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一見すると二者択一に受け取ってしまうことも、しっかり考えれば両立するということ、独裁者はそういうことを言いがちで、そして言いなりになってはいけないこと、とにかく協力して情報を共有することを学んだ。
そのためには、安易に敵を作るのではなく、新型コロナウイルスが共通の敵であることを切り返し認識することが必要だと思う。
ふだんの生活でもそうで、簡単にいがみあうのではなく、なるべく共通の目的を見つけて協力すること、二者択一も疑ってかかることが必要。
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新型コロナウイルス感染症がもたらした危機を語る書籍。この危機に対して人類社会は全体主義的な監視か、国民の権利拡大かという岐路に立っている。
感染拡大防止のためには監視と処罰を強化するよりも、信頼できる科学的な事実を国民にしっかり伝える方が有効である。警察が監視しているから、人々は石鹸で手を洗う訳ではない。手からウイルスや細菌を取り除けると理解しているから、人々は手を洗う。21世紀に感染症で亡くなる人の数は、石器時代以降のどの時期と比べても少ない。病原体に対して人間が持っている最善の防衛手段が、隔離ではなく情報であるためである。
本書は「緊急事態ではプライバシーよりも健康を優先すべき」との議論には賛成しない。そもそもプライバシーか健康かという問題設定が間違っている。私達は両方とも享受できるし、また享受してしかるべきと主張する。これは安易に全体主義に流れやすい日本社会にとって特に重要である。日本では右翼は「滅私奉公」、左翼は「一人は皆のために」とどちらも全体主義的傾向があるためである。
本書は新型コロナウイルスの拡大によっても死生観の現代的傾向が変わらないと指摘する。前近代社会は死を受け入れるものとして、宗教家などが死に特別な意味を与えてきた。しかし、科学技術の発達によって死は神の定めではなく、技術的な問題になった。近代以降に生まれた自由主義や社会主義、フェミニズムのようなイデオロギーは、死後の世界への関心を持っていない。死の意味を強調する思想は、国に命を捧げることを称賛するナショナリズムくらいとする。
不思議なことに日本社会では終活やリビングウィルなど死を速やかに受け入れる方向への誘因が強い。欧米先進国の動きに逆行し、前近代に先祖帰りしているのか。現代で死の意味を強調する思想はナショナリズムくらいとの著者の分析に従うならば、日本でナショナリズムを強化したい動きが出ているのか。
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「タイム」誌、「フィナンシャル・タイムズ」誌、「ザ・ガーディアン」誌への寄稿と、NHKのETV特集のインタビュー。
コロナ禍について多面的、多角的に考えられている。
サピエンス全史で人類の歴史を綴られてきて、今まさに歴史の1ページにいるんだなぁと思う。
コロナなど感染症の事実は同じでも、対応次第でこれからの状況が変わっていくんだな。コロナに対抗すべく各国信頼しあい、立ち向かっていけるだろうか。
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いまから振り返れば2020年3月ならびに4月時点で「未知のウィルス」に対するInsightとしてハラリ氏のインタビューは特筆すべきものがある。Post COVID-19の世界を冷静かつ的確に見詰める頭脳レベルの高さが窺える。他方で理想論を唱えるあまり実現性と具体性に欠ける面も否めない。理想なくして実現なしではあるが。暗に(明に?)トランプ大統領を批判しているが、米国が「世界の警察」を名乗るのが良いのかは多分に疑問(COVID-19対応では恐ろしく悪手続きだったがトランプ大統領の在任中に戦争が起こらなかったのは事実だ)。
それはそれとして、有事は緊急の名のもとパラダイムシフトが起こりやすくニューノーマルが定着する一方で、プディング令のような有名無実むしろ悪制も残りやすいのは事実。ハラリ氏の言うように、ニューテクノロジーを脅威として排除するのではなく、国際間で連携し民衆が自らの意思でチェックすることが大切だろう。
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<目次>
序文
人類は新型コロナウイルスといかに闘うべきか
~今こそグローバルな信頼と団結を
コロナ後の世界
~今行う選択が今後長く続く変化を私たちにもたらす
死に対する私たちの態度は変わるか?
~私たちは正しく考えるだろう
緊急インタビュー、パンデミックが変える世界
P30この大流行からより緊密な国際協力が生じれば~
P85監視システム~緊急事態が去ったあとも消えない
P86皮膚の内側で起こっていること~情報を収集する
システムの導入
このあとを想像することはできるが、予言することは
できない。しかし、正しく想像することは大切だと思う
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コロナ禍により、私達の生活は大きな変化を経験している。
コロナが収束した後も、もはやもとの生活に戻るとはなく、新たな生活様式が確立されるとよく言われる。
反グローバーリズム、フェイクニュースの反乱、監視社会、気まぐれな指導者の出現・・。心配になる状況が次々に現れるが、本書を読むと未来に希望が持てる。
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孤立ではなく、互いの信頼と協力と団結
ナショナリズムに基づく孤立ではなく、グローバルに基づく団結を
正しい情報を選ぶこと
私たちが直面している最大の危険はウイルスではなく、人類がうちに抱えた魔物たち、すなわち憎悪て強欲と無知
今後の選択次第で世界は良くも悪くも変えることができる。
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大きな視点からコロナウイルスに立ち向かう読み応えのある提言です。
世界規模で協力して早急にコロナウイルスを封じ込めることが必要。
でないと何処かで変異した強毒なウイルスが世界中に拡散しかねない。
印象に残った文章
⒈ イラン人や中国人により良い医療を提供すれば、イスラエル人やアメリカ人を感染症から守る役に立つ。
⒉ 重大な分岐点ー「皮下」監視
⒊ 緊急事態の一時的な措置は後まで続く
⒋ 平均寿命は過去200年間に、全世界では40年未満から72年へ、一部の先進国では80年超へと跳ね上がった。
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国際的協力の面に関しては確かにそうであるが
過剰な介入による途上国への搾取の問題が
今後浮き彫りになってくるのかなと思った
コロナ禍で立ち止まって目を向けることもなかったが、私たちが提供している個人情報の幅は気付かぬうちに生体的情報まで拡がってきているのかと認識された。
コロナによってあらゆる領域において
変化の局面に立たされていると思っているが、
個人の監視の面では本当に大きな分岐点に
立たされていることをこころに留めておきたい
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コロナ後の世界をより良くするためのは、グローバルな連帯、民主的な責任の負担、科学への信用が大事、との指摘は腹落ちする。
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何より大事なことはこの危機を乗り越えたときに私たちはどのように行動するのか。というセリフに心打たれました。
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本書において、コロナ禍における感染防止の観点から、ジョージ・オーウェルの「1984年」のビックブラザーを彷彿とさせる監視社会が成立することを危惧している内容が面白かった。国際協調の必要性を主に説いていたが、具体的にどうするべきかについて、あまり言及していなかったことが残念。本書の構成が新聞の寄稿文やインタビューをまとめたものなので仕方がない気がするが、「サピエンス全史」が面白かった分、期待が大きかった。
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図書館の分類では公衆衛生となっていましたが、これはコロナ後の世界をも見据えた提言と考え自分は社会というジャンル分けにしました。
2020年4月の緊急インタビューはリアルタイムで見ており感染拡大への危機感を募らせていましたが、今現在から約一年前を振り返ると著者が懸念していたことが実際に今起きていることに震撼します。
そして、このパンデミックが収束したあとの世界のことまで今よくよく注視していかないと世界はより厳しいものになっていくという、感染拡大とはまた違う危機感を強く持ちました。
ワクチンが普及しつつある現在から、この提言はより一層重い意義を持つのではないかと感じます。
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グローバリズム過ぎもナショナリズム過ぎも良くないんですね。監視社会の説明がわかりやすかったです。オードリータンさんの本でも言っていましたが、中立性、独立性、透明性が重要なんですね。政治家の方がもっと理解していってほしいです。でもパンデミックを終わりにするだけが目的ではない、という落とし込みがよかったです。
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本書の出版は2020年10月で、本書を読んだのは2021年6月だったが、このタイミングで読んでも今出版されたかのような真新しさを感じた。
必要なのは国際的な強調で、ナショナリズムに走ってはいけないと感じた。人類全体で、コロナに打ち勝つにはどう行動すればいいか考えていきたい。
グローバルな今、世界中で情報共有は非常に重要なのだと感じた。