紙の本
ヨーロッパに伝わる神話や伝説を読み解きながら、音楽家ワーグナーの「ニーベルングの指輪」の主人公ジークフリートの人間像を解き明かしてくれる一冊です!
2020/03/13 09:43
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、多くの音楽ファンを魅了するワーグナーの「ニーベルングの指輪」の主人公であるジークフリートについて、古代の歴史書などをもとにして、その素顔を追った画期的な書です。著者によれば、ジークフリートは、古代ゲルマンの英雄伝説や北欧の神話などに登場してくる人物と非常に深い関係があるようだと言います。したがって、こうした伝説や神話を読み解くことで、ジークフリートの人間像を読み解きながら、同時にドイツ文化の特質とその精神の核心に迫ることができっるとも述べられています。同書の内容は、「第1章 ニーベルンゲン伝説の生成」、「第2章 北欧への伝承」、「第3章 ドイツ中世英雄叙事詩<ニーベルンゲンの歌>」、「第4章 新しいタイプの伝承」、「第5章 ドイツ・ロマン派による伝承」、「第6章 19世紀における戯曲作品」、「第7章 ワーグナーの楽劇<ニーベルングの指環>4部作」、「第8章 20世紀のジークフリート伝説」、「結び ジークフリート伝説の系譜」となっており、読者の興味をそそります!
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ワグナー楽劇が中心なのかと思いきやさにあらず。売る為につけた副題と思われる。前作『「ニーベルンゲン」の歌を読む』と合わせて読めば視野も広がる。重複もあるが戯曲についてはこちらが詳しい。
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ジークフリート伝説・・・・・と一口に言っても登場人物だけは同じでも、少しずつお話が違ったり、人の名前もちょっとだけ違ったり、有名なジークフリートの暗殺の場面がベッドの上だったり森の中だったりと色々ヴァリエーション(?)があるんですよね~。 KiKi が最初に出会った「ジークフリートの物語」は恐らく岩波少年文庫の「ニーベルンゲンの宝」だったんじゃないかと思うんだけど、「ニーベルンゲンの歌」はともかくとしてその後色々な本を読んでいく中で「ジークフリートの物語」が出てくるたびに「あれ? これは KiKi の知っているジークフリートの物語と少し違う・・・・・??」と感じることも多かったし、ましてやもっとず~っと後に接することになった「ワーグナーのリング」では人の役割自体が大幅に変わっちゃっていたりするんですよね~。 で、KiKi の老後の暇つぶしテーマの1つにこの「ニーベルンゲン伝説の変遷をたどってみる」というものがあったりするわけです。
で、この KiKi の老後の暇つぶしのテーマにもっとず~っと真剣に取り組んでいらっしゃるらしいのがこの本の著者、石川栄作徳島大学教授です。 ドイツ語ができない KiKi に変わって(?)、原典を色々と研究された成果をこの本ともう1冊の「『ニーベルンゲンの歌』を読む(講談社学術文庫)」にまとめられていらっしゃいます。 ま、この2冊以外にこの石川先生は「ニーベルンゲンの歌 構成と内容(郁文堂)」という本も出していらっしゃるようなのですが、こちらはちょっとお高め・・・・なので KiKi は未だに入手できていないし、読んでもいません。 せっかくだから学術文庫でこちらも出していただきたいものです>講談社さん。
(全文はブログにて)
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副題にもあるとおり、ワーグナーが中心ですが、ジークフリート伝承についての流れと、それぞれの概要、解説、比較と非情に充実しています。
現代のジークフリートの作品についても紹介されていて嬉しいです。
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勉強中なのであまり専門的な評価はできないが、ニーベルンゲン伝説について、その変遷を学ぶ上ではかなり役立つ本なのではないかと思った。5世紀頃に伝説が成立してから、ワーグナーの四部作が作られるまでの流れが、実例・差異や変化の指摘とともに説明されており、あらかたの史料とその要点はピックアップできるのではないだろうか。
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うーむ、全く分からん、、、
ワーグナーというお方、『地獄の黙示録』のあの音楽とどうやらナチスと関連があるらしい、くらいの知識しかない当方、この本の真価が分かるわけもなく、、、
まぁひとつだけいちゃもんですが、興味を惹かせる構成になってないですね、昔の悪い社会科学の本の典型という感がします。