紙の本
きれいな人の多い町
2022/07/25 14:42
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルは単行本のほうが良かった気がするけど。
琥珀っていうの問題だった?
きれいな人がいっぱいいる町だね。
それぞれ、名前にまつわるあだ名っていうかネーミングがおもしろい。
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【七〇&八〇年代の光景と苦い記憶――涙腺決壊の物語】コロッケパン、赤い公衆電話、白い犬。あの懐かしい町で僕が捨てた彼女は今? 苦い記憶と切実な人生が繋がる、追憶と感動の連作集。
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下町情緒溢れる人情物語。根底には生き続ける人の営みも見えかくれ。
少しずつ繋がり、袖ふれあうのも多生の縁と感じさせる。
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正直に書きます。
初めの一章を読み終える頃は、この本選んで失敗だったかなと思ってしまいました。。
でも、それは私の大間違い。
読み終えた頃には、私の大切な一冊となり、本棚にずっと存在するであろう本になりました。
私はこの時代には生きていなかったけど、こんなに懐かしいのは何故だろう?
コロナ終息後は、こんな暮らしに戻るのではないかとすら思ってしまう。
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涙腺崩壊…はしなかったけど、じんわり温かい話だった。
琥珀という架空の町。昭和40年代、50年代という時代と下町と人情が嫌味なくマッチ。
きれいなお姉さんや、感じ悪いおじさんや、優しい大人、貧しさも心の豊かさでカバーみたいな、100%良い人ばかりじゃなく、弱い人もずるい人もいて、それでも皆で補いあい、昔はよかったなぁ的なんだけど、押しつけがましくなくて、素直によい。
ところどころ現れる白い犬ぷちもよい。
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懐かしさと切なさと温かさで胸がぎゅっとしながら最後まで一気に読ませていただきました。琥珀は架空の町ですが、本のなかでこの先もいろんな人生を抱きながら続いていくような気がします。
2020.6.6
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特に好きな一冊。
5篇とも大好きだが、①は「普通の良作」の5年前の初読後の印象から、「朱川湊人といえばコレ」と、自分の頭の中での焼き付き度合いが強くなっている。
他の4作は、登場人物の中に自分も入ってみたいと感じる。密接で穏やかな空気感。
本の題名になっている白い犬「プチ」が、各編で助演的に登場し、登場人物の巡り合わせや、会話の深さ(決心)を、ふと、させてしまっているところもおもしろい。
好きなのは、①、②、③、④、⑤。(^^;;
読み終えた後、
力をくれる。
①追憶のカスタネット通り
35年前、尚美と住んでいた街、僕が「罪」から逃げ出した街を久しぶりに訪れた。
②幸せのプチ
自分と友達、そして畏怖していた大きな大人や野良犬との交流。こみ上げてくる子ども時代の懐かしい記憶。
③タマゴ小町とコロッケ・ジェーン
パン屋の美佐子の店に来る客は初恋の相手にソックリ。でも、近所の幼馴染、和美はその客に「ガブッ」(私の先約済)宣言。
④オリオン座の怪人
ラジオで聞いた、深夜に徘徊する「謎の怪人」話。まさか自分の町だったとは。
⑤夜に旅立つ
大阪に旅立つ前に、勇治は琥珀の町で世話になった人たちに挨拶に行き、バッタリ村田のお姉さんと出会う。
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朱川湊人さんの本は3冊目。
その中で一番好きです。
都電の走る「琥珀」と言う下町が舞台。
5話の連作だが、その繋がり方が絶妙。
物語が進むごとに町の人々が繋がってゆき、いつしか自分もこの町の住人のような感覚がしてくる。
全ての物語に白い犬がちょこっと登場するのだけど、これがまた不思議な存在で。
突然現れて助けてくれたり、またある時にはそっと寄り添ってくれたり。
勇気を授けてくれたり……
作中に
“世の中のすべての人たちは、みんな死にゆく運命を背負っている。長い短いの差はあっても、どんな人でも必ず死ぬのだ。”
という一節がある。
当たり前だけど私達の周りには「死」が存在する。
それが苦しみや哀しみとなり、心に抱える事となる。
それを包んでくれる周りの人達の優しさ。
あぁ、やっぱり人って温かいな。
誰でもいろいろな過去があるけれど、生きているのは「今」だから、ちょっと勇気を出して前を向こう。
そんなふうに思える作品です。
この本を教えてくれたshukawabestさん、素敵な作品でした。
ありがとうございます!