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最初に出会うべき法律入門書
法律の入門書と称するものが書店の棚に数多り、単なる法律概説書や法律を面白おかしく解説した類書の有る中で、本書の白眉たる所以は、司法予備校の教壇に立ち高い合格率を誇る実績は勿論であるが、法律を人間が生み出した道具としてその約束事の理解により、何ら恐れることの無い使いこなしの作法を教授することに成功していることにある。
法律に興味を持ちながらも適切な入門テキストに出会わなかった方、個別の法律に係わる事象を抱えている方の第一のテキストとしてお勧めできる。
自称法律専門家の世迷言の解毒剤としても有効である。
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090216購入。090308読了。
法律の知識と実践との間にできた隙間を埋める技術
<法律的な論理の組み立て方>
?結論から考える
?条文から考える
【リーガルマインド】
事件処理に当たって重要なこと→『妥当な結論』
正義・公平・基準の明確性
<反対利益の考慮>
自分の出した結論の検証・補強
<筋道が通っていること>
結論の根拠
・法曹は常識人でなければならない
【事件解決の手順】
?請求の確認?事実の調査?適用条文の決定
・無理な条文解釈の前に、事実認定を工夫する
・複数の制度の適用関係が問題になる場合、パターン分類
・理由付けは「実質的なもの(社会通念や一般常識に基づく)」と「形式的なもの(条文の趣旨から導く)」の2つの観点からする
・形式的な理由がつけにくい場合、また例外を認める場合は?同じような繻子に基づいて制定された法を使う?法全体がめざす方向性を示す?必要性(利益の確保)と許容性(弊害の防止)
大学の授業でこれに似たようなことはやった。参考書より本書の方がだいぶ噛み砕いてあったが、この本自体の文章が読みにくいのが気にかかった。
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法律学を学ぶ上で学び方の指針になる本です。
大学の法学部に入学したらまず手元に置いて読んでほしい本です。もっと早くこの本に出合えればよかった。
法律はなぜ必要かといった根本的なテーマから、法律の論文の書き方、法曹とは・法曹と学者との違い(p94~)など知っておくべき考え方がとてもわかりやすく書かれています。
リーガルマインドを身につけることで説得や交渉の場面でも役に立つということが実感できました。法学を理解するためには法学だけでなく、広く社会に関わる知識(p220)が必要なことを改めて感じました。社会経験を積んでからこそ学べる法律もあるのだと思われます。楽しみです。
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大学等の法学教育ではなかなか教えてくれない、法律による事件解決の方法、すなわち「法律の使い方」を学ぶための本。法律の知識と実践との間にできたすき間を埋める技術・知恵を解説。法律を実際に使う上での、いわば暗黙知のような基本となる法的な考え方を学べる良書。
解釈は必要がなければしない、まずは妥当な結論から考えるといった考え方が、目から鱗だった。