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夏が終わって無理にでも動かなければならない頭には、こんな肩の力が抜けたエッセイがいい。結婚とおならの話には、とにかく参った。笑ったあとで、なんだか切ない気持ちになった。
2006/9/2
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タイトルがいいなと思いました。
たしかに王道ではなく「細道」らしい、生活の中のささやかな音をモチーフにしたエッセイです。
著者の名前はよく知っていましたが、著作はこれまでに1冊読んだことがあるかというくらい。つまりほとんど読んでいません。
『無印OL物語』を書いた人だという印象です。
クラシックから豆腐屋さんのラッパ、はてはおならまで、さまざまな音が登場します。
ドボルジャーク『新世界より』が、日本では「家路」として下校のメロディとなっていたり、ポール・モーリアの「オリーブの首飾り」が、手品の時のBGM音楽になっているという指摘にはくすりとしました。
確かに、「家路」を聴くと帰りたくなるし、「オリーブの首飾り」を聴くとワクワクドキドキしてきます。
あらためて文章で読むと、作曲家の意図とは違う条件反射を呼ぶ曲となっていることへのおかしさがこみあげてきます。
人間が死ぬ話よりも動物が死ぬ話の方に何十倍も衝撃を受けるという著者は、結構独特な人だということが、文面から伝わってきます。
ラッパを吹いてリヤカーで豆腐を売りに来る人に、普通はノスタルジーを感じるものですが、(変な人が住宅地でラッパを吹いている)と反応するという著者。
見るからに無害な豆腐屋さんでも、耳慣れないラッパの音の方が気になるのでしょうか。
エッセイは小説よりも気楽に読めるものですが、日常生活に即した話が書かれることから、物語以上に時代の流れが取り込まれます。
この本は、音をモチーフにした内容であるため、流行歌の話題も採り上げられており、著者との年代差を感じました。
ザ・ピーナッツのほかにもこまどり姉妹っていう歌手がいたんですね。
カラオケでは小室哲也の打ちこみ系音楽についていけないと切々と語られていました。
その割に、麻雀を覚えたらあっさりカラオケとの縁が切れたと書かれており、どうやら凝り症で移り気の人らしいと感じました。
正直、昔の歌謡曲の話題はよくわかりませんでしたが、「○○の指揮による○○交響楽団の○○ホールでの演奏が素晴らしかった」などというような専門的なウンチクは一切ありません。
普段の生活で関わってくる、身近で地味な音について語った文章になっているため、華やかさは全くないものの、音の受け止め方を通して著者の人となりが伝わってくるような、著者を語る一冊となっていました。
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【本の内容】
四十半ばで小唄の稽古を始めたものの、男女の仲の唄に感情移入できずに四苦八苦。
酷暑のサムイ島で吉田拓郎の魅力を再発見。
ミャウリンガルで翻訳できない十九歳の老猫の遠吠え。飼い猫を抱っこすると、つい歌ってしまう「ネコバカ」の歌。
…ロック少女だった頃から今にいたるまで、「音」にまつわるあれこれの、するどく笑える名エッセイ。
[ 目次 ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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内容(「BOOK」データベースより)
四十半ばで小唄の稽古を始めたものの、男女の仲の唄に感情移入できずに四苦八苦。酷暑のサムイ島で吉田拓郎の魅力を再発見。ミャウリンガルで翻訳できない十九歳の老猫の遠吠え。飼い猫を抱っこすると、つい歌ってしまう「ネコバカ」の歌。…ロック少女だった頃から今にいたるまで、「音」にまつわるあれこれの、するどく笑える名エッセイ。