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得体のしれない何かに追われて助けを求めて遺仏寺を訪れた由羽希。
そこには持っているだけで、祟られるという「忌物」であふれた本堂があり、住職の天山天空は彼女が忌物を持っているという。
何も覚えていない彼女は天空の語る忌物の関わる怪異譚を聞かされることになるのだが……。
面白かったです。続きがあるように思うので楽しみです♪
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どの話もゾッとするくらい恐ろしくて、それでいて各話に仕掛けも施されていてとても楽しめました。新書版を積んでいたのが勿体なかったな。
お気に入りは『霊吸い』。忌物の状態を想像したらなぜか背筋が冷たくなりました。あと、最終夜のベタなお祓い展開が好きです。
シリーズになりそうなので続きが楽しみです。
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真っ赤な装丁が雰囲気抜群。5話の中だと一口告げが1番好き、なんだかよく分からん怪異とだんだん頭が壊れてく様は絶品。
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忌物にまつわる短編集。「霊吸い」の話はスプラッター気味で怖め。
美形のS気な遺仏寺の天山天空と、何かに取り憑かれてる由羽希のキャラクターは結構気になるので、続きの話あるのを期待したいです。
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著者の得意な複数のエピソードが実は共通する怪異で。。。という構造ではなく、複数のエピソードそれぞれが主人公を襲った怪異の伏線になっているというのが非常にうまく効いている。砂歩きについてのどんでん返しも秀逸。普段は回収のための伏線やどんでん返しのためのどんでん返しといった必然性の乏しいギミックは好まないのだが、実在したのかしなかったのかわからない美麗の住職が語る怪異のそれぞれが完成度が高く、本筋に絡みつく構造がスリリングであるのため、肯定的に受け入れることができた。というか、それぞれの短編について語ることが主人公に対するセラピーの役割を果たしており、主人公が我に帰るきっかけになっているので、そのような補助線を引くことでこのような構造であることには実は必然性があるということになる。
いいものを読ませてもらった。
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美形の坊主が語る忌物にまつわる怪異譚。この坊主こと天空がいいキャラしてる。彼の語った他の怪談も聞きたい〜〜(読みたい)!!スリッパとアンティークのお話がとくに好き。怪異はどうして起こったのか、どんな因果で天空が語った怪談の中のひとたちを狙ったのか、それらは決して明確にはされないけれど、天空の言う通りその怪異自体がおもしろいんだ。
各話の符号が最終話でくりだされるのがこれまでのおさらいのようでよかった。でも主人公の行動には「はぁ!?」って声がでちゃった…おまえはいままで何を聞いてたんだ!ってなってしまって….でも怪談話やホラー映画ではよくあるやつだよね。
続編出たら絶対買いたいんだけど、主人公だけが最初から最後まで苦手だった笑
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純粋な和ホラーの話。化け物の正体とか、忌物はどれなのかとか、よく振り返るとこれは人間でない証拠だった!みたいなホラー 版のミステリ要素があって、そこが余計に怖さのドキドキを増幅させる。
砂歩きが実は自分自身だったという、オチ自体はよくあるけど解決に至るまでの描写はよくあるそれとは違って、ちゃんと納得のいく解決をみせる。
由布希はどこに泊まっているのか?夜はどう帰っているのか?という謎もあったので、ある程度読み手が気付きながら読み進める。
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久しぶりの三津田作品。
これまで読んだ中で最も軽妙な語り口。
こんな快活な少女キャラは新鮮な感じを受けた。
読んでる最中に「魔界倶楽部/伝説13日の金曜日」という懐かしのホラードラマを思い出す。
初っ端から疑問に思ってたことが悲劇的エンドにならなくてよかった。
最終章の怪異の正体がきっちり出てきたのはやはり嬉しい。
それとする鬼ごっこ的な展開に思わず息を飲む。
これはシリーズになってるのだろうか?
なってるならずっと読んでいきたい作品です。
今回も大満足です。
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5つの集落を抜けて、毎日忌物寺へ通う少女。
まず、集落という概念が私には分かりにくく…5つの集落を歩いて抜けて毎日往復とかできるもんなの??と。その部分がきになって、本筋が頭に入ってきにくく。(完全に自分の問題)
ちりばめられた忌物(いちいち変換めんどいなぁこれ)に関する短編は面白く読めた。一番印象に残っているのはスリッパの話。特に何が出た、というわけではないのに、ちょっとずつ追い詰められていく感じがなんとも。
最後の大筋のラストは、映像で見た方が怖そうと感じた。
お札を2枚貼っていたーの部分の緊迫感とかね。文字だとつつーって読んでしまうので。
忌物に関する話しは、相手の正体や思惑がわからず、湿度の高い、(いわゆる?)ジャパニーズズホラー!!という感じで、私の好きなテイストだったけど。
本筋のところは、日本の怖い昔話を(おそらく)下敷きにしつつも、ちょっとドタバタ感があって、個人手には小説で読むにはコレジャナイ感。
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三津田先生の新シリーズ。
由羽希を襲う怪異。幼い頃、遊んでいた遺仏寺に助けを求めに。
天空坊主と由羽希の、恐ろしながらも弾む会話は読んでいて楽しい。
黒猫の「黒猫先生」も良き存在。
いくつかの忌物にまつわる話、そして、由羽希を襲う怪異の正体。
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持っているだけで祟りを齎す「忌物」を巡る怪異譚。忌物の謎が解けたとき、さらなる恐怖が襲う。怪談の中では、第四夜「霊吸い」、最終夜「にてひなるもの」がとても怖かった。一話読む毎に怖くなる。最終夜ですべての謎が解けるミステリの要素もあった。また、ラストは、忌物の物語がまだ続く様な終わり方だった。
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忌物(≒いわゆる特級呪物)をめぐるミステリ色濃いめのホラー連作短編集。現在進行形で怪異に苛まれる主人公の憑き物おとしを主軸に、独立した(もちろん最終話への伏線も仕組まれた)3つの短編怪談話が展開される。
「砂歩き」
とりあえず舞台設定と状況を説明しつつ、主人公が謎足跡&奇声に襲われる。情報を小出しにしてくるので、もしかしてシックス・センス的構造か…と疑ってしまうが、その正体は最終話でしっかり明かされ、杞憂に終わる。
「後ろ立ち」
古びたアパートを舞台に、一日毎に怪異が近づいてくる、という既視感のある設定だが、伏線の張り方(ノックの位置が低い!) があまりに巧妙&終盤に明らかになる光景(ドアを開けたら…)がとんでもなく不気味で、出色の出来。
「一口告げ」
様々な電話から怪異が語り掛けてくるというシンプルな構造かつ、別に大したこと言ってくるわけでもないのに、段々狂っていく主人公の生活(特に会社から休暇を勧められる理由を想像すると、怖気が…) が、どんどん読ませる。忌物当てのミステリとしても楽しめる。
「霊吸い」
こちらも忌物当て。長々続くスプラッタ描写に正直、辟易とするが、作者の過去作からすると、全然物足りないくらいなのかも。
「にてひなるもの」
主人公を苛む怪異の構造を分析しつつ、いよいよ憑き物おとしに着手。身近な人の声色を真似して語り掛けてくるという特殊能力持ちの怪異は、読み慣れたものではあるが、それでもやっぱり怖い!招き入れてもらわないと家に入れなかったりと、怪異としての定型を踏襲しているからこそ、その恐怖ポイント(主人公がまんまと引っかかってしまう!)に体が反応して、ハラハラしてしまう。ていうか理屈抜きに、今回のラスボス「かつて母親だったもの」が怖すぎる。
悪く言うとキャラ造形や会話の内容が薄い印象はあるが、各怪談がしっかり怖くて出来がいいので、期待通りの恐怖を味わえる満足の一冊。あえて言うなら、お母さんがいつの間にかあっさり死んでしまっているのが残念(さすがにあの状態から生還は無理か…)。そのこと自体、話の枝葉なので仕方ないのだけど、母親の怪死をいち女子高生がそんなにあっさり受け入れて、さっさと次の猫との触れ合いにわくわくする…って割り切りが良すぎるのでは!