紙の本
古き良き
2021/03/20 01:56
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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
これといって新しい要素があったわけではなく、
むしろ使われている叙述トリックなどは、
昔ながらの伝統のもの。
事件の真相も
想定を越えていく、というほどではないけれど、
才能と才能がぶつかる世界線の中で、
違和感のない仕上がりになっていて納得できる。
続巻も出ているし、
もっとこの世界観も掘り下げていくような展開を期待したい。
電子書籍
やや御都合主義か
2020/07/22 22:58
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投稿者:りー - この投稿者のレビュー一覧を見る
僕は優れたミステリ読者ではない。短気なので「結果だけ教えて!」と、まったく物語の機微を読み取れないからだ。しかしこういう超能力というミステリブレーカーの要素が加われば楽しく読める。錬金術という何でもありの能力を前提にミステリを組み立てるところは興味を惹かれたし、きちんと伏線も回収する納得のいく結末だったのだけれども、肝心の謎解きに関してはモヤッと感が残った。錬金術を前提としているだけに違った形でも謎が解けてしまうからだ。作中でもそのことに関して言及されてはいるので、やはり超能力とミステリの相性の問題か。
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定番の探偵と助手もの。遊び人で破天荒なテレサと実直なエミリアという対照的な2人のやりとりが楽しい。
ファンタジー×ミステリということだが、事件に関する細々とした伏線はあまりないので、情報がさっぱりしていて読みやすかった。(ミステリをあまり読まないので、単に私の読解力不足かもしれない)
かといってストーリーが物足りないというわけでもなく、事件の謎に加えてテレサとエミリアの過去に関わる情報や世界設定の話が同時に繰り広げられていくので、各方面に面白かった。錬金術の階層構造や、錬金術師と国家情勢のつながりなど、今回詳細に描かれなかったものを含めて世界観の広がりにわくわくする。そういう点では、どちらかというと「ミステリ要素のあるファンタジー」なのかもしれない。
上司と部下で、正反対だけど似た者同士で、共犯者になった2人。至極単純に共犯者・運命共同体という類の関係性に弱いので、目的を共有した2人がこれからどんな関係を築いていくのかとても気になる。
一旦事件は解決したもののがっつり続きものを想定した終わり方だったので、続編でまた2人の活躍が見れたらいいな。
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新宿の紀伊國屋で何となく手に取った1冊。
余りファンタジー系と意識せずに読んだが、設定も凝っていて面白かった。
明らかにシリーズもの前提のラストだったが、続きがあると考えて良いんだよねぇ、これは……?
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2022/11/23 読了。
図書館から。
気になってたので、借りれてよかった。
著者作初。
読みやすいとは思う。
エミリアが女性名で慣れるまで時間かかったなー。
ミステリもしていたし楽しく読めた。
読みつつ、既視感あるなーと思っていて、
ミステリとファンタジー?で、
ロードエルメロイの事件簿とジャンル的には同じか!
と思った。
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紺野天龍『錬金術師の密室』読了。
錬金術の存在する世界でのミステリ。錬金術の齎す超越的な物理法則も加味してのロジック主軸のミステリなのが好印象。この世界、この設定だからこその要素も多分にあり、ミステリ部分の甘いところはしっかり補えている。錬金術の設定もかなり練られていて純粋に世界観そのものがかなり面白い。スチームパンク的な世界観も好きな人には堪らないだろう。国家や立場、錬金術と変成術の関係など、シリーズへの布石もうまく打っていて、今作の謎とシリーズの謎を織り交ぜて綺麗にまとめ上げている。ミステリだけで見ると、メインサブ含めかなり直感で見破れてしまう向きはあるが、オマージュ的な側面もあると思われ、そういう意味では良い演出と言える。
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〇〇×ミステリ、といえば?
青春×ミステリなんてありがち。
伝奇×ミステリや歴史×ミステリは妄想爆発してていい感じ。
SF×ミステリはそれはもう相性が良いことが歴史的に実証されてると云ってもいいでしょう。
本×ミステリ、珈琲×ミステリもまぁ、そこに必然性があれば楽しく読むけど。
(ちなみに青春×ミステリはキャラクタ的に必然性があるということにしておく。なんでもありやな。青春だからね。)
その点イロモノの今作は錬金術×ミステリ。
いい加減ネタバレしてもいいんだろうけど最近のイロモノと云えば『屍人荘の殺人』が爆発的に売れたけど、あれも〇〇×ミステリですね。
個人的にはこちらのほうがかなり好み。
錬金術、とは外れるけど大分類に上がって、所謂ファンタジー×ミステリといえば『折れた竜骨』とか『アンデッドガール…』くらい? 『クロック城』はあり?
あんまり成功例が無いのかしら。
どうにもファンタジーが「なんでもあり」という感じになってしまうと、そりゃミステリとは相容れなくなるわけで…
その点今作はバランスの良い配合で、ちゃんとフェアに書かれていて謎解きもさせてくれるし、とても気に入りました。☆3.8
しかも続くであろうというのが嬉しい…!
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紺野天龍『錬金術師の密室』読了。
スチームパンク×錬金術ミステリー。世界に7人しかいない錬金術師が密室で殺され、いま1人の錬金術師がその謎に挑む。屍人荘やロードエルメロイとか超常現象を前提としたミステリってのは流行りなのかな?本作は推理も本格だけど全体的に明るく軽快な感じが良い。
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ファンタジー系の特殊設定ミステリ。
謎解きに破綻なども少なく面白いのだが、後書きにあった「好きな作家」からの影響がそのまま作品に出ている感じだった。(特にトリックや動機)
かなり強く続編をにおわせる終わり方をしているので、次回作に期待。その時は作者オリジナルの捻りがもっとあるとうれしい。
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ファンタジー&ミステリー
錬金術師だからファンタジーだけど、
密室の謎を解く。
ちょっとラノベっぽかったし、
あの作品のオマージュなんだろうみたいな所もあったけど勢いで読めた。
次回作もぜひ!
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錬金術なるファンタジックな要素がメインとなっているものの、筋立てや論理の展開はいたって古風。あとがきに書かれているような講談社ノベルスの新本格系統を思い出すような、ロジカルに意外性を導き出すお話でした。
なので推理を組み立てていく過程を行っていくと頭でっかちというか、読んでいて平坦な印象になりかねないときもありますが、この作品では主人公の錬金術師とその相棒の軍人の水と油なペアのやり取りそのものも楽しく、早くいえば「キャラ立ち」しているので、その楽しさでするすると読めました。新鮮というほどでもなくても、読んでてストレスフリーな奇天烈風味なキャラクタの匙加減が自分にはちょうど良かったです。
真相にどれだけ綻びがないかまではともかく、錬金術という架空の魔術をメインとしてはいても、きちんとルールを敷き、「なんでもあり」にはしていないので、論理が通ったミステリとしてもしっかり収束していると思いました。
ただキャラクタものの宿命なのか、彼らのバックボーンについては「続編を待て!」というか、続編ありきな書きかただったのは、この物語そのものはちゃんと解決はしているとはいえ、仕方ないかぁ、と思うしかないかなと。その辺はお約束なようなもので、突っ込むのも野暮なのでしょうけれども、少し気になったのでした。
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錬金術が実在する世界を舞台にしたファンタジーミステリ。
軍人エミリアは錬金術師テレサの同行者として、フェルナンド三世が「魂の解明」を実現したとして披露する神秘公開式へと赴いた。しかし式の前夜に三世の死体が密室で発見され、二人は事件に巻き込まれることに‥
ラノベ風のキャラ設定、ファンタジー要素が入っているものの新本格っぽい謎の構成、ラストの意外な結末など読みやすく面白かった。
シリーズ続編も出ているようなので読んでみたい。
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とても面白かったのですが、疑問に思ったことが1つ。
族に襲われそうになり、咄嗟にエミリアが錬金術を使用したシーンがあったと思うのですが、あのときテレサとエミリアの首には爆発する首輪が付いていたように思います。
錬金術を発動した際になぜ爆発しなかったのでしょうか?
何か読み損じているところがあるかもしれませんが、わかる方が居れば教えて頂きたく思います。
気になって仕方がありません。
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錬金術のある世界で起きた錬金術師密室殺人事件のお話
ファンタジー要素を含む特殊設定ミステリ
三重のセキュリティ扉、壁の破壊によるアラート、現場から無くなっていた可能性のある何か、残された死体とホムンクルス、外部に繋がっている経路等々
一応錬金術のルール、出来ること出来ないことが事前に提示されていて、何が起こったのか?を論理的に推理するというのはまぁミステリと認めても良いと想う
錬金術に関しては、史実に基づく固有名詞が中途半端に使われていて、余計な勘ぐりをしてしまったのでノイズに感じてしまう
ま、鋼の錬金術師でも同じような名称を使ってたし、一般的にも知られた知識になりつつあるのだろうか?
錬金術の段階に関しても、私の知っている知識とのズレがあるものの、この物語の定義をちゃんと示しているのでフェアですね
エミリアの名前にしても、テレサの設定にしてもちゃんと伏線があって回収されているところがよい
ただ、それでもまだ疑問というか明かされていない背景があるので、最初から続編を想定して書かれたのだろうなぁと思う
フェルディナント三世の状況というか、この密室のアイデア自体が森博嗣の「すべてがFになる」っぽいなぁと感じ
他にも、錬金術で出来ることと、何をしようとしていたのか?を考えると、真相はなんとなく想像できる
パクリとまでは言わないけど、森博嗣にかなり影響を受けてるんじゃね?と思いながら読了
案の定、あとがきで京極夏彦、西澤保彦、森博嗣、城平京、久住四季に大きな影響を受けた事が書かれてあった
私の好きな作家さん3人がかぶっているので、多分この人の創作の方向性は私の好みに添っているのだろうなぁと思う
城平京の「鋼鉄番長の密室」にも言及しているあたりも、やはり好みのツボが合ってるのでしょうねぇ
確たる証拠もないので複数の推理を披露して、どの推理を真実と捉えるかを相手に委ねるという方式も今作に通じるものがある
ってか、この方式を発展させたやつが「虚構推理」になったでしょうね
あと、作中作の「番長の王国」ももし存在するなら読んでみたいものだ
歩ほどは精神を削られずに読める気がする
鋼鉄!おお鋼鉄!の下りは胸熱ものですよw
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錬金術師が存在するファンタジー世界を舞台にしたミステリ。
世界に7人しか存在しない錬金術師、その1人が殺害された。その謎に挑む錬金術師テレサと、軍人エミリアは事件を解決することが出来るか?
といった内容。
ファンタジーとしても、ミステリとしても、ちょっと中途半端な印象。
二段階での種明かしで幕をとじるのもありがち。