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南米から移住してきた日系人のゲイ、ニューハーフにシングルマザーの風俗嬢など、社会的にマイノリティと言われる人達の語る人生。
なんかみんな語りの合間合間に笑ってる。
その笑いがホッとさせてくれる事もあり、逆に物哀しく感じる事もある。
サッと読めるけど、重くて軽くて、悲しくて面白い。
そんな感じ。
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ちょうどミランダ・ジュライのあなたを選んでくれるものを読み終わったあとに開始。ミランダは、実際の自分の人生とは決して交わらない所にいる人たちと話し、岸さんは友人たちの話という。立ち位置の違うふたりのとった人と交わる手法が近くて面白かった。
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ターケル先生のタイプの無名の人々、人生を語る、みたいなの。まあおもしろいねえ。こういうのはおそらく誰に語らせてもおもしろいわよね。でも聞き出すのはたしかに難しいだろう。
もっとも、インタビュー対象はそれなりに色のついた人々っていうかマイノリティとされる人々で、私自身はもっとごくふつうの人々のやつが読みたい気がする。
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世間一般では「マイノリティ」と言われる人たちの「普通」の人生を聞き取った本。外国籍のゲイ、ニューハーフ、摂食障害、シングルマザーの風俗嬢、西成のホームレスの5人の人生が詰まっている。引き込まれて一気に読んでしまったが、読み終わって放心している。5人分の人生(の一部)に接したことで心がいっぱいになっている。
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岸政彦「街の人生」読んだ https://t.co/VHiSVty8Ad
柳田國男の題辞そしてイントロでもうぐっとなる(早いよ!)岸政彦さんわたしあなたに一生着いていきます。「私たちは私から出ることができない、それでもこれを読む間は私ではない私の人生を垣間見る」世界は断片的で、断片の集合が本質なんだ(おわり
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読書開始日:2021年4月29日
読書終了日:2021年4月30日
所感
断片的なものの社会学を見ても思ったが、
どんな人も、自分と同じように、かの有名人と同じように、その時間を生きていることを感じさせられる。
読まなかったら絶対に知らずにいた、知らない人の生活史。
話す内容のなまなましさと、インタビュー回答と妙な爽やかさに、その人がつけた折り合いを垣間見ることができる。
登場人物が言っていた「回復論」に寄るようでいたたまれないが、
それぞれ乗り越えるまでも、なんとか問題に立ち向かい、やり過ごしたのだと思う。
大中小みなそれぞれ問題を必ず抱えていて、それに少なからず立ち向かっている。
自分が物語を拾うことによってそれが固有の意味を持つことは間違い。それぞれの生活の物語がすでに固有。
自分は登場人物のような波乱万丈な人生ではない。
しかしながら立ち向かわなきゃいけない問題や癖がある。
下手な物語よりもよっぽど爽やかな作品だと思う。
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あの時、あの場所に、こんな人がいたんだというものが後世に残るのは価値のあることだと思う。100年後の人は、この本を読んだら、面白がってくれるのではないだろうか。
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岸政彦さんの本は、これで三冊目。
「断片的なものの社会学」は、聞き取りの記録と岸さんの解説が半々。
「マンゴーと手榴弾」は、社会学的な理論が八割。
「街の人生」は、聞き取りの記録のみ。
図書館で借りて読み終わった後に、自分の分として買い直そうと思ったのは「断片的なものの社会学」。何度でも読み返したいし、読むたびに新しい気付きをもたらしてくれるような気がしている。
インタビューの書き起こしのみが記録されたこの本は、もう一度読みたいと思うほどではない(現時点では)けれど、それでもやっぱり、自分と全く違う人生を歩む人々の人生を覗き見しているような感覚を覚える。この感覚は、中毒性がある。自分の置かれている状況が実は全然当たり前じゃなくて、だから今が幸せだと少しでも感じているなら、きちんと感謝しないといけないんだよ、と諭されているような感覚。その諭しは、厚かましくなく、押し付けがましくなく、ふんわりとくる。そう、私はもっといろんなものに感謝して生きないといけない。岸さんの本を定期的に読むようになって、そういう思いがどんどん強くなっている。
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様々な「街の人々」にそれまでの人生をインタビューした一冊です。
マイノリティーの人々の人生色とりどり読めてとても興味深いです。
誰の人生も一冊の本に等しいわけですが、この人たちの人生に比べたら僕は大分薄い一冊になりそうです。
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男の中には娘がいる。
女らしさは男が希望するものだから、女の中にはない。
女でありながら、男の言葉で落とす。面白い。
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人の人生は面白い。あえて面白くしようと思わなくても、十分面白い。
本書は、日系南米人のゲイ、ニューハーフ、摂食障害者、シングルマザーの風俗嬢、ホームレスへのインタビュー集だ。
インタビューって、一般的には誌面としてまとめる前提で作られているが、これは違う。本当に、話し聞かせてよ、という感じで話しかけて、それがそのまんま載っているようだ。
対象者はいわゆるマイノリティで、しかし彼らにとっては自分の人生が普通の人生だ。
説明や要約というよけいなものを付けたくない、と著者は言う。それぞれの人について、最初に少しだけ出自が紹介されているだけだ。あとは前述のような調子のインタビュー、というか、会話。インタビューの後でまとめなんかなくて、え、ここで終わり、という感じに会話が終わる。
そもそも、どこの誰かわからない、顔も名前も知らない、という相手もいる。マイノリティであるかどうかは、あんまり関係ない。マジョリティにだって、マイナーな部分はあるし、逆だってある。
まさに無名の人の人生をちょっと分けてもらって眺めるような本。
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インタビューの語り口調で綴られているので、読みにくさがある。が、内容はすごく濃い。同じテーマの別の本を読んでみようと思った。
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言葉にならない呟きや相槌。言葉を濁したり、より正確な表現に変換しようとしたり、行きつ戻りつしながら人生が生々しく語られている。
誰かの人生の濃い一部分を知ることによって生きることを考えさせられ、誰かに聞いてもらったことでこの人たちはほんの少し救われるのかもしれないと思った。
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前回読んだ著者の本がとてもよかったので、二冊目。街の人生ってタイトルからして素晴らしい。移民でゲイの男性、摂食障害の女性、西成のおっちゃんなど5名の方々の人生を語ってもらったインタビュー集。会話をそのままの形で文字に書き起こしているので、最初は読みにくいと感じた。でも読んでいると不思議なもので、それぞれの人となりのようなものが語感から伝わってくるように。普通の人々と言いつつそれなりに何かはあるわけで、私が人生を語っても同じように物語になるのだろうか。
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この本は、社会学者の岸政彦先生とその学生が聞き取ったインタビュー集です。日系南米人のゲイ、ニューハーフ、摂食障害の当事者、シングルマザーの風俗嬢、元ホームレスの、人生の記録が収録されています。私はインタビューの仕事をしていて、何か偉業を成し遂げた人にだけフォーカスすることにジレンマを感じていました。電車に乗り合わせた人がなぜか気になって、その人の人生を想像することがあります。ただ、その人に実際に話を聞けるかと言えば、それはすごく難しい。そういったことを読みたい人がどれだけいるのだろうかとも。この本は、きれいに文章を整えるのではなくありのままの語りを載せているので、一言一言がリアルです。だからこそ、残る。インタビューはその人のすべてを知れるわけではないけれど、少しだけ覗き見したような気持ちになる。岸先生は「『断片の断片』をなるべくそのまま記録することで、結果的にいちばん『人生の形に近いもの』を世の中に残そうと思いました」と書かれていました。フィールドワークとして沖縄や被差別部落で聞き取りをしている岸先生の人柄も感じさせる1冊です。