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エッセイって単行本になるほどまとめて読んだ事無かったけど、文章が優しくてスルスルと入ってきました。芸能人だし、私生活の中にもワクワクするネタになるような話がたくさんあるんだろうなと思って読んでいたけど、どこかネガティブでシュールで退廃的な日常ばかり。劇場の元になったであろう話は泣けるくらいキラキラしてたけど。読みながら面白いエピソードも無いよなと思ってた自分の人生を思い返して、なんやかんや百景で済まない日常があったなと思いました。色々思い出すきっかけになって良かった。
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又吉が東京で見てきた景色を、100のエピソードで紹介していく本。
現実にあったことを淡々と記しているのではなく、ときに妄想やイマジネーションを膨らませた描写を交えているので、情景がいきいきと頭の中に浮かんだ。さすがの表現力である。
2020年の文庫版にはあとがきで相方綾部への想いも綴られており、それが一番胸にささったかもしれない。
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東京の景色のなかにある思い出の数々。それらを自意識過剰を自認する又吉さんが面白く回顧したり、ときどき夢想に耽ったりと、どこから読んでも楽しい傑作エッセイ。
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エッセイの中に、ときおり小説のような一節があって楽しめた。恋人との話に切なくなり、魔界のタクシー運転手にニヤニヤしてました。
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くるりの『東京』という名曲がある 御託を並べる暇もない時代にバルチック戦隊を撃破した東郷平八郎が奉られるすぐ裏で 山王日枝神社 芝大門尾崎紅葉生誕の地 ザ・イエロー・モンキーは『バラ色の日々』を唄っていた 側溝そっこう 東京高円寺阿波踊り 勝鬨橋の憂鬱 ピースを結成して一番最初の営業は下落合にある外国人留学生の専門学校だった 三宿の世田谷公園 渋谷道玄坂ひゃつけんだな百軒店 杉並区馬橋公園の薄暮 村上春樹 三杉淳 村上淳 堀之内妙本寺 幡ヶ谷のサッカーグラウンド 目黒区立駒場公園 尾崎ほうさい放哉は根津神社で句会を開いていたらしい 千川の『湯けむりの里』 浜離宮恩賜庭園はまりきゅうおんしていえん 門前仲町の富岡八幡宮 正直に白状すると僕は西加奈子さんの突出した才能に以前から怯えていた 小金井公園の『江戸東京たてもの園』 市ヶ谷で有名なラーメン屋『くるり』 理想を語れるほどの活動が自分にできているのか? 池尻大橋の小さな部屋 さむえ作務衣を持参した ダイノジは大地おおち 便宜的な表現の挙げ足を取られているわけだから 「想像力が欠落した豚は黙っていろ!」という蛙跳びアッパーの如き暴言がある ここでいう「豚」とは人間社会で漫画的にデフォルメされきった知性の欠片、純粋性さえも見受けられない者に対して使う自負なりの素朴な暴言である。 銀座の老舗バー『ルパン』 中村文則 目黒区ひもんや碑文谷アピア40 竹原ピストル 淡島通り 芥川の描くスパークする刹那の輝きに強く惹かれる 湯島天神の瓦斯灯 湾岸スタジオの片隅 ネガティブもてかと称される栗原類くんだった 新宿五丁目の文壇バー『風花』 日本家屋かおく 寿ファンファーレ だが今は想念としてのピース、小片としてのピース、どちらの言霊も働いているように感じられる。 散歩しているとポエジーな気持ちになる。ポエジーと自虐的に言ってはみるけど、予防線を張る必要も無い。詩情を恥じることも無い。詩情をバカにしようとする自分だけを恥じることにしよう。過剰なセンチメンタルを笑う奴は、ナイーブな心をバカにする奴は、センチメンタルが生み出す攻撃力を、ナイーブが齎す激情を知らない。
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又吉さんの本、初読み。お笑いに疎く、どんな方なのかほぼ知らなかったが、この本でファンになった。小説ではなくエッセイから入ってしまった邪道な読者なのかもしれない。題名(太宰のオマージュ)の通り東京のあちらこちらでのエピソードが書かれているのだが、語り口のバリエーションが幅広く、またどの話も読みやすく面白く本当に文才のある方だと分かった(別に疑っていたわけではないけれど)。次は小説を読んでみたい。
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ピースの又吉先生のエッセイ集
東京に上京したての時期に感じたことを書き綴っており、東京という夢の舞台を追い求める煌びやかな功績...というのではなく、東京の影の部分であるとか、重苦しい思いもある中での現実的な日常が記しています。
たまに自分も似たような思いした気がすると感じながら読みました。
人によっては好き嫌いが現れる本だと思います。
東京には楽しい事しかないと思っている単純な高校生の頃の自分に勧めたいと思います。
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結構笑った。
なんだか最初はいけ好かないなあ〜なんて思ってたんだけどいつの間にか凄く好きになってた。
最後の編が凄かった。
最高にかっこよくて熱くてキマってたよ!
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東京の紹介だと思って読み始めた前半はあまり面白くなかった。でも読み進むに従い、地名はほとんどどうでもよく、その内容が心にしみるようになった。
後半に行くに従いそれが加速し、最後の98,99話はうれし涙と又吉さんの繊細さと優しさに心を打たれて涙し、100話はやっと東京らしい話で締めてくれたが、その後の付録は相方の綾部さんへの想いにあふれた文章でこれにも心を打たれました。この人の文章を読むと、気遣い、心遣いにあふれ過ぎていて、自分はなんて鈍感に毎日を過ごしているんだろうと思わされる。
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どこまで読んでも綾部さんの話あんま出てこんなあと思ったら、物凄い熱く誠実に彼のために書かれた言葉が最後の方に登場してて胸が熱くなった
芸人さんというのは一種の芸術家やなあと思った
ネタもひとつの表現か、すごいなあ
又吉さんの溢れ出る自意識、自分にも思い当たるものが沢山ありもっと又吉さんの文章に触れていたくなった
お遊びの文章なんかじゃない、生きた人間が血豆潰して書いたような、生きた証だと思う
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又吉さんらしい視点で語る東京。そこで生きる人々の人間臭さに安堵させられた。「通行人の魂を吸う遊び」が本気に…気持ちが伝わり共感しました。
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すごく面白かった。最初は自分が知ってる場所から読んでいた。そのあと前から順番に読んでいった。何回か声を出して笑ってしまった。東京の街の中で感じる孤独感や哀愁、でもその中で生まれる人との関わりやつながり。あと、妄想が好きな人には変な出来事が高頻度で降りかかるのかなと思った。なんてないこともそう見えてるということなのかもしれないけど。
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又吉さんの文章がとても好き。繊細で知性的で素敵だと思う
行間から滲み出るような哀愁がしっくりと心にくる
又吉さんの下積み時代の話から勇気をもらえた。
勝手な思い込みかもしれないが、憂鬱な文学青年っていう幻想的な生き方を生きてきた又吉さんは私のヒーローみたい
仕事お金マイハウス結婚老後問題等々現実的なことしか考えない大人たちに囲まれて苦しんでいる私のヒーローである
自分が面白いと思うことを命懸けてやるんだ。
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何気なく手に取った本だったので、こんなに笑えるとは思っていなかったです。私が好きな話は、12.原宿の呼び込み、40.橋本先輩、49.魂を吸う遊び、63.職務質問、66.天パ、79.天狗
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「池尻大橋の小さな部屋」と、最後の文庫版の書き下ろしで泣いてしまった。面白エピソードを散々披露してたくせに、途中で泣かせてくるのずるい。
『火花』『劇場』『人間』に出てくるキャラやその口癖・事件は、実体験なんだな。