サド侯爵の生涯　新版 みんなのレビュー

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投稿者：ちこ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、マルキ・ド・サドをはじめとして、当時まだまだ日本では知られていなかった数多くのフランス文学を翻訳・紹介されたことはもちろん、中世の悪魔学や美術評論、文芸評論、独自の幻想小説などといった幅広いジャンルでも活躍された澁澤龍彦氏の作品です。同氏は、『唐草物語』や『高丘親王航海記』といった代表作をお持ちの人物でもあります。同書は、『悪徳の栄え』の著者であり、サディズムの祖として知られるマルキ・ド・サド氏を中心に、公序良俗に対決しつづけた18世紀フランスの貴族の生涯を、誕生から性的醜聞、幽囚生活、孤独な晩年まで描ききった作品です。 無理解と偏見に満ちた従来のイメージを覆し、サド氏の実像を捉えた、著者渾身の作にして、三島由紀夫『サド侯爵夫人』の典拠となった画期的評伝でもあります。ぜひ、一度、読んでみてください。