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主人公の立花だけで進むのかと思ったら、色んな中年が出てきて、暗い話からちょっと良くなって、集まって。最後は中年ズが新しい門出に立つ。
今はちょっとついてないだけなんだなって、そう思う作品でした。少し落ち込んでる人も優しい気持ちになれる気がします。
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一度人生に躓いた中年世代の男女が、場末の貧乏シェアハウスから再起を掛けた敗者復活戦に挑む連作短編集。実は色々恵まれている主人公の立花に落ちぶれた印象が希薄だったり、チャンスが割と簡単に訪れる辺り(苦労する描写が絶対的に少ない弊害)は予定調和の世界ゆえ、中々感情移入し難いが、就労問題や新型ビジネス等の時事テーマを織り交ぜ、中年世代の悲哀や展望を巧みに描いている。立花と宮川、二人が展望台で会話するラストシーンは第一話の冒頭にもリンクしており、実に感動的。しかし、宮川氏は序盤と終盤で全く別人の様な変貌ぶりだ…。
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40代からの敗者復活戦。バブルの頃にネイチャリングフォトグラファとして活躍した立花浩樹は、家族と別れて家を飛び出した宮川とシェアハウスで住み、再び写真の仕事を始める。
40代。いろいろあるさと言うのが感想です。仕事で言えば、重要な仕事を任されたり、家族を持ったり、子供がいたり。何て言うのは、当たり前のことではなくて、とても素敵なこと。家族もなく、仕事もあやふやで、明日からの生き方も分からなくて。そんなひともいるし、いて良いと思う。でも孤独なのは寂しい。
立花はパートナーの借金を返して、仕事も黙々と頑張って、目の前のことにキチンと向き合ってきたからこそ、それが財産として多くのひとの心に残っている。自分のように何もない40代なら、余計にそこから頑張るしかないし、愚痴ってもはじまらない。頑張れ同世代という気持ちになれまして。
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なにかに行き詰まってる人たちの連作集。過去を思い今の自分に感じる痛み。立ち止まって振り返り今を受け入れることで見えてくるもの。出会った人との縁とかそういうものを大切にする事で何か少しでも変わるような、今はついてないだけって思えるくらいになればまた進めるんじゃないかと思わせてくれるような作品。先は長くても今大丈夫って思えることの喜びや感謝が込み上げてくる。
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バブル期に注目を浴びた青年が、バブル崩壊で借金を背負い、返済が終わると40代になっていた。
そこから人生を取り戻すお話。
伊吹有喜さんのお話は、悩める中年がもがいて、新しく再生する感じでら元気をもらえます。
今回はアウトドアのシーンがあって、外で淹れたコーヒーが飲みたくなりました。
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バブル期にもてはやされた男性の敗者復活戦というのはちょっと違うかも。
だって、所属事務所に負わされた借金を自己破産することなく、運送の仕事等をコツコツとこなして返済した後、自分が、いかに人物を撮影することが好きだったかを思い出し、人の心に触れる撮影のできる彼は、とても興味深く魅力的な人物。
彼と彼と縁ができた人達の再出発のお話。
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バブル時代に持て囃された後、ブームが過ぎると忘れ去られ、ふとしたことから多額の借金を背負わされて、それを返済しつつ40代を迎えたカメラマン・浩樹の「人生の敗者復活戦」がテーマの、伊吹有喜さんによるハートフル物語。ストーリーが進んでいくごとに浩樹の周りには一人一人と仲間が増えていく、初対面の出会いが最悪だが時がたつにつれて仲良くなっていくパターンもあり、社会人になって10・20年経ち、酸いも甘いも知り尽くした30代・40代の人には「あるある」要素満載でオススメの一冊。
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中年の主人公たちがうまくいかない人生を感じながらも、過去を生かして再起していこうとするお話。読みやすい。
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虚像だったのか、本人が気づかない力を周囲が少し大きくしていただけなのか?
自分は本当は何ができるのか。
確かに若い頃は、何も理解できてなかった。
今なら理解できるのといえば、やはりわからない。
ただ、まわりにいる人に支えられながら、生きている。
そう思えば、いつでもワイルドカードはあるのかもしれない。
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中年世代の男女の、仕事や生活の話。挫折もあるが、「今はちょっと、ついてないだけ」。
2020/7/12
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読み始めは「いつも読んでるミステリやサスペンスと違ってほのぼのしていて、たまにはこういう小説もいいか」ぐらいのノリで読んでいたが、途中から身につまされる感じがして引き込まれて読んだ。
生き方に不器用で躓いてばっかりの中年男女が出てくるが、自分の好きなように、地味でも自分なりに生きていけばいいのだと教えられた。
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9月-8。3.0点。
20代前半、写真家としてドキュメンタリーに出演していた主人公、挫折があり中年に。
あるきっかけで、写真を再開することに。
その他、挫折した中年やら、女性やら、芸能人たちが集まってくる。
さらりと読みやすい。元気をもらえる。
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若い時に人気番組の主人公に担ぎ出され、一世を風靡したものの、その後苦労の連続、写真家として活動を始めた主人公と、その周りの人々の物語。
登場人物はそれぞれ辛い人生、辛い毎日を送っています。それが、ふとしたきっかけで気付きを得、新しい一歩を踏み出していきます。
いずれも前向きになれる話なので、そんなに重たい気持ちにならずに読めました。ふとしたきっかけもそんなに特別なきっかけではない、身近な出来事のように感じました。
ただ、主人公とどこかで関わりがあるとはいえ、各話はそれぞれの登場人物が中心となる話でしたので、読んでいる時はこれは短編小説集か?と思いました。
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出張前にペットのうさぎ(名前:小鉄)をペットホテルに預けた帰りにフラッと立ち寄った本屋さんで購入。「今はちょっと、ついてないだけ」と言うタイトルにひどく惹かれた。だって、今、私がまさにそれだから。
内容はバブル期に活躍した冒険家兼写真家の男が、他人に背負わされた借金を返し終わり、自分はやはり写真が好きだと気が付く。その男を含む「今はちょっと、ついていない」人達がそれぞれ再出発する話。
無駄に気張って力を入れて頑張るより、力を抜いてリラックスして、考え過ぎないようにした方が自分の人生、上手く行くのかも?なんて思ってしまった。
ちょっと、ついていないなあ。と思った時に読みたいと思った。
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入院している母親と同室の婦人の依頼で、久しぶりに写真撮影をすることになった立花浩樹。彼はバブルの頃、自然写真家として人気になる。しかし、バブルの終焉と共に忘れ去られ、所属事務所に多額の借金を負わされた。その借金を返すため、カメラを捨て、ただ働くだけの毎日。
そんな立花が活躍していたころを知っていた、その婦人の息子 宮川は立花にキツイ言葉を投げ掛ける。
でも、その立花が撮影した母親の写真がきっかけで、物語は走り出す。
リストラされ離婚することになった立花。同じようにリストラの対象になった瀬戸。婚約破棄された佐山。昔は売れていた芸人会田。
「ちょっとついないだけ」の「ちょっと」が不要なほどに「ついていない」人たちが、ふとしたことがきっかけで立花を中心にして仕事で繋がる。
そして、「ついていない時間は、抜けたようです」と言えるように。その過程がとてもよくて、読後感の気持ちよかったこと!
挫折したり、上手くいかないことが立て続けに起こったりして、投げやりになったり、気力を失いかけたり、放り出したりしたくなることって、生きていれば、大なり小なりあると思います。
それでも、あきらめずに踏ん張ってこられたのは、やはり支えてくれる人がいたから。
昨日までは全く見も知らなかった人と、何かの巡り合わせで知り合い、それが人生に大きな変化を及ぼすことがあります。
そんな人と人との出逢いによって、変えられていく人たちがとても素適に描かれています。