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「手を挙げて」「あのひとの娘」「まだまだ、」「晴れた日に生まれたこども」「なつかしいひと」「ヒロミの旦那のやさおとこ」収載。
「スコーレNo.4」のスピンオフ3作品を含む短編集。
宮下さんの作品の登場人物は、何かをきわめようとひたむきに追い求める人が多い気がします。
少し痛々しい……
もっと肩の力を抜いていいのよ。
私も、「まだまだ、」の津川紗英を、3年にひとりくらいの割合で毛嫌いするタイプの人間です。
悪意を直接向けはしないけれども、決して近づかない。
いつもニコニコしている人、心の底では何を考えているのか分からないから。
……ひねくれている。
でも、無理なものは無理です(TT)
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「スコーレNo.4」と地続きの物語も含む、6編。
『まだまだ、』が好きかな。スコーレの麻子・七葉姉妹のさらに下の妹、紗英の話。
「まだまだですよ~」なんて、自分について言うとき、私はどんな心もちだろうか?まぁ大体は本当に「まだまだ他の人や理想には追い付かない」という気持ちなんだけど、確かに謙遜も入っているかもしれない。また、たとえ向上しつつあることだったとしても、「良くなってきてますよ」なんて、自分ではなかなか言えない。たぶん、反射のように「まだまだ」と言うだろう。深い意味なんてなくて。
そこへいくと朝倉くんと紗英の「まだまだ」のまっすぐさはいいなあと思う。「思うように」「あたしの花」を探して迷う姿もなんだか身に覚えがあって、頷いてしまう。
子どもも、大人も、迷うんだよなー。どっちに行ったらいいの?この道で合っている?って。でもこの本の中で登場人物たちが会話を重ねるうちに、花開く道の先が見えてくるような感じがする。
ふとした場面が像を結んで頭に残る。
「行く?」に、ううん、とは答えず「行かない?」に、うん、で答えるずるい祐介。
もう好きじゃない男子の第二ボタンをもぎ取ってきてくれた友人に、「ありがと」と言えるみよっちゃん。
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スコーレno.4のスピンオフも含まれる、短編集。
どの話も宮下さんらしさがつまってて、誰にでもあるだろう人のゆらぎを、上手に言語化してあって、うまいなぁと思います。最後の話が好きでした。
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【いちぶん】
大事なことには出会い続ける。たぶん、四十になっても五十になっても、出会うんだろう。だけど、若い頃に出会った大事が人生を決めてしまう。幼い胸に刻まれた大事に従って、ひとは生きていくんだと思う。
(p.63)
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6つの短編からなる。NHKラジオの「ラジオ文芸館」でも扱われた「なつかしいひと」が、一番のおすすめ。
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短編集。「手を挙げて」「あのひとの娘」「まだまだ、」「晴れた日に生まれたこども」「なつかしいひと」「ヒロミの旦那のやさおとこ」の6篇。
最初の三篇は宮下さんの初期代表作『スコーレNo.4』のスピンオフ短編。『スコーレNo.4』は2年前に読み高い評価もしてるのだけど、何故か内容はすっかり忘れていて、スピンオフであることさえ気付きませんでした(苦笑)。
個人的には後半の作品が好みです。
重松清さんの作品がチョコチョコ登場し、何となくストーリー自体も重松さん的な感じがする「なつかしいひと」
そして「ヒロミの旦那のやさおとこ」。主人公・美波の高校時代からの友人・みよっちゃんとみんなからドラと呼ばれる豪快な女友達ヒロミ。そしてライオンの様にのっしのしと歩くヒロミが好きだと言うやさおとこの旦那。登場人物の人物像が見事で、それだけで嬉しくなってしまいます。伊藤沙莉さんあたりにヒロミ役をやってもらえば良いドラマが出来そうな気がします。
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働く女性や女子生徒の心情が丁寧に描写されていて、男だけど共感できる部分があるので、面白かったです。
「なつかしいひと」が一番印象に残りました。
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優しい気持ちになれる短編6編。随所にニヤニヤしちゃう表現が散りばめられ、ほっこりします。前半3編が『スコーレNo.4』のスピンオフ作品。後半3編では“なつかしいひと”が好みかな。薦めちゃうんだ重松作品(笑) 特別じゃなくとも生きて行ける。
「だからさ、こっちが前でいいんだよ、たぶん」
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解説でも紹介されている登場人物のセリフや脳内セリフが良かった
こんなこと考えられるんだっていう驚き。
SFや技術書では味合わえないような感覚が良い。
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繊細な心理描写がたまらない。
本屋さんでいつも会う女の子。
重松清さんの本をお勧めしてくる。学生らしい選択でほほえましい。
名前を聞くのがやっと、そんな若い心の揺れも楽しい。
後半の家出事件はなかなかのハプニングで、ドラマ化できそう。
とはいっても、こちらは昨今の笑っちゃうほどの大雪にこちらは見舞われ、本を読むゆとりがなく、読書は細切れになってしまいました。後でもう一度読み返したいです。
なんと歩道両側の雪の高さが私の身長を超え、そうなると景色が変わるのね。な~んにも見えないです。みえるのは雪をまとった白樺並木と月明かり。ああ、静かで、そして、きれいだ。たま~になら、こんな日々があってもいい。(←これはわたしのメモ)
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知らなくて続編から読んでしまうことがあるが、今回もそう。最初の三編は『スコーレNo.4』のスピンオフ。津川家のことを知らなくても充分面白かったが、紗英や2人の姉が抱えてきた心の揺れを先に知ってから味わいたかった。
後半の「晴れた日に生まれたこども」「なつかしいひと」「ヒロミの旦那のやさおとこ」の中では「なつかしいひと」「ヒロミ」「晴れた日に」の順に好き。
「晴れた日」の彦と祐介、コーはこれからも振り回されそう。
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短編集なので、今の生活には読みやすかった。
「なつかしいひと」で思わず泣いてしまいそうだった。鼻がツーーーンとした。
重松清さんがでてくるのもいい。物語に深みを感じてしまった。
最後のドラなんて、クスッと笑ってしまうところもあり、何て魅力的☆って思ってしまった。
どの話もほのかに温かみがあって良かった。
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問題を抱えた少年少女の生き方を描いた6つの短編集。最近の宮下奈都は言葉を捏ね繰り回した表現が多くなり文章に勢いが失くなってきたような気がする。宮下奈都って重松清のファンなの?
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日常の見方に変化を与えてくれる一文
型があるからこそ助けられる
→人と同じようなこと、自分じゃなくてもできること、やる意味がないと思ってしまうけど、日常化する事で自分自身が助けられる、型があるからこそ発展もある
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・この人は、断るのが得意ではない。断るのは失礼なことだと思っている。そうして、その失礼なことを自分にさせようとした相手を、もっと失礼だと恨むのだ。