縮み)のおさらい。
第2章「過去・現在・未来の区分は確実か」
場所によって時間も異なる。
「ここ」以外にさまざまな場所が存在するように、「いま」以外にもさまざまな時間が存在する。
「現在」という物理的に特別な瞬間などもともと存在しない。
第3章 ウラシマ効果とは何か
飛行機に原子時計を積んで長距離飛行すると、地上に残した時計よりフライトをした時計の方が理論的な予測どおりに遅れる。
第二部 時間の謎を解明する
第4章 時間はなぜ向きを持つか
ビックバンから遠ざかる向きに進行するエントロピー増大の法則。これが「過去から未来へ」という時間の方向性。
生命の秩序正しさは究極のエントロピー縮小のように思えるが、太陽からの光の流れに駆動されて進行しているエントロピー増大の法則の中で生じる一現象にすぎない。
第5章 未来は決定されているのか
不確定性原理により決まらない。
初期条件が確定しないので「始まりの瞬間にすべて決まっていた」ということはあり得ない。
これは複雑すぎて天気や地震を正しく予測できないことと本質的に異なり、物理学の本質的な結論。
第6章 タイムパラドクスは起きるか
過去に戻って自分を生む前の親を殺すと自分はどうなるか?という因果関係のパラドクス。
タイムワープの可能性としてはいろんな仮定を元に「負の質量が存在すれば過去に戻るルートが考えられる」というがそんな物質は見つかっていない。
タイムパラドクスは起きようがない。
第7章 時間はなぜ流れるように感じられるのか
物理的には現在という特別な瞬間は存在しないのに、心理的には現在しか存在しないように思える。
熱いものに触って、手を引っ込めた。引っ込めるのは脊髄反射で、引っ込めた時点では脳に熱いという信号は届いていない。
脳は「熱いと知覚したから手を引っ込めた」という時間に沿ったストーリーに作り替えて記憶する。
脳の記憶のありかたによる。
最後の章は物理学的な回答ではありません(私の個人的な意見です)。
物理では自然界で起こる出来事の背後にある基本法則や原理といった根本的な部分を "理由は考えずに" 究明する学問です。
なぜ宇宙が存在するのか?のような質問の答えを考えるのは哲学です。
ましてや時間の感じ方といった意識の話になると、物理学者に感じ方の答えを導く方程式は作り出せませんから。
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時間はどこから来て、なぜ流れるのか。
時間の神秘にとても興味をそそられます!
ぜひ読んでみたいです(*^^*)
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当方の無能力はひとまず差し置くとして、少々惜しい内容かと。
インフレーション理論からの時間の考え方など、おっ、なるほどーと思わせるものが多々あるのにそれを上手く「読ませる」内容に消化・昇華できていない感あり。まざ、専門家からすれば、この程度は当然なんでしょうが、書きよう・読ませようは一杯あるよなぁ、と思わざるを得ず。返す返す惜しい。
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素粒子論を専門とする理論物理学者による、「時間」に関する一般向けの論考。前半は主に(特殊)相対論の解説となります。ブルーバックスなので数式はなるべく使わずに、相対論を分かり易く説明してあります。その辺は読みやすくてともて良かった。でも相対論はあくまでも導入で、本書で著者の言いたいことは、どうも「時間は一方向に流れたりしない」と言うことのようです。時間を計る目盛は何らかの物理的な振動現象に過ぎない。空間軸上を自由に行き来できるのと同様に、時間軸上も本来自由に行き来できるということのようです。相対論的には時間の流れ方が観測者によって異なるのも理解できるし、ミンコフスキー空間のような理論的な扱い上で時間軸を空間座標軸と同等に扱うのは良いとしても、「時間が流れない」とはどういうことなのか。著者としては、「ビッグバン以降、宇宙のエントロピーが増大する方向に物事が進んでいる」だけであって、「時間なんて流れていない」ということのようです、多分。でも、その辺の著者の主張が良く分からなかった。エントロピーが増大する方向に物事が変化することを「時間が流れる」と言っても良いと思うので、トートロジー的な印象を受けたのだが、私が理解できてないだけなのかもしれない。
終盤ではさらに、著者の専門外の心理学、脳科学的な最新の研究結果からインスピレーションを受けた考察が論じられています。
「時間が(過去から未来へ一方向に)流れる」と感じるのも人間の錯覚にすぎない。人間の意識(脳)は必ずしも(時間軸に沿って)順番に起こった通りに現象を認識するのではなく、適当に順番を入れ替えたりという処理をしてから意識として感じている。その順番自体が、人間が時間の流れと思っているだけである、と。
人間の”意識”とか”心”は大脳皮質の脳神経がなす高次の抽象的な存在(システム?)なので、物質的、量子論的に論じることは不適切のように思われるが、著者はそうではないと論じている。たとえば水素分子は水素原子の集まりではなく、水素分子として量子論的な共鳴状態が存在するのであり、水素分子自身が独立して存在すると見なせる。ベンゼン分子は炭素原子6個の集まりでは無いのと同様。それを拡張していけば、人間の意識も一つの共鳴状態として独立した存在と見なすこともできるだろう、とのこと。南無~~。
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タイトル通り「時間」について物理学の視点から紐解いていきます。
世界中の時計は実は場所によって進み方が違うなんて話はとても興味深くワクワクしますね。
過去・現在・未来と時間は流れていくのか、それとも時間に流れなど無いのか。
面白かったです。
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相対論の基礎の復習になった。ただ、ビッグバンがあるので一方向に流れているように見える、の件がよく理解できなかった。読み直さないといけないと思う。
終章は人間の認識の仕方に言及しており、残念ながらこれも理解はできてはいないが、そこから攻めるか、という印象を持って、面白かった。
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いったん積読
「#時間はどこから来てなぜ流れるのか?」(ブルーバックス、吉田伸夫著)
https://amzn.to/39CpZq4
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難しかった。現代物理学の基本である場の量子論はニュートンなどの古典的な原子論とは違うロジックで物理現象を記述しようとする。時間は空間と一体となって時空となり、場所によって時間の進み方は違う。時間とは何なのかを場の量子論を元に簡易に説明してくれるのだが、中々頭には残らない。頑張って想像しようとするが難しい。ただ、物理学者達のそうした日々の努力の結果、色々な基本的な物理原則が解明されてきているというか、様々な方法で問題に解を与えようと試みている事は良く分かった。分からないけどたまにはこうした本を読み、分かろうと努力してみるか。ビックバンの前?直後は整然とした空間でだからこそ時間に方向性が生まれるとか分からないけど面白い。
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「時間はどこから来て、なぜ流れるのか?」
吉田伸夫(著)
2020 1/20 第1刷 (株)講談社
2020 3/8 読了
難しい事を難しく書いてある本。
知れば知るほど
分からない事も増えて行く。
分からない事が無いと存在出来ないのが
研究者という職業なんだろうなぁ。
簡単に分かっちゃったら
仕事が無くなるもんね。
思ってた以上に認識って
個人差があるんだろうなぁ…
空間や時間は
もはや真実は自分のオモイの中にしか
存在しないのかも。
眠れない夜には最適な本ですが
良い夢は見られないかもねー。
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ウラシマ効果やタイムパラドックスの原理等について、数式は使わず読み物として説明していますが…まぁ難しいですねw
わたしの期待が SF 寄りだったせいもあるのか、ワクワク感なども少し中途半端な感じでした。
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読んでるときは理解できるけど、読み終わってからなんだかよくわからんってなった。その原因を考えたけど①ほんとは理解できてなかった、②直感に反することを抽象的な議論で進めてる、③そもそも難しく相対論や量子論を未習だとこうなる、の三つが寄与してるんだろうなあという感じだと思う。出直します。
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我々が時間が流れるように感じるのは「錯覚」.時間は空間同様に複数あるし,空間と不可分.どこかで聞いたような話であるが,より明確に説明されている.
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ウラシマ効果、世界線。タイムトラベルものでよく出てくる単語がここにも登場し、門外漢でもそれなりにわかるよう解説されている。
ミンコフスキー、エントロピー、量子論。時間というものを理解するために必要な前提知識、素養は莫大な量であることが伺いしれる。
本書は極力わかるように、と腐心したあとがみてとれるが、それでも難解だった。