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昨年のミステリランキング3冠達成。
那珂一兵シリーズ第2弾だが単独で読んでも大丈夫。
終戦直後、男女共学になった高校で推理研と映研が合同で一泊旅行へ出かける。しかしそこで密室殺人事件に巻き込まれ、さらに首切り殺人まで‥
なにより終戦による混乱と価値観の変遷、それに翻弄される人々が描かれた風俗小説として素晴らしい。タイトルや犯人が不可能犯罪を企てた動機もこの時代ならではのもので、なるほどと思ったが、トリックはちょっと浮いている気はする。
個人的には3冠というほど高評価ではないが、当時のリアルを知っている著者にはこのシリーズをどんどん書いてほしい。
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事件発生、探偵の登場、関係者が一同に介しての推理ショーとまさに王道すぎる推理小説。戦後の名古屋の空気感がとてもリアル。小説書くのに年齢は関係ないと思うけど、それでもやはり88歳の作品というのはそれだけで滲み出る成熟感がある。
私的にはタイトルの「たかが殺人じゃないか」という台詞を誰が吐くのかを楽しみに読んでいました。なのでこの台詞がちゃんと出てきたときは一安心してみたり。
そして最後の終わり方が遊び心があって良かった!
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2020.1.18
読了
時は戦後、昭和の名古屋。
時代のギャップがあるものの、
読み進めるにつれて引き込まれる。
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2つの殺人事件と青春小説って感じです。
途中で答えを考えさせるところがあってそこまでで解ける感じなのかな。
ちなみに分かった部分と分からなかった部分がありました。
面白かったし読みやすいのですが、時代が時代だからなので仕方が無いのですが口調などが昔の小説っぽかったり、説明が不足しているのか殺人現場の立体構造がイマイチ分かりにくかったです。あと、名前がニックネームと名字と名前がごっちゃで出てくるので誰が誰だったかなと悩みながら読んでました。
昭和12年の方は読んでなかったのですが、一応続編だったんですね。まぁ、そういうことがあったよ、とさらっと出てきただけなのでネタバレはありませんでしたが。
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昔の描写は素晴らしいんやろうけど
それが入り込めない要因だった、、、
ミステリーに関係ないであろうところを
飛ばし読みしてしまい、
ああ合わんのやなと実感
でもラストと伏線の回収は見事
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最後で声出た。
最高齢でのこのミス1位。タイトルも好きだなぁと思ったので早速読んでみました。
いやほんと、最後の最後で、「ああ!」ってめっちゃ声出たわ。そこはミステリ的なトリックというより、話の作りとしての仕掛けだったんだけど、いやほんと、うまい。きれい。好きです。最後の一行というわけではなかったけど、最後の部分を読むために代金を払った小説だった。理想的なパターン。
途中に読者への挑戦状じゃなくて質問状が入ってたけど、まあどうせ分からないので真面目に考えませんでした。ミステリとしてのトリックは、密室殺人のほうはけっこう好きですね。大掛かりで。家のつくりが全然想像できてなかったから思いもつかなかったけど。死体を上から転がすってのは好き。
解体殺人のほうはね、最初の生首が生首じゃあない可能性に気づけたら、提示されてない第三者が入り込まない限り犯人がしぼられるじゃん、たったひとりに。時間的にできたのがひとりだから。だからまあ、このひとだろうなってのは分かるんですよね。ただ、首以外をばらした理由がよく分からんなぁって。首だけをばらしたら気づかれるから?
あと、犯人が最後自分で探偵呼んで犯行を暴かせた理由もよく分からん。自白で十分じゃん? 凶器の位置まで告げればいいじゃん。いや、自白じゃだめだ、みたいなことは言ってたけどさ。探偵兼犯人だっていいじゃん。説得力に欠けるなって。
まあそれはそれとして、ほんとおもしろかったので、シリーズ一作目のほうも買って読んでみようと思います。
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昔、この著者はアニメの脚本やノベライズの方と思っていました。
その方が本格ミステリ。全然イケてます。
昭和24年という舞台設定も、この物語を構成するうえで必然ですね。
ひとつ、ドリアンって昭和24年にもう一般的だったのだろうか。
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『深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説』に続くシリーズ第2弾。
第1位『このミステリーがすごい! 2021年版』国内編
第1位〈週刊文春〉2020ミステリーベスト10 国内部門
第1位〈ハヤカワ・ミステリマガジン〉ミステリが読みたい! 国内
定価2200円+税というちょっと高めでしたので、躊躇していたのですが、中古を発見したので、購入。
シリーズ途中参加でしたが、色んな意味で予想外なことだらけでした。
まず、ストーリーの構成でした。てっきり殺人事件発生→解決→別の殺人事件発生→解決という形なのかと思いきや、解決編は最後に一気に披露していました。その前には、読者への挑戦状のような提示もしていて、推理小説ならではの醍醐味を感じました。
また、てっきり学生達が推理していくのかと思いきや、那珂一兵というチョイ脇役だと思っていた人が、名推理を発揮していくので、予想外でした。
ストーリーとしても犯人が予想外なことや殺人のトリックも実現できるかはさておき、予想外な発想があり、面白かったです。80歳以上の作家さんですが、まだまだ元気だということを見せつけられました。
一応、学生達をメインにしているので、青春ミステリー小説でしたが、爽やかさとは違い、硬派な文章で、昔(昭和)の空気感を感じさせました。作者自身が生きてきた激動の昭和を参考にその時代について、詳細に描かれていて、印象深かったです。
殺人を含め、題名の意味に込められた背景として、昭和の時代に起きた戦争が含まれています。今とは異なった思想や激動の時代に生きた人々の姿を読んでみて、より物語に深みが増していました。
冒頭と最後の文章では、ある仕掛けもされていて、読み終わった後も最初に戻りたくなる気持ちにさせてくれました。
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昭和24年、戦争が終わり男女共学が施行された時代。その中で起こる事件を描いた青春ミステリ。
今の時代に生きる人にとっては遠くなってしまったこの時代の雰囲気が余すところなく描かれている印象です。今なら当たり前に思えることがそうでなかったり、その逆もあったり。それでも好きなものに関して嬉々としてしまう学生たちの姿はいつの時代でも変わらないのかな。彼らの姿は見ていて微笑ましくなります。巴先生も実にカッコいい!
事件の謎、様々に仕込まれたトリックも印象的だけれど。それ以上に動機の部分が深いなあ。タイトルの意味もずんと重くのしかかりました。なるほど、これはこの時代のこのタイミングであったからこそ起こりえた事件なのですね。そして悲しい事件ではあったのだけれど、結末部分のあの遊び心溢れる部分にはほっとさせられました。あの趣向は実に素敵。
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ミステリランキング3冠。88歳で史上最高齢での受賞作。バイデン大統領より10歳も年上!
作者の辻真先さんというと、私の年代だと鉄腕アトムなどのアニメの脚本家のイメージがある。1932年に名古屋生まれる。ということで、作中の高校生(新制)たちと同じ。当時の名古屋の様子とか新制高校の雰囲気などは、自身の体験を元に書いているのだろう。
本書は那珂一兵が探偵役を務める<昭和ミステリー>シリーズの第2作なのだが、第1作の「深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説」を読みたくなった。登場人物が重複しているらしい。今月文庫版が出るとのこと。
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年間ランキングトップ総なめの本作。いろいろな仕掛けがあるんだけれど。メタ的な仕掛けが一番響いた。とにかく昭和な一冊。
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戦後の様子、学校な雰囲気は良く分かりました。それも名古屋周辺の見知った地名も親近感。少し古色蒼然っぽい感じでした。評判ほどではないかもしれせん。
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このミスで1位になってたから読んでみた。
昭和の終戦直後であることをもっと意味を持たせて欲しかった。
色々その当時の常識など知らないことを知れたのは良かったかなぁ。
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ミステリー3冠に惹かれて読んだが、期待が大きかった分評価が低くなったかもしれない。戦後間もない頃の情景や世情が目の前に広がる見事さは、さすがだと思う。女性が苦難に身を投じなくてはならない状況は、昔読んだ武者小路実篤の小説を思い出した。二つの殺人事件の謎解きのうち、どのように行われたかについてはちょっと無理っぽさを感じたが、なぜの部分は、時代背景も含め違和感はない。登場人物たちは、皆個性が強いが、特に、メインの高校生たちは、この時代にこんなに芯が強くて考え方も進んだ少年少女もいたんだと思わせるキャラクターだった。
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ループ的な展開は初めてで、うならされました。でも、ミステリーそのものは単純かなあ。ほかに誰もいないじゃん、とすぐ思えてしまうし。それよりも戦後日本の学生生活を紹介する方が主体であるかのようです。詳しく説明されてるし、彼らの高校生活も生き生きとして快活に見えますが、終戦後たった四年でこんなにあっけらかんとするものか、その点では疑問が残りました。中部地方出身のため、出てくる地名が聞き馴染みのあるものばかり。位置関係が容易にイメージできたのは良かったです。