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都市制度
2021/11/21 00:33
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本には、政令指定都市制度がありますが、ソノ歴史というか成り立ちの過程がなかなか興味深かったです。それと大阪市都構想についても-。橋下徹って……人によっては、好き嫌いはあるでしょうけど、仕事出来る人だったんだ……
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大都市の統治制度の歴史・現状を余すところなくまとめられている。大都市の未来について語る際には、本書の論考を必ず頭に入れた上で議論すべきだと思う。
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大都市制度は正直難しい分野だと思う。
わが国には色々な都市があり過ぎるからだ。同じ政令指定都市でも、県との関係や経済規模など大阪と横浜では置かれている状況が違う。
このこともあり、一律な議論が難しいと思われる。実際、ちぐはぐな本だという印象を受けた。しかしながら、政令指定都市について包括的に述べられているので、全体を把握したいならいいかも。
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自治体職員となるにも関わらず、「そういえば政令指定都市制度のことよく知らないなー」ということで、勉強のために手にとった新書。
とても勉強になりました。
基礎自治体(市町村のこと)や広域自治体(都道府県のこと)とは何か、そして、横浜や大阪や名古屋といった大都市により強い権限を与える論理は何なのか。
このあたりの歴史的な経緯や、地方自治の考え方について(一貫してカタいですが…笑)、丁寧な分析のもと解説がなされています。
日本型大都市制度である政令指定都市制度が、実は杜撰な制度設計で(実は法律的には人口50万人以上という要件しかない)、現代においてそのひずみが露呈していること。
話題の大阪都構想をはじめとする、このひずみを克服するための近年の提案や論調については、切れ味の鋭い批判的な考察がなされていて、見せ場になっていると思われます。
横浜は少し違う事情も抱えていますが、基本的に大都市はその市域と社会経済的圏域に著しく差があるため、居住人口以上のための行政サービスを提供する必要があるということ。
しかしそのために使える財源や権限は、たとえ政令市であっても現行制度では不十分であり、制度の抜本的改革や、新たな試みが必要とされていること。
日常生活を送る中で、こうしたことはこれまで特に意識することはなく、都市はどこでも円滑にまわっているのが当然と感じていました。
ただそのことが、「税負担はできるだけ少なく、行政サービスはできるだけ大きく」というような、受動的かつフリーライダー的な国民意識につながってしまうとしたら、それは民主主義国家として危険だなと感じます。
本書では行政、つまりは「官」側の話に終始していますが、こうした背景だからこそ、下からの、【小さな公共】が重要なのだという主張にもつなげることができるな、と感じながら読みました。
地方自治制度の入門書(二冊目くらい?)としても、良書でした。
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よく網羅的に調べて書かれていると思います。しかし記述が客観的すぎて、筆者が政令指定都市制度がどうあるべきなのか、大阪都構想をどう評価しているのか知りたいところ。
実は本書で一番驚いたのが、橋下徹市長の公務の実態についての部分。彼は、全国の市長が当たり前にこなしている「全市的イベント」「住民・団体対応」に殆ど関わらず、その圧倒的な時間を「庁内執務」に費やしていること。つまり彼は選挙対策で住民の人気取りをする必要がないので、その時間をもっぱら勉強にあてているわけです。これは凄いというか、恐ろしい。
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政令指定都市ってどういう成り立ちで創設された制度なのか、どのような機能を持っているのか、をあらためて勉強したいと思い、読了しました。日頃から政令指定都市との職員とのやり取りもあるところなので、知っておいて損はないでしょうし、知らないと恥ずかしいというようなこともあるかなと。
さて、政令都市制度が整備された年に、旧5大都市の一である神戸市には100万人の人口がなく、地方自治法に100万人と書けなかったために50万人としたのではないかとの説がまず興味深かったです。なるほど、旧5大都市を念頭においているのだから、増えることは想定していないわけですね。
大阪市を筆頭に、政令指定都市の一部の都市は、横浜市は別だそうですが、通勤・通学により周辺都市から人口が流入してくることに伴い、交通やごみ処理等の行政サービスを行わなければならない一方、住民税は市に入ってこないという点になるほどと思いました。
もう一度、通勤時間に電車の中で読んでいきたい。
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政令指定都市について、他の自治体や英仏の自治体との比較、政令市の沿革をなぞり、特に大阪市を例にその限界を指摘し、新たな大都市制度の必要性を記している。
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◆指定都市制度の「指定」をめぐる問題について論じる一冊。どのような市を指定するかということは、その市が都市としてどのような役割をもつかということと密接に関わっている。ところが、独立を求める大都市と都道府県の戦いのなかで妥協の産物としてつくられた現行の指定都市制度は、大都市の役割という視点を欠いたものになった。そのためこんにちの指定都市には多様な特徴をもつさまざまな都市が指定されており、そのことが大都市制度のそもそもの目的とされていた集中投資(要するに特別扱い)を阻んでいる。そこで著者は、政令指定都市を分類することによって、多様な大都市それぞれに応じた新しい指定都市制度を構築する必要性を明らかにしている。
* 素朴な感想 *
◆市に認められるために人口をかさ増しするとか、指定都市になるために合併して人口要件を満たすとか、それでいいのかなぁ。けれど、それが認められてしまうというのは、指定都市の法的な要件が人口だけだということに問題がある。
◆大都市の役割を踏まえて集中投資をおこなう制度にするために、ほかの都道府県や市町村民に対する行政サービスや経済的な効果などを要件にすることはできないのでしょうか。
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政令指定都市に焦点をあてて、論じた著書は皆無であり、その意味では貴重な本である。
政令市の歴史の部分は、とてもおもしろかった。
しかしどのような政令指定都市像が構築できるのか、筆者自体も検討しているようで、明確ではない。
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題名通り、政令指定都市という行政区分についての新書。
身近かつ重要、しかも、あまり解説書もなく、大阪都構想などにより近年再考されるべきものになっているため、テーマ設定としては素晴らしい。
内容としても、政令指定都市についての理解が深まり、それこそ公務員を目指す人などにも有効な本だとは思う。
インタビューなどもしており、論文上だけでない実際の在りように迫ろうとしている。
加えて、2013年時点ではあるが、大阪都構想の流れについても面白い。
一方で、新書の割には著者の文章の整理がうまく出来ていないように感じる。
繰り返しの表現や、(特に三章の「権能と組織」の部分など)話が散らかっている印象を受ける。
終章「政令指定都市を超えて」というありがちな章題が示すように、どのように政令指定都市の問題点の解決策も具体性を欠いてしまっている。
テーマ時代が面白かっただけに、そうした点が残念だった。
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北村亘『政令指定都市』中公新書 読了。旧五大都市と五大府県の妥協の産物として誕生した指定市制度だが、今や目指すべき高みと位置づけられる。20指定市を主成分分析により分類し特徴づけて、大阪市に焦点を当ててゆく。少なくとも、超百万人規模でなければ指定市を目指すものでないと思えてくる。
2013/08/25
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政党システムや代表制、税制のもたらす影響に加え、社会経済的な大きな構造の変化に着目して、環境の異なる都市がそれぞれ直面する問題や、都市とそれ以外の地域の葛藤、国と都市との関係を整理したもの。