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古川日出男著『おおきな森』読了。連載時に二年毎号追いかけて読んでいたので、実質二回目。この文量と物質としての重量は一気に読むと混乱する、混線する。
改めて読み返すと坂口安吾やガブリエル・ガルシア=マルケスやフリオ・コルタサルやホルヘ・ルイス・ボルヘスのラテン文学三人衆、現代の小説家である「私」の三つの世界が描かれていく。キーワードとして「銀河鉄道」「イーハトーブ」「満洲」「東北」「京」などが炸裂する。三の因果率のように三に関連する物語たち、広島に長崎に、そして落とされていたかもしれない三つ目の原爆、兄と妹の関係性が絡み合う。
満洲における七三一部隊も出てくるが、これは現在連載している『曼陀羅華X 2004』にも出てきている。『曼陀羅華』はオウム真理教について書かれているので七三一部隊の細菌兵器やペストについて触れているからだが、『おおきな森』に通じるものもいくつかある。
『おおきな森』の副読本としては『グスコーブドリの太陽系―宮沢賢治リサイタル&リミックス―』なんだろうなと思う。兄と妹なら『サウンドトラック』も浮かんでくるが、宮沢賢治という存在が、兄と妹が、東北が、通じているのがよくわかる。
読み終わってもなにかわからないものが残り、理解するためにはまた最初に戻り読み返さないと見えてこないのかもしれないみたいなイメージはたぶん、作中でも触れられているフリオ・コルタサル『石蹴り遊び』に近いのだろう。
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このところ宮沢賢治を中心に執筆活動している。
強引にすぎるプロットもここまでくれば、
文学となり得るのですか。共有できるのですか。
ぼぼ3日間に渡る異次元体験でした。
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古川日出男の最新作……は、超大作w
こんな分厚い本が出たらそれだけでも欲しくなってしまうもので、期待しながら買って、休日を潰した。一言で表現出来るような内容ではないが、休日を潰して読んだ甲斐はあった。腕は疲れたが……w
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僕には理解できない。だけども雰囲気は味わえたからそれでいい。あと、本棚に置いときたい。無性に。
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新聞の広告で目に入ったギガノベルの文字。そんな本があるの!ただそんな衝動だけで購入。4000円。
千一夜物語や宮沢賢治や坂口安吾やら好きな人たちが登場して運命を感じた。意地で読了したが……だれか解説して〜再読する気力はない…
切支丹や満州や731部隊やちょっと教養が増えたところがメリットだった。南米の文豪のことはさっぱり知識がなく繋がらなくて悔しい。
振男が鯨飲勝負するシーンが一番気に入りました。
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理解不可能だけれど、一大交響曲を左脳で聞いたという風に読み終えた。
銀河鉄道、百年の孤独、長崎の二十六聖人、満州、東北弁
ありとあらゆる興味深い事柄を編み込んでいって、坂口安吾も探偵家業をなしている。おおきな森に迷い込むというよりも余りの難解さに大海原にひとりぼっちでなげ出されたような気さえする。
あの車両の中で早々に溺死したのはこの私だったのかもしれない。
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広辞苑のように分厚い本。コロナ禍の自粛期間だったのでその厚さにニコニコして読み始めたが----挫折した。この著者の作品、『アラビアの夜の種族』を読了した時はすごく達成感があったのに、残念。
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面白い。
矢田津世子の話が出てきて、結構取材している。SF的でもあり、現代詩風でもある。
具体詩や実験小説の影響を節々に感じる作品。
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坂口安吾、宮沢賢治、ガブリエル・ガルシア=マルケス、ホルヘ・ルイス・ボルヘス、フリオ・コルタサル―――文学者たち、彼らの作品、それに満洲、植民地支配、戦争犯罪を巡る重厚な幻想小説。
4つもの異なった世界が重層的につながり、また円環を成す構成は難解で、しかも物語は最後まで閉じ切ることがないけれど、ひとりの人間の再生を示すラストはあたたかく、また、仄かな希望を感じさせる。
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まずこの分厚さにびびる
電車に乗ってる状態で展開するってのは、スノーピアサーみたいだなって思ったけど
そういう雰囲気ではなかった…
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めくるめく古川日出男ワールドがみっしり。
これを完全に理解して読み解くのは毎度のごとく私には無理だけど、それでも毎回ひきつけられて呆然とした心地で読み終わる。
それにしても今回のはリアル辞書サイズでさすがに笑った。
がんばったなあ(笑)