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ポーランド・ワルシャワでのショパン・コンクールが舞台。中山さんの本は軽く一気に読めるのがいいですね。「さよならドビュッシー」からはじまる音楽ミステリー「岬洋介シリーズ」の3作目ですが、前作を読んでいなくても問題なく楽しめました。
小説のカテゴリーとしては「ミステリー」ですが、実際のところ謎解き要素にはあまり比重が置かれていません。むしろ、この作品で特筆すべきなのは、コンテスタントたちが演奏する曲を文章で表現しているのの素晴らしさ。イヤホンでショパンのアルバムを聴きながら読んだのですが、個性的な登場人物たちが演奏する曲がページの向こう側から聴こえてくるような思いがしました。
文章で物事を表現するというのはなかなか難しい作業です。食べた料理の美味しさを伝える難しさは、日々感じているところです。ましてや、目に見えない音楽の魅力をこれだけびしびしと伝えられるなんて、本当に物凄いこと。読後には、まるで感動的なクラシックコンサートが終わった直後のような満足感に満たされました。
シリーズの前作「おやすみラフマニノフ」は、あいにくまだ読んでいません。近々、ラフマニノフの曲を聴きながら読んでみようと思います。
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中山七里って、本当に何者?
とっても繊細に音楽を描きつつ、
人の心もじんわりと伝えつつ、
それでいてちゃんとしたというか、レベルの高いミステリ作品。
こんな風に描ける人を、未だかつて知りません。
音楽を、それもクラシックを、言葉に表すって、想像がつかなかったけれど、字を追っていくだけで知らない曲の世界観がイメージできるような気さえしました。
細かく鮮明に詳細に、でも退屈することは全くなく、ただただ先を読みたい、演奏を「読み」続けたいと思ってしまう。
岬洋介のシリーズ第三弾
やっぱりさよならドビュッシーが一番好きだけど、読んで損は絶対ないです。
また映画化もされたら、見に行ってしまいます。
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岬洋介、渾身の演奏。
それは人の魂を揺さぶる。
タリバンの戦意を喪失させ、ポーランドのショパンに縛られたヤンの心を解き放った。
登場シーンは少ないのに、登場すると何かを残していく。
一本筋の通った芯の強い人ってこの人のことなんだろうなぁ。
子どものころ、彼のようなピアノの先生に出会っていたらなぁ、、、
次は是非私の大好きなベートーヴェンで岬洋介に会いたい。
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安定のいきおいがある!前2作(番外編は除く)音楽表現の部分が多かった。やはり音楽の話は映像で見たくなる。
今回はポーランドの若手ピアニストであるヤンが主人公で書かれていたけど、彼の成長が見られて満足感がある。ただ、どんどん岬先生は神がかった存在になっていくのが気がかり。先生はどうやって今の岬洋介になったのだろうか。3作目も出たことだし、シリーズは続くと期待しています!
ところでいつまでたっても、誰が黒幕なのかわからない私は、ヤンと違って成長していないということかしら(´Д` )
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ショパン各曲を様々なピアニストの演奏で頭の中に再生させる豊かな表現に,頁を捲る手が止まらない.御蔭でミステリィとしての要素には重きが置かれていないけれど.
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音楽×ミステリの岬洋介シリーズ。
ショパンコンクールに参加するためにポーランドへ向かった岬。
ちょうどその頃、ポーランドではテロ事件が多発しており、
厳重警戒中だったのだが、コンクール会場の控室で刑事が殺され、
10本全ての手の指先が切られるという事件が発生する。
中止されること無く続行されたコンクールに挑む岬を始めとした
参加者たちの様子を母国ポーランドの期待の新星ヤンの目線で
物語は語られていく。
今回はミステリはほんのちょっとですね。
テロや戦争を背景とした事件の割には・・・と物足りない感じ。
明らかに今回は音楽小説として読まれるべきだな。
そちらの描写の方が圧倒的に多いですし、このコンクールを通して
成長するヤンの物語といった方がいいのかもしれない。
このシリーズ、やっぱり音楽の知識という下地を作ってから
読んだほうが良さそうだなぁ。
無知な者にもそれなりに素晴らしさは伝わってくるんだけどね。
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ショパンを楽しむ本。コンテスタント達のピアニシズムは、誰をイメージしながら描かれたのか想像しながら読むと一層楽しめそう。さらにCD聴きながら読むとイメージが膨らみます。岬の演奏は誰が一番当てはまるのだろう。こんな演奏聴いてみたいなあ。
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前2作が良かったので、期待していたのですが。。
ほとんどが音楽演奏に費やされていて、ミステリー部分はオマケのように薄っぺらく感じました。
登場人物の心情風景ももう少し丁寧に書いて欲しかったですし、クライマックスに思い出したように犯人&事件の種明かしをした時は、ちょっと…いや、かなりショッキングでした。そしてわざとらしい程に夢物語なラスト。
どうしたんでしょう?疲れちゃったのかな。
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久しぶりに、ウルッときました。
舞台は、ポーランド。ショパン・コンクールに参加する岬洋介だが、テロが起きてというストーリー。
このひとの作品は、初めてで、クラシック音楽に興味や知識があると、もっと楽しめたかなという感じです。ポーランド人の岬と同じコンテスタントのヤン・ステファンは、最初、名門の音楽一家の重圧に苦しんでいたけど、だんだんと成長して重圧から解放されて行く様が良いです。岬が、ある出来事で、自分の無力感を悟るけど、演奏でマリーとの約束を叶える姿に、ウルッとしました。
岬の言う、「その人がいきる手段というのは、その人の武器になるんです」という言葉、少なくとも、自分だけは今の仕事や生き方に誇りを持っていたいと思える一言でした。
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物語は、正直、荒唐無稽に思うが、ウッカリ騙されてしまった。
が、音楽を文字での表現には、本当に舌を巻く。目で追っているはずなのに、耳から聞こえてくるように感じていた。
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シリーズの前の作品ほどミステリの要素にインパクトはなかったが、変わらず音楽の描写は冴えている。クラシックをあまり聴かない私には、曲名を読んでもピンとこないことが多いが、文字が伝える音色(おんしょく)や抑揚、音の優しさや力強さ、演奏者の緊迫感や聴衆の高揚だけで、その曲のイメージを頭の中に描くことができる。音楽を「読む」ような体験。文字という、一見音楽とは相容れない道具で音楽を表現できる力に、毎回感動している。
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岬先生のシリーズ第3弾です。
今回の舞台は、ポーランド。
ショパン・コンクールの行われている数日間、テロが勃発します。
華やかなコンクールの舞台とテロ事件、さらにはアフガニスタンの
紛争まで織り込んで、どうなるかと思いましたが、
みごとに収束されています。
ざわつく気持ちが、すーーっと緩んでいきました。
岬先生は、何処へ行っても淡々としてスマートです。
でも、ピアノの前では全力投球!
真摯に向き合う姿に惚れぼれします。
岬先生のノクターンが聴こえてくるようでした……。
スピンオフで、前二作の教え子たちがでてきます。
大人になった姿がちょっと嬉しかったです。
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「このミス大賞」作品ということで期待しながら読んでいたら、面白くて一気に読了☆ ショパンコンクールを舞台に起こるテロや犯人に迫る筋はパッとしなかったものの、音楽を極めようとするコンテスタントの心理描写がうまいな〜と思いました。ショパンの曲が聴きたくなる本(o^^o)
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このシリーズは好きだな〜。
文章や表現の仕方などカッコイイ。
マンネリと言われても、ミステリー要素が弱いと言われても好評価。
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岬洋介シリーズ3作目。ショパンコンクールが舞台で、タイトル通り、ショパンの曲やうんちくがこれでもかと出てくる。曲の描写も相変わらず丁寧で、聞いているかのよう。
ミスメリ要素は薄いし、ご都合主義はありつつも、読んでいて楽しいし、登場人物に感情移入して泣ける場面も。
決勝戦は圧巻だったし、岬洋介を立てる話のまとめ方も「こうきたか!」と納得した。力業だけど(笑)
前作の主人公たちもチラッと出てきたし、今後も続編に期待。