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紙の本
混乱するアフガニスタンにどっしりと腰をすえる人がいる
2002/05/14 21:45
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読ん太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
中村哲氏については、中村哲著『医者 井戸を掘る』(石風社)を読み、パキスタンとアフガニスタンを中心にして医療活動を行うNGO ペシャワール会の現地代表であることを知った。『医者 井戸を掘る』では、2000年のアフガニスタンの大旱魃の様子から、ペシャワール会が井戸を掘るNGO活動について書かれたもので、活動の様子は2001年9月の米同時多発テロが起こる直前までが綴られている。
本書『ほんとうのアフガニスタン』では、ペシャワール会の発足当初の様子から、『医者 井戸を掘る』の内容とも重なる水確保の為の井戸掘り活動について、そして米テロ事件の勃発からその後のアフガニスタンの様子とペシャワール会の対応についてが綴られている。
中村さんは、18年も前からパキスタンのペシャワールを中心にして地道な医療活動を続けて来られた人だ。中村さんが語ってくれるアフガニスタンやアフガニスタンの人々の様子は、ニュースで見るような抑圧された人々ではない。ニュースでは、イスラム原理主義や武器を持つ兵士、そして米国側が口角泡を飛ばして叫ぶ「報復」という恐ろしい言葉など、色々なものが飛び込んでくるが、私の頭は混乱するばかりだった。どこから湧き出してきたのかと驚くほどの多方面からの評論家や大学教授などの言葉を聞いても、混乱は増すばかりだった。
中村さんによって、アフガニスタンの地に暮らす人々に対して、血の通わぬのっぺら坊の人形のようなイメージから、人情味のある人懐っこい笑顔を持った、日本人に対して親近感を持っている人々のイメージにすり替えてもらえた。当たり前のことだけれど、戦争はコンピュータゲームとは違うのだということを心底実感した。
大きなことをやってのけている中村さんだが、人に「大いなる志を持ちなさい」などということは言わない。それどころか、『はじめから張り切って、人のために役立つと言って来て、役立てることはほとんどないのです。』と話し、とにかくどこにでも行ってみること、そうすると縁が出来て、縁から縁へのつながりが自分の生きる道を示してくれるというようなことを言われる。肝心なのは人だということだろう。現地でも土地の人々の慣習や文化を大切にするのが鉄則だ。人と人とは、言葉が違っても分かり合えるものだと思う。しかし、それぞれに持っている慣習や文化は独自のものだから、自分の持っているものを強要するのは、最初から縁を拒絶しているようなものである。瀕死の小国に世界中の超大国が束になってしていることは、縁を拒絶した強要である。
翻弄される小国アフガニスタンが、激しい移り変わりを見せる中、中村さん達ペシャワール会はいつもと変わらぬ活動を続けるばかりである。ハンセン病の根絶を最終目的にしているが、医療を受けられない人々への医療活動や、自然災害や戦争によって荒らされてしまった土地の人々が難民にならないような食糧援助活動なども黙々と続けている。
私は、中村さんの著書によって、ブレそうになる軸をしっかりと据え直してもらえたような気がした。生きがいのある人生を歩む方法というものを伝授してもらったようにも思った。
電子書籍
『ともに生きる』ことが世界を救う
2021/03/08 22:55
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投稿者:ミャークピトゥ - この投稿者のレビュー一覧を見る
現地の人々から信頼されるペシャワール会・中村哲医師は、困っている人を助けるというシンプルな理念です。募金する、国際関係を学ぶなど、遠く離れた地でできる事をやろうと思いました。そして、それは、きちんと現地の人々とともに生きる理念を持った活動をしている団体を見つけることが大切だと思いました。「ほんもの」「ほんとう」と言う意味を考えないと、この広い世界では、『ともに生きる』ことが難しいなと思いました。
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