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この本は、社会学者の岸政彦先生とその学生が聞き取ったインタビュー集です。日系南米人のゲイ、ニューハーフ、摂食障害の当事者、シングルマザーの風俗嬢、元ホームレスの、人生の記録が収録されています。私はインタビューの仕事をしていて、何か偉業を成し遂げた人にだけフォーカスすることにジレンマを感じていました。電車に乗り合わせた人がなぜか気になって、その人の人生を想像することがあります。ただ、その人に実際に話を聞けるかと言えば、それはすごく難しい。そういったことを読みたい人がどれだけいるのだろうかとも。この本は、きれいに文章を整えるのではなくありのままの語りを載せているので、一言一言がリアルです。だからこそ、残る。インタビューはその人のすべてを知れるわけではないけれど、少しだけ覗き見したような気持ちになる。岸先生は「『断片の断片』をなるべくそのまま記録することで、結果的にいちばん『人生の形に近いもの』を世の中に残そうと思いました」と書かれていました。フィールドワークとして沖縄や被差別部落で聞き取りをしている岸先生の人柄も感じさせる1冊です。
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柳田国男の[山の人生]になぞらえて、外国籍のゲイ、ニューハーフ、摂食障害の女性、シングルマザーの風俗嬢、ホームレスの老人のインタビューのルポ。一般人とはかなりかけ離れている人生だが、読んでいると引き込まれていく。共感というか、ふーんそうなんだという感じ。
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【やっぱね、人ってね人間てね、一人では絶対生きていけん】(文中より引用)
立場も環境もまったく異なる5人のライフストーリーを収録した一冊。著者は、社会学を専攻している岸政彦。
語りを編集することなく、読みづらさが残ったとしてもそのまま収録している点が特徴的。その分本当に語りかけられているかのような錯覚を覚え、それぞれの人生がより生々しく伝わってくるような気がしました。
読後にふと散歩に出かけたくなるような作品でした☆5つ
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一個目で既にめっちゃおもろいなー
一生読んでられそう
1個目が1番面白かった!5人目の人が亡くなっているというのが、横道世之介を思い出した…これが「普遍的」というやつか…