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みんなのレビュー3,315件

みんなの評価4.1

評価内訳

3,270 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

「不平等な平等」にどう対峙すべきかを考えさせられる、著者渾身のデビュー作。(2009年度本屋大賞受賞)

2010/05/13 10:42

12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

著者デビュー作にして2009年度本屋大賞受賞作である。

まず、本屋大賞とは書店員が「面白かった」、「売りたい」、「読んでもらいたい」と思った作品に投票して決定する賞だと聞いて驚いた。(わたしは文学賞をついての知識は持ち合わせていない。)

だって本作、後味はあまりよろしくないのだもの。

「面白い」か否かの判断は個々人の価値観によるものだからいいとして、「読んでもらいたい」作品として本書が挙げられたことが純粋に面白いな(興味深いな)、と思ったのだ。


物語の舞台は中学校。女性教師は終業式のホームルームで生徒たちに辞職を告げる。その数ヶ月前、シングルマザーである彼女は学校のプールで愛娘の愛美を亡くしていた。自身の監督不行届を認めた上で彼女は、生徒たちに対してこう言う―――
―――「(略)わたしが辞職を決意したのは愛美の死が原因です。しかし、もしも愛美の死が本当に事故であれば、悲しみを紛らわすためにも、そして自分の犯した罪を悔い改めるためにも、教員を続けていたと思います。ではなぜ辞職するのか?
 愛美は事故で死んだのではなく、このクラスの生徒に殺されたからです。」


全6章から成る物語は全て、独白形式で進行する。章ごとに独白者はひとり。各人物の独白に耳を傾けることで、愛美という少女の死の真相が少しずつ浮彫になってくる。

第一章は先にも引用した女性教師の独白だ。ホームルームで彼女は、娘を殺した犯人を暗にほのめかし、彼女なりの罰を与えたことを生徒たちに「告白」する。そしてその「告白」が原因で、クラスは不穏な空気に包まれることとなる。

事故として処理された愛娘に対する殺人。女性教師は裁きを法に委ねず、自ら下すことにした。それは決して許されることではない。それでも彼女はそれを決行した。その最たる理由は、犯人の年齢にある。

この世の中、ことあることごとに「平等」がうたわれるが、不思議なことに「完全なる平等」は時と場合によって疎まれる。平等が素晴らしいことであるならば、全て「完全に」平等にしてしまえばいいはずだ。しかしわたしたちの実社会に「完全なる平等」は馴染まない。

例えば所得税。完全なる平等を求めれば定額制にすべきだろう。しかしそれでは人によっては生存権を脅かされかねない。ならば定額制の税金額を極小にすればよいかというと、それでは国が潰れてしまう。

このように、わたしたちの世界は「不平等な平等」の上に成り立っている。そしてその「不平等な平等」は刑法においても用いられる。例えば心神喪失者は犯罪不成立となるし、心神耗弱者は刑が必ずに軽減される。そしてもうひとつ、刑法上の責任能力なしと定められる身分がある。それは14歳未満者だ。

辞職した女性教師が担任したクラスは中学一年生。スキップ(飛び級)が認められない日本では、中学一年生のクラスに14歳以上の者はいない。それは、愛娘を殺した生徒を警察に突き出しても科刑されないことを意味する。だからこそ彼女は自ら裁きを加えることを選んだ。しかも間接的な方法で。

なんて平等なひとなのだろう。彼女は刑事不可罰犯罪者に対して、完全なる平等を追究し続けた。しかし彼女がとった行動は許されることではない。とは言いながら、もしもわたし自身が彼女の立場に立たされたと仮定したら、その怒りを、その哀しみを、鎮める方法がわからない。

ネタばれになるから詳しくは書けないが、愛美の死亡事件も女性教師の復讐も、何かひとつ、たったひとつだけ違うことが起こっていたら、避けられたのではないだろうか。全てのことは紙一重―――そんなことを感じた作品だった。



注意:後味ははっきりいって良いものではありません。
   ハッピーエンドが好きな方は読まれないほうがよいかもしれません。

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紙の本

イヤミス

2024/01/16 00:31

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者: - この投稿者のレビュー一覧を見る

イヤミスの女王こと湊かなえさんのデビュー作。各章の語り手が違うことでいろいろな視点から事件を見られる。

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紙の本

少し怖いです

2018/06/04 15:35

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:てくちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

子供を殺された母親の気持ちがよく分かった。未成年の殺人について考えさせられました。

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2010/05/26 14:55

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2010/06/07 01:21

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2010/12/02 14:16

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2010/04/27 20:51

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2011/02/08 17:27

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2010/05/05 03:42

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2010/04/12 20:00

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2010/04/14 22:45

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2010/05/30 09:50

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2010/04/28 22:56

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2010/04/14 16:01

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2010/04/10 07:17

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