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文庫化。
これで既刊分は全部文庫になったのかな? 新装版刊行から始めて、短期間にシリーズ全作を読破すると、作風の変遷が解って面白い。
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被害者になった先生方。真っ暗闇からの脱出はできたのか?
仕掛けた犯人の狙いはどこにあるのか?
池魚の殃
池に住む魚に降りかかった災難とは……
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いきなり事件に巻き込まれていつもと違う展開。警察はもっと頑張って犯人見つけてほしかった。今回は食欲なくすような生々しいご遺体や解剖は少な目。
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なんの因果か、伊月と指導教官の伏野が拉致監禁され、そこで発見した右腕のミイラ!命は助かったものの「なぜ」の疑問が残る中、謎解明に向け走り出す。背景には自分の過去を振り返り、何が正しかったのか自問自答する。誰にでもある過去の出来事にどこまで責任が問われるのか?どうすれば良かったのか誰もわからないが、生きているものは過去を捨てるのではなく、その事実をもって進んでいくしかない。少し重い作品。
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切ない、ひたすらに切ない。
その時良かれと思ってやったことが実は巡り巡って相手にとって不幸を呼び込んでいたことをもう取り返しがつかない状態で聞かされるってどうしたらいいんだ。
「夢ならばどれほどよかったでしょう」だもうそんなの。
という訳で鬼籍通覧シリーズ七作目。
何だか今までと話の構造が違ってておや?と思いながら読み進めていたら……今回はこういう終わり方のパターンで来ましたかという……いや、やっぱり重い。
ただ重いって感じが今までとちょっと違う感じで……何だろう、今までよりも「命」について考える描写が多かったからなんだろうか。
メインストーリーに絡む事件には遺体は出てこないのにこんなに命について考えてしまうのはやっぱり今回の事件に纏わる理由が理由だからなんでしょうか。
龍村先生の考え方私は好きです。でも実際にそういう場面に立たされたらミチルさんみたいな手法を取ってしまうかもしれません、なりふり構ってられないものだって。
余談なんですがこの前自分自身が書いたこのシリーズの本の感想を読み返していたら漏れなくほぼ全部に「後味が悪い」って書いてて少し笑ってしまったのだけど、このシリーズは後味悪くないです、本当に最後lemonが似合う感じの話なんです。
個人的に今までの鬼籍通覧シリーズで一番好きな話でした。
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冒頭からいきなり引き込まれた
人の思いを感じるとき、それが事件になる
人の思いは切なく、託される側は、思いに潰される
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〔!〕死ぬことが出来るのは、生涯でただ一度だけだろう?(p.329)
〔内容〕池魚の殃とは巻き添えとか思いがけない災難とかそんな意味らしい/いきなり完全な闇の中で見ざめ事態ががわからず恐怖する伊月とミチルという切羽詰まったシチュエーションから始まり話に引きずり込まれる。
〔感想〕死者の思いの一端に触れ自分たちなりに消化していくといういつもの? パターンとはどこか違うんやけど、かかわりがあったものの自分たちが忘れてしまったあるいは気づいていなかった人間の生死をどう捉えることができるかという曖昧な捉えどころのないでもそれなりの重みがある状況…
〔好み度〕ここちよさ:A/キャラ:A/設定:A/文章・絵:B/思いがけなさ:A/総合:A
■死体たちに関する簡単な単語集
【相川】枚方署交通課の係長。サラリーマンっぽい感じ。
【阿部純子】31歳の女性。茨木で両親兄弟姉妹もなく孤独に暮らしている。死体となった?
【アメージング・ワールド】通称AM。オンラインRPG。筧が仕事の後気分転換に夜のお散歩を楽しんでいたが、あるとき伊月もハマることとなった。
【池田知宏/いけだ・ともひろ】感電死した青年。自殺のようだ。
【池村】高槻市にあるさる墓地の管理人。爺さんでちょっと耳が遠い。いつも一人なのでちょっと寂しんぼで人なつっこい。
【伊月崇/いづき・たかし】O医科大学法医学教室の新人。大学院生。とりあえず主人公? 少なくとも、彼の視点から物語が描かれることが多い。ビジュアル系。朝が弱いのとあまりやってる人がいないからという理由でこちらの世界に。ひと癖もふた癖もある連中が揃う都筑教室に配属され、たくさんの死体たちとともに楽しい日々を送る。小学生の頃母親のブラウスを着て登校していた「美人」だったらしい。筧のうちに居候することになる。
【海野ケイコ】死体。24歳。交通事故で、2台目の大型トラックにより頭部はペシャンコに。
【AM】→アメージング・ワールド
【江口智明】里中涼子の恋人だった青年。死体の第一発見者。
【筧兼継/かけい・かねつぐ】高槻署の若い刑事。高卒から刑事になった生真面目な叩き上げ。伊月の小学生時代の友人で解剖の現場で偶然再会。男前なのにセサミ・ストリートのマペットを思わせるユーモラスで人なつっこい顔立ち。伊月は筧のうちに転がり込むことになる。料理は筧の担当らしい。
【笠原】大阪府警の調査官。
【香奈】赤ん坊の遺体として龍村や伊月にやりきれない思いをさせた。俊介の妹。
【岸田孝夫】K大学理学部講師。50歳過ぎの洒落者でイヤなヤツ。良心はあるのか?
【暁天の星】法医学の世界でひとつの教室に二人も若くて才能があるという稀有な例を明け方の星の少ない空に例えた都筑の言葉。「仰天の星」とちゃうのん?
【清田松司/きよた・まつじ】O医科大学法医学教室の技師長。都筑教室の生き字引。先々代の教授の頃から勤めている。ちっこくて高速移動する、とは筧の弁。伊月はいつも援けてもらっている。
【行政解剖】死の瞬間に誰も立ちあわず、死因がわからない死体のうち犯罪が関与している可能性が薄い死体に処される解剖。龍村はこれを行う。
【佐藤和子】伊月と筧の小学五年時の担任。いつも伊月を怒っていた。最近ビジュアル系に目覚めたが、ミスチルの桜井クンのことをビジュアル系と言っている。
【里中涼子】龍村のところで調べたご遺体。当初単純な自殺だと思われていたが…。「アヒルの足は、赤いか黄色いか?」という遺書かなにかわからない文章が添えられていた。
【早苗】「温泉仲間集合!」というサイトの管理人。
【ししゃも】ある事件を契機に筧が飼い始めた猫。餌をやるために、ほぼ毎晩伊月が通っている。
【司法解剖】犯罪の関与のある死体について行う解剖。一歩下がった死体検案というのもあるらしい。
【俊介】妹の香奈が死んでいるのを見つけた少年。
【スカー】AMの中での伊月のキャラの名前。
【住岡峯子/すみおか・みねこ】O医科大学法医学教室の秘書。通称「ネコちゃん」。ときどき語尾に「にゃあ」をつける人。26歳だがかわいらしい顔立ちで「ダイナマイツ」なボディを持っている。通称「法医のロリータ・ダイナマイツ」。すっかり伊月のおねいさん気分。ちなみにミチルさんも伊月の姉御ということなので一人っ子の伊月クンはこの教室で二人も姉ができてしまったということに。
【高倉拳/たかくら・けん】→バナナマン
【高槻署】都筑教室のご近所さん。死体の有力な供給源。筧が勤めている。
【高松】警部補。「係長」と呼ばれている。中高とラグビー部だったガッチリした体つき。
【龍村泰彦/たつむらてかやすひこ】兵庫県監察医。K大学医学部監察医務室にいる。ミチルの同期。3巻目にしてついに出ました龍村大先生。声も体も動作も態度も、無駄にデカく明るい男。さる人物は初対面のときぬりかべをイメージした。服装のセンスは誰もが引いてしまうすざまじさ。「奇談シリーズ」からのゲスト出張なのか、こちらでもレギュラーの座を奪うのか! 彼の本業での活躍ぶりがついに明らかになる? それにしても、人物紹介の似顔絵が怖いゾ、おっさん。
【田中さん】K大学医学部監察医務室の事務員。午前と午後に一度ずつ熱いコーヒーを淹れてくれる人。
【都筑教室】皆出身地が違うので言葉遣いも異なるが、公用語は大阪弁。ビンボーなのでディスポーザブル(要するに使い捨てですね)の術衣をずっと着ている。死体には感染しないからということだそうです。
【都筑壮一/つづき・そういち】O医科大学法医学教室の主。小柄で細くて薄っぺらい肉体を持つ教授。ひょうひょうとしているが、頼りにはなる。ときおり奇妙な川柳を吐き出しては皆を困惑させる。
【電車もの】要するに、轢死死体。ゲゲッ!!
【中西砂奈子】ミチルさんの子どもの頃の友だちだったが…。
【中村警部補】高槻署で筧の上司。刑事課にしてはお洒落でセンスがいい。
【長谷雪乃】死体。電車に轢かれほぼ真っ二つ(その他部品多数)。
【長谷依子】長谷雪乃の母。公認会計士。
【バナナマン】高倉拳。鑑識員。宝塚にハマっている。主食がバナナ、おかずもバナナ、おやつもバナナな人。
【藤谷綾郁/ふじたに・あやか】大阪府科捜研所属。ミチルの旧友らしい。長身でおかっぱ髪の大女。さらに長身の伊月と体積は同じくらいと思われる。全���的に体のパーツが大きくバランス的には美人と言えるのだがそれよりも先に恐ろしさを感じさせてしまう女性。なんだか陽一郎のファンらしく、すぐ抱きつくのは、熊に襲われている子どものように見える。
【伏野ミチル】真の主人公。O医科大学法医学教室のナンバー2。助手になって二年の30歳。見事な茶髪で学生といっても通用する外見。わりと美人らしいがあまり外面には気をかけてはいないらしい。とりあえず解剖が大好きなもよう。人工甘味料の味も好きなもよう。龍村いわく《恋愛に持ち込むには勿体ない人材》亡羊p.113
【ブルーズ】AMの中で伊月のキャラを助けてくれた女性の魔法使い。その正体は…。
【プロファイリング】筧《プロファイリングで把握できるほど、人間て単純やないと思うんですよ。》亡羊p.57。ミチル《捜査に関係するすべての人間が、プロファイリングを念頭に置いて仕事をすることが必要になるわ。》亡羊p.174
【ミチルの法則】やたらよく当たる法則。とりあえずわかっている法則は、(1)続くときは同じような解剖ばかり続く。(2)補足:「イヤだな~」と思うタイプの死体ばかり続く(溺死体など)。(3)学会前に解剖ラッシュがある。(4)アル中の人は身離れが悪い(身離れって…)。
【メーリングリスト】ミチルや龍村が参加している法医学会のML。管理人のM大学・徳山先生が海外出張で留守の間は龍村が管理人代行をしていた。「風太がずんこを殺した」という謎のメッセージが入っていた。
【森口】兵庫県長田署の警官。龍村の仕事に興味津々。
【森陽一郎/もり・よういちろう】O医科大学法医学教室の技術員。21歳で、都筑教室では最も若く、技術員として勤めて1年。小柄で華奢で色白で、少女めいた顔立ち。教室唯一の癒し系でヒロイン枠。ちょっと頼りない。
【山原】科捜研の主任。
【夢先歌花/ゆめさき・うたか】愛美の娘。清楚な外見とドジっ娘キャラで人気があるのだが本人にはそこが悩み。
【夢崎愛美/ゆめさき・まなみ】有名な料理研究家。死体として登場。五十二歳。「料理に必要なのは、夢と愛!」がキャッチフレーズ。
【陽一郎】→森陽一郎
【予備校回し】ペン回しのことらしい。陽一郎が得意。