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◯ 一日の長さは一年に0.000017秒ずつ伸びている。(中略)その反作用で月は角運動量を得て、一年に3.8cmずつ地球から遠ざかることになる。(11p)
◯太陽に伴侶の星がいるのかもしれない。その暗い伴星が数千万年に一度、昼空までをおおう彗星の嵐、めくるめく流星の雨を地球にもたらすのだ!(24p)
◯異なった言語を知ることは、異なった世界の見え方を会得することである。(129p)
◯翅を生んだ遺伝子プログラムの論理的帰結が、韃靼海峡を渡る蝶だとすれば、知性を生んだ遺伝子プログラムの論理的帰結が、銀河を渡る人間なのかもしれない。(177p)
★科学者の書く文章が、文学的なのなんでだろう。
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面白かった!文系脳でも読みやすい科学の話だった。天の川銀河が活動期に入ったらわれわれすべてが死に絶える、そしてその活動期は予測できず明日訪れるかもしれない、という記述に衝撃を受けて、一方でとってもロマンチックだと思った。
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科学エッセイ、、、ではあるのだが、
著者が博学で且つセンスが良すぎて文系な本を読んだ読後感。
最初の章は天文学を中心とした話なので本のタイトルから予測した期待の範囲内なのだけれども、
中盤以降は倫理学や経済学、集団心理学的な話が、科学的な統計や計算を元に語られて、期待を優に超えるおもしろさ!
下記が特に好き。
・音楽のサブスクでヒット曲が出る仕組みの考察
・ある集団において「固定票タイプ」と、他人の意見を参考にする「浮動票タイプ」それぞれの比率がどのくらいになると世論の意見がどっちになるかの計算
・有名なトロッコ問題を全世界の100万を超える被験者から集めた統計データ
地域で倫理的性向の違いが興味深い。AI自動運転車の設計に応用される可能性について
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久しぶりにこんな科学的な本を読みました。
これはいったい何の話だろう?って用語を調べることから始まってしまったので少し読むのに時間がかかりましたが『夜話』と書かれているのでなんとなく夜に読むと世の不思議にひっそり耽ることができます。じゃんけんは試してみようかな?
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一気に読むのが向かない本というと語弊があるからもしれませんが、少しずつゆっくり時間をかけて読みたい本。
一つのお話が数ページと短いけれど、その内容の奥深さや広がる自分の想像力や思考・感想を楽しんでいると、この本は時間をかけてしまう本でした。
物理に縁遠い私にとって難しいお話もありましたが、「そうなんだー」「知らなかった」と勉強になりました。
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これまで気付くこともなかった事象を、身近なこととして科学的に語ってくれる。
天文編は、何だかワクワクキラキラしながら読み、
原子編で量子力学に触ってみたら何て面白い概念なんだと気付く。
確率って数理物理学なんだとか、それぞれがどういう学問分野なのかも知れて、世界が広まった気がする。
定性的だと思ってたものが、定量的に示されたことにショックを覚えた内容もあり。
いつも使ってない思考を伸ばすような、頭のラジオ体操のような本。
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夜寝る前に読むのにぴったりの一冊。興味深い科学の話を根幹に持ちながらも、ロマンを掻き立てるような切り口と美しい言葉選びで、非常に読みやすい。遠い銀河に思いを馳せました。
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宇宙のみならず、自然科学、いやそれを超える膨大な領域を、平易な語り口で解説する老若男女にお勧めできる1冊。
全22項目を天空編、原子編、数理社会編、倫理編、生命編に分類し、各項目には6P〜10P割かれている。
それぞれの分量は少ないので、日頃ブルーバックスを読むような方には少し薄味かもしれない。しかし、興味のある分野を見つけるのには最適な1冊ではないか。
また、「夜話」とあるだけあって、就寝前の読書にぴったりだ。寝る前に5分を本書に割くだけで、晴れやかな朝を迎えられるだろう。
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「ずっと夜が続けば話は終わらないだろうか」と思うほどに読み続けたいと思わされた科学のお話。
天空編、原子編、数理社会編、倫理編、生命編と5つのカテゴリの22作品。難しい内容のはずなのにスルッと入り込める。数理社会編が特に生活に密着しているのもあって興味深く読みました。
装丁も挿絵も素晴らしい。引用されている吉田 一穂(よしだ いっすい)の作品にも触れてみたい。
(どのエッセイも素晴らしかったけど)個人的に印象に残ったもの
第1夜 海辺の永遠
9億年前の1日は20時間ほどだった、と推定されているらしい。な、なんだってー!こういうの!学校の授業でやってほしかった!!
第5夜 真空の探求
10mの水柱のポンプ…なんとなく覚えているけど、ああそうだったんだとこの歳になってさくっと理解できた。
第6夜 ベクレル博士のはるかな記憶
第7夜 シラード博士と死の連鎖分裂
X線からウラニウム放射線発見、放射能と原子核物理学の探求という歴史の流れ
第9夜 確率と錯誤
実感と確率ってかけ離れてるときがありますよね、というお話。
「福沢諭吉がLiberteにあてはめる日本語の「自由」を考えたとき、別の有力候補は「天下御免」であった。(P76)
「自由」に決まって良かったなぁと感じました。哲学書などで「天下御免とはなにか」とか書かれてたらムズムズしそう…(笑
第10夜 ペイジランク─多数決と世評
Google検索アルゴリズムのひとつペイジランクについて。昔はライコスなどを使ってた。懐かしい。
第13夜 多数決の秘められた力
民主主義選挙とガラム理論。
「固定型の人が17%以上混ざっていると、彼らは無敵である。」(P109)
この17%が良貨であることを願うばかり。
第19夜 アリたちの晴朗な世界
第20夜 アリと自由
「生まれ変わるならアリもいいかも」と思ったけれど奴隷アリの存在を知り「やっぱり無理」となった。
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〔天空編〕
第1夜 海辺の永遠
第2夜 流星群の夜に
第3夜 世界の中心にすまう闇
第4夜 ファースト・ラグランジュ・ホテル
〔原子編〕
第5夜 真空の探求
第6夜 ベクレル博士のはるかな記憶
第7夜 シラード博士と死の連鎖分裂
第8夜 エヴェレット博士の無限分岐宇宙
〔数理社会編〕
第9夜 確率と錯誤
第10夜 ペイジランク─多数決と世評
第11夜 付和雷同の社会学
第12夜 三人よれば文殊の知恵
第13夜 多数決の秘められた力
〔倫理編〕
第14夜 思い出せない夢の倫理学
第15夜 言葉と世界の見え方
第16夜 トロッコ問題の射程
第17夜 ペルシャとトルコと奴隷貴族
〔生命編〕
第18夜 分子生物学者、遺伝的真実に遭遇す
第19夜 アリたちの晴朗な世界
第20夜 アリと自由
第21夜 銀河を渡る蝶
第22夜 渡り鳥を率いて
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科学の小話であるとともに、それを営んできた具体的な人々の話でもあるところが好き。
人々の情熱、動物の生命力、宇宙の広がりが語られている。
ただの無機質な数字ではなくて、一つ一つのテーマにストーリーがある。
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ペイジランクのやつがへ〜ってなった。
数理社会編は他にも三人寄れば文殊の知恵のやつとかも面白かった。
第十五夜の言葉と世界の見え方は今井むつみさんの「言葉の発達の謎を解く」を思い出した。材質か形状かとかそういうの。
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特に興味深かったのは
ペイジランク--多数決と世評(数理社会編)
トロッコ問題の射程(倫理編)
アリたちの晴朗な世界(生命編)
銀河を渡る蝶(生命編)
トロッコ問題で出てくる国別倫理観の図はとても興味深い
ロシアとウクライナはこの実験でも、最も隣接しています
しかも、このテストはスマホから誰でも参加出来ます(日本語版有)
※※以下のサイトは本書のネタバレになりますのでご注意下さい※※
【モラル・マシン】
https://www.moralmachine.net/hl/ja
自動運転のAIにどのような行動を教えるべきかという世界的な実験
トロッコ問題の射程 | 南国科学通信 | あさひてらす https://webzine.asahipress.com/posts/2237 @asahipress_comから
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帯通り、「明晰でわかりやすく、おもしろくて叙情的」
広い科学の世界を
誰でもわかるように書いていて
くすっと笑えたり
言葉と科学の世界の美しさにほうっとなったり
とても良い本でした
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みんなの感想、から飛んできました。
大変面白く読みましたが、読んだつもりの読み飛ばしが多発している事は自覚しています。
似非理系なもので。
自由、の対立候補語が天下御免だったというのが衝撃的でした。自由民主党じゃなくて天下御免民主党だったかもしれない?言論の自由じゃなくて言論の天下御免だったかもしれない?
天下御免の方が昨今の状況によく合っている気がするのは気のせいか。
トロッコ問題、蟻や蝶のお話、確率のマジック、ラグランジュ点、どれも興味深い。
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サンテグジュペリ的な雰囲気で、うんちくおじさんが好きそうなネタを披露していく本。
面白かったところ
・トロッコ問題の国民性
・ペイジランク