紙の本
藤原四子体制
2024/02/24 22:21
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作は時代背景やら情景描写やらが少ない感じだった。今作もそんな印象。
奈良時代に暗躍したとされる藤原四子が一枚岩ではないとして描かれる。会話が中心で進む。兵を動かす場面があるのに、そういった描写に動きを感じられない。
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藤原不比等の子供達の物語。
飛鳥時代を現代でも起こりうるような陰謀を題材に。
人を誅殺する、という部分を除いて、企業の企みに置き換えて読むと現代に通じてします。
とかくに1400年経とうが、人は変わらない、ということか。
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直木賞受賞おめでとうございます。馳古代史三部作の第二巻。不比等の息子四兄弟を主人公にしたのは新鮮で面白い。物語は権謀術数、陰謀まみれで、聖武天皇を筆頭に藤原ファミリーも志やヴィジョンがなく、ゲスい。組織ではなく人で、論理ではなく私情で歴史が動くのは日本らしい。ひたすらダークな権力抗争というのは馳星周らしいところか。ただ、みんなが天皇に対し「首様(おびとさま)」と名前で呼んでいたのは気になりました。
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馳星周さんの歴史小説で四神(東西南北の四方を守る神)の青龍(東)、白虎(西)、朱雀(南)、玄武(北)の四神を藤原四兄弟に重ねてのタイトルで興味を持って読む。
時は平安時代、飛鳥時代の藤原の鎌足を祖として一時力を落とした藤原家は、藤原不比等の力で朝廷内で力を付け復興を遂げるが、理想の継続的な繁栄の為、皇族との血縁繋がりを狙うも天皇輩出迄に至らず道半ばで四人の子供(武智麻呂、房前、宇合、麻呂)に託す。武智麻呂は中納言、房前は内大臣として若く継いだ首皇子を補佐する朝廷の重役として不比等の夢を継ぐ。首皇子の次なる世継ぎとし藤原の血を引く安宿媛に念願の男子が誕生する。4人は藤原家の世にすると言う共通の野心を持つが、其々の立場、性格での葛藤を抱えながら国の中枢で渦巻く謀略を進めて武智麻呂は、次期皇子候補で朝敵の左大臣-長屋王を陥れ自害させる。首皇子と安宿媛の念願の男子が疾病で亡くなり、藤原の策略にも暗雲が。。最後は、武智麻呂、房前、麻呂も次々に疾病で夢半ばで倒れる。
余り興味も知識も無かった、武士の世の前で朝廷が力を持っていた時代、武力とは違った調略戦で上り詰めようとする内容も中々面白く読めた。
何時も時代も皇室男系継承の重みを感じる、藤原一族は古い慣しを壊しながら一族ので永遠ので繁栄を夢見るが女系天皇迄はさすがに踏込なかったか?
世継ぎ問題のベースは。この時代から脈々と受け継がれていると思う。
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藤原四兄弟(房前を除く)と長屋王との暗闘に引き込まれた。天皇も含めて皆が人の業をこれでもかと見せてくれた。房前は愚かだが不憫でならない。
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前作「比ぶ者なき」にて藤原不比等はオンリーワンの活躍で、日本書紀の完成、娘と首皇子との婚姻を実現させた。しかし、藤原家の最終目標である天皇および日本の支配の道半ばで不比等の寿命は尽きる。残されたミッションは不比等の息子たち藤原4兄弟に託される。まず、彼らが目指すは妹、安宿媛を皇后にすることと産まれてくる皇子を天皇に即位させることだ。
4兄弟の味方は首皇子とその后となった妹の安宿媛。立ちはだかるのは皇族の長屋王。そして、敵にも味方にもなり得る不比等の妻であった橘三千代とその子葛城王。さらに4兄弟たちも一枚岩ではない。本書は古代奈良時代の王朝を舞台に、協力、陰謀、裏切りが繰り返される壮大な政治ドラマ。
4兄弟を含め、すべての登場人物が個性的で野心を隠し持っている。そんな複雑な人間関係を描きつつ、ストーリーは史実に忠実。完成度の高い納得の歴史小説だ。
今も昔も政治の世界は複雑だ。正義感や義理人情、向上心、情報力など様々な能力をバランス良く発揮することが求められる。藤原4兄弟はその能力で長屋王より勝っていた。そして、4兄弟にも優劣の差があることもしょうがない。
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皇族と藤原家。野心と野心がぶつかるとき、古代史上最大の闇が浮かび上がる。藤原不比等の四人の子がもたらすのは繁栄か、破滅か。
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藤原四子が主人公とはちょっと感慨深い…というか、長屋王を善玉、藤原氏を悪玉にする創作の影響がいままで強すぎた。
木本好信氏の著作にアイディアを得たらしく、武智麻呂と房前の間に確執がある設定。
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長屋王派(?)だった私には、とても新鮮でした。
藤原四兄弟をついつい一緒にまとめてしまって、長屋王の怨念で亡くなった方々位にしか思っていなかったのですが、不比等の血を受け継ぐものとしてのそれぞれの個性が丁寧な描写で描かれておりました。政を指揮する絶対的な存在の薄いこの数年は、疫病も流行りつらい時代だったのでしょう。色々思うことはあります。
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藤原不比等を取り上げた前作が面白かったので手にとってみたこれは不比等の息子たち武智麻呂、房前、宇合、麻呂の俗に言う藤原四兄弟の話。偉大な父親の遺志を継いで権力を掴んでいく過程を描いている。四兄弟の祖父にあたる中臣鎌足が蘇我氏を倒してくれたあとなので大物と言えるのは皇族たち、特に長屋王だけで彼といかに対峙しどう排除したのか、という物語。武士が主人公の歴史モノと違って貴族による闘いなのでどうしても陰険というか...腹のさぐりあいであったり讒言であったり、というじっとり感は拭えない。そこが面白い、と思える人であれば楽しめるのかな、という気はした。長屋王から藤原四兄弟~橘諸兄~恵美押勝~藤原氏の復権という権力闘争の流れだとかその前の時代、大化の改新と壬申の乱ではじまる飛鳥、奈良時代の歴史は実はかなりの激動でもっと掘り下げていくと楽しめるかな、という気がしている。ちょっと残念なのは主人公が4人いるような感じなのでちょっと散漫になったところと結末が少しバタバタと蓋閉められちゃった感じなところかな。
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前作よりも、さらに古代史のギラギラとしたざらつきを感じる。そして、この長屋王の死が旅人によって、令和という年号の背景へとつながっていくという『万葉ポピュリズムを斬る』(品田悦一)を重なっていくとなると。いろんな本を読む楽しさを実感。
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父・藤原不比等の遺志を継ぎ、4人の子らはこの国を掌中に収めると誓う。だが政の中心には不比等が恐れた長屋王が君臨していた。皇族と藤原家の壮絶な政争。
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面白い!
特に房前。
房前の後の物語を知っていると、より面白く思えます。
でもこれ、事実なんですよねぇ。
このあたりの歴史は読み応えあります。
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藤原不比等の息子四兄弟と長屋王との宮中陰謀話。ノワール小説のイメージの著者の時代小説。意外に淡々としてて、悪くはないけど、物足りなく感じてしまった。