投稿元:
レビューを見る
ファンタジーにミステリの要素を振りかけたような複雑な小説。
読長町の蔵書家が蔵書を盗まれないように本に魔法をかけ、本が盗まれたらその本の世界観に町中が飲み込まれ本を盗んだ泥棒を捕まえて町を元通りに奮闘する本を全く読まない高校生の孫・深冬、簡単に言えばそう言うお話。
深冬は一体どうなるのか?
しかし、章毎に違う内容の盗まれる本の内容が書かれて、更には読み進むうち細かな伏線も回収していく、作者の頭の中はどれだけクリアになっているのか、お見事!。
本好きな、
本好きによる、
本好きのための、
本に対する愛情溢れた作品。
投稿元:
レビューを見る
色彩描写が多く、それが変わる場面にすんなり入っていく助けになっている。
こどもの頃読んだファンタジー小説のような情景。
どんどん読み進めたい、と思った。最終章に入る前にには、もう終わってしまうのかと残念にさえ感じた。
だが、この最終章だけは色彩描写が少ない。代わって「文字」が現れることでスピード感やスリルを感じた。
投稿元:
レビューを見る
「ああ、読まなければよかった! これだから本は嫌いなのに!」
書物の蒐集家を曾祖父に持つ高校生の深冬。父は巨大な書庫「御倉館」の管理人を務めるが、深冬は本が好きではない。ある日、御倉館から蔵書が盗まれ、父の代わりに館を訪れていた深冬は残されたメッセージを目にする。
“この本を盗む者は、魔術的現実主義の旗に追われる”
本の呪いが発動し、街は侵食されるように物語の世界に姿を変えていく。泥棒を捕まえない限り世界が元に戻らないと知った深冬は、探偵が銃を手に陰謀に挑む話や、銀色の巨大な獣を巡る話など、様々な本の世界を冒険していく。やがて彼女自身にも変化が訪れて――。
「呪われて、読む。そして書く――私たちは!」
森見登美彦氏 推薦!
ファンタジーは今まで何回も挑戦してきて、何回も挫折した分野。
魔法もダメ。有名な魔法少年の映画も1で断念。
なんか入りこめない。
でも、深緑さんは違う著書で気になっていた作家。
無理だろうと思いながら読むと、短編集ということもありスラスラ。
書店の万引き被害についても書かれていて、昔を懐かしんだり、すごく読みやすかったです。
投稿元:
レビューを見る
ミステリーかと思っていたら、ミステリー要素はほとんどなく、ファンタジー要素たっぷりの不思議な話。
森見さんの世界観に似ているのかなぁ?本を盗んだ犯人を捕まえるのだけど、情景があまりにも不思議過ぎて想像がなかなかついていかない。でも、読後感はフワフワ不思議な感覚。もう少し入り込めると楽しめたんだろうけど、私の想像力が足りなかった!
投稿元:
レビューを見る
読長町(よむながまち)にある巨大な書庫の御倉館は書物の蒐集家である御倉嘉市(みくら かいち)の蔵書が収められている。その嘉市を曾祖父にもつ深冬は御倉館にはあまり立ち寄らない、なぜなら深冬は本嫌いだった。御倉館の蔵書には呪いがかけられており、本が盗まれると「ブックカース(本の呪い)」が発動し読長町が本の世界に変貌してしまう。深冬は本を盗んだ犯人を見つけ、元の世界に戻れるのか?本の世界を駆け回り、御倉家のルーツにせまる全5話。
読み始め前半ではブックカースの世界が突飛で馴染めなかったが、後半では読み慣れて最後の伏線回収は楽しく読めた。
全体的にはファンタジー、深冬が少し怒りっぽいのが鼻につく。
街中が本の世界に迷い込む冒険ファンタジー。
★★★✩✩ 3.0
「この本を盗む者は」
目次
第一話 魔術的現実主義の旗に追われる 5
第二話 固ゆで玉子に閉じ込められる 75
第三話 幻想と蒸気の靄に包まれる 149
第四話 寂しい街に取り残される 229
第五話 真実を知る羽目になる 285
投稿元:
レビューを見る
初めてこの著者の本を読んだ。この本の帯を、『熱帯』を書いた森見登美彦が書いたのも頷ける。
本に「この本を盗む者は…」ていう仕掛けがあるかと期待した。
投稿元:
レビューを見る
この本を盗む者は
著作者:深緑野分
発行者:KADOKAWA
タイムライン
http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
様々な本の世界を冒険していく
投稿元:
レビューを見る
本の盗難が相次いで閉鎖になった個人経営の図書館で、本を盗むと呪いが掛かり本の世界に迷い込まれてしまう話。
発想は面白かったが、本の世界で犯人や盗まれた本を探したりするところをもっと掘り下げて欲しかった。
投稿元:
レビューを見る
やはり私には深緑作品は体質にあわないようだ。一番嫌いなタイプのファンタジー作品。もう深緑作品は読まないだろう。
投稿元:
レビューを見る
最初の2編を読んで、ラノベ(もしくはアニメ)的お手軽ファンタジー連作かと思いきや、そこから真相が明らかになるにつれて様相が変わってくる。同じパターンの繰り返しではなく謎解き興味が加わるのだが、最終話でまさかの失速……。ダラダラ続くタネ明かしに度々意識を失った。消化不良の印象だった。
投稿元:
レビューを見る
面白いといえば面白いけど、なかなか読み進むことができなかった、、、自分にはワクワク感が足りなかったのかな?
投稿元:
レビューを見る
本好き必読の冒険ファンタジー。
本の町・読長町にある巨大な書庫「御倉館」。その御倉家に生まれた少女・深冬はそんな環境に生まれたにもかかわらず、本が嫌い。ところが御倉館で本の盗難が発生し、蔵書に仕掛けられた「呪い」が発動。呪いを解くためには本の世界に入って泥棒を捕まえなければならない……って、何これ。本当に楽しすぎるぞ!
とりあえず本好きとしては、読長町最高。行きたい。住みたい。ていうかいっそ御倉家に生まれたかった、なんて思ってしまうのですが。最後まで読むと、本を嫌いになってしまった深冬の気持ちもわかるんですよね。ある意味彼女にかけられたこれが最大の「呪い」だったのかもしれません。読書に関わらず、好きなものってのは自分で選ぶものですよね。
数々の本の中の世界も魅力的だし、「ブック・カース」を巡る謎も読みどころ。はらはらどきどきの連続もあり、無条件に楽しめる一冊でした。
投稿元:
レビューを見る
深緑野分さんの新作。今までとは変わったファンタジー色の強い物。キャラクターがコミカルでとても良い。真白がかわいい。
投稿元:
レビューを見る
書物の蒐集家を曾祖父に持つ高校生の深冬。父は巨大な書庫「御倉館」の管理人を務めるが、深冬は本が好きではない。ある日、御倉館から蔵書が盗まれ、深雪は残されたメッセージを目にする。“この本を盗む者は、魔術的現実主義の旗に追われる”本の呪いが発動し、街は物語の世界に姿を変えていく。泥棒を捕まえない限り元に戻らないと知った深冬は、様々な本の世界を冒険していく。やがて彼女自身にも変化が訪れて――。
主人公が本嫌い、というなかなか珍しいキャラクターですが、実際こんな祖母がいてがみがみ怒られたらめちゃくちゃ嫌だなと思った。確かに盗難はいけないことだしかばう必要もないけど、だからといって何の関係もない人も巻き込んでいいということにもならない。ひるねのことを守り続けていたあゆむの気持ちも分かるし、真白のことを呼び戻した深冬の変化にはほっとした。なんで泥棒が狐なんだろうと思っていたら、そういうことか。神社の力なのね。ブック・カースの世界は面白い設定だし街全体を巻き込むのもわくわくしましたが、結局神様とのつながりはあっさり描かれて少し物足りなかったような気もする。
投稿元:
レビューを見る
本の呪い〈ブック・カース〉が発動すると、街全体が物語の舞台に様がわり。色々なジャンルの物語のなかを、主人公の深冬だけが元の世界の記憶を保ったまま、街を元に戻すべく奔走する。面白いのは、現実世界では家族や知り合いでも、呪いが発動すると、そのもとになった物語の役を演じているところ。物語どおりに勝手に事が進むわけではなくて、あくまで深冬ががんばらないと進まないし、呪いも解けない。明け方にみる、自分の意志で動ける夢みたいな本だった。