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紙の本
こんな面白いラブコメがあったのか!
2019/10/18 13:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Caris - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルからして、「あー、よくラノベにあるあんな感じの作品かな? ああいうの嫌いなんだよなあ」などと若干身構えて読み始めましたが、すぐに杞憂である事に気づきました。
最初のページから大声を上げて笑いました! 面白過ぎる、主にコメディ方面に。
よくある量産型ラノベでは、もはや人間とは言えないような歪なキャラクターが多いです。特にラブコメにその傾向があります。「こんな人間いねぇよ!」と言いたくなるような。
けれど、この作品にはそれはありません。一見、突飛な設定も、しっかりと理由がある。ぶっ飛んだキャラクターも、ちゃんと地に足がついた一人の人間である事がしっかりと表現されている所が良かったです。
面白いだけではなく、時にはしんみりとしたり。
何より、主人公のセリフがとにかく面白い! これを集めて名言集を作りたいですね。
タイトルが残念に思えて仕方がないですが、読み終わった今では、それもまた良い味を出してるなぁ、と思えてきます。
もっと売れるべきだよ、こんなに面白い作品なのに……。世界は残酷だ……。
紙の本
ハンパなくゲスなのは間違いないのだが、しかし!
2012/01/24 13:39
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
見た目が爽やかイケメンの望月砕月は重度の病気だ。清楚系先輩の深草静流とツン系同級生の三渕優沙に二股がばれた瞬間に言ったのが、初体験は3P以上って昔から決めていました!、というどうしようもないもの。さらにどうしようもないのが、その、出会う側から女性というか雌性体を口説くのが本意ではなく、ビョーキだということだ。
幼なじみの百瀬千夏は幼少時代の彼の犠牲者で、今は彼のビョーキのことを理解しており、親友の八瀬宗助と共に色々と助けてくれる。しかしそれを上回る速度で砕月は評判を貶めていく。その毒牙は、義理の母・香織や義理の妹・莉子にまで及びかねない。
そんなある日、望月砕月は空から落ちてきた少女タマユラと出会う。彼女はウィザードと名乗り、彼がデバッガであると告げる。それは、世界にありえないファンタジーな存在を消去する能力を持った者のことだった。
あらすじを見れば分かるとおり、ハーレム系学園ラブコメに異能バトルを付け加えた物語なわけだ。ただ、即効で二股がばれてボコボコにされるところは普通と違う。しかし、騙された女の子たちが、彼のビョーキを知り、それでも彼の内面に惹かれ、結局ハーレム展開に突入する。
ただ、その過程は、ツンデレあり、ヤンデレあり、暴力あり、監禁ありで、色々と大変。それに異能バトルの方でも、タマが容赦ない策を取るので、肉体的にも精神的にも痛い目に会う。だがそれでも、どんな目に会っても、主人公はそれを許してしまうのだ。
一体なぜ、そんなキャラクターが出来上がったのか?その理由は後半で明かされる。それはかなりシリアスな、しかし典型的な理由ではあるのだが、そのことや、主人公が誠実な面も持っている事もあり、どんだけ下種な振る舞いをしても、なぜか何とか許容範囲におさまってしまうところが不思議だ。
ハーレム展開だけではもう現実感がなさ過ぎる。なぜハーレム展開が許されるのか。その理由を含めて描くことが、今のラノベの潮流なのかも知れない。
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