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202009/上下巻まとめて。柚月ファンは勿論、そうじゃなくても絶対上下一緒に買ってから読み始めたほうがいい。将棋知識なくても全然気にならずぐいぐい一気に読めてスリリングで謎な展開、とても面白かった。そして今作も、各キャラに気持ちが入ってしまう柚月先生ならではの秀逸な人物描写も素晴らしい。
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出会ってしまったのは真剣師。再び将棋の世界に足を踏み入れる桂介。
被害者は誰だったのか、どうして亡くなったのか、名駒を持たせて埋めたのは誰か。
桂介に幸せな時はあったのだろうか
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上巻では、埼玉県内で身元不明の白骨遺体が発見された。この遺体には、名匠の将棋駒が握られていた。この駒の持ち主は誰なのかという話を中心に元奨励会員の刑事が相棒の刑事とともに日本各地を巡る。その間に、実業界から将棋界に転身した天才棋士の幼少期の話。
下巻では、天才将棋棋士が出会う伝説の真剣師。彼との出会いが天才棋士の運命を狂わせてしまう。
終盤に向かうにつれてテンポが良くなるとても良い作品だった。天才将棋棋士の上条桂介と伝説の真剣師東明重慶の歩みは読んでいてハラハラした。また、上条桂介の壮絶な過去も昭和の時代の話ならばあり得る気がして怖かった。さらには、上条桂介と育ての親と言っても良い唐沢との関係も胸を打つものがあった。
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『重』の一字ですぐピンと来ましたが、真剣師のモデルは小池重明ですね。鬼殺しの『鬼』は団鬼六の一字でしょうね笑
元は単行本一冊だから偶然なんだろうけど上巻の終わり方ズルいな。あれじゃ読むのを止められない!
盤面を再現できるほど将棋をわかってませんが、将棋の場面が増える下巻の方が圧倒的に読ませますね。砂の器か。結局徹夜になってしまった!!
そして何と解説、羽生善治!
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こんなにもくすんだ色の、そして悲しい向日葵はあっただろうか?
と思うくらい、暗い向日葵を想像してしてしまう、上質なミステリー。
昭和のアンダーグラウンドな将棋の世界に生きてきた真剣師と、異端の天才棋士の運命的な交わりが紡ぐストーリーに、グイグイと引き込まれた。
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読み終わった瞬間は、あー、こんなものか…と思ったけれど、次の瞬間、涙がドバッと溢れてきた。なんで努力の結果が『血』に負けてしまうのか…つらい…
将棋がわかれば、もっと面白いんだろうなー。将棋本読むたびに思う。
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後半も素晴らしい。将棋の指し手が具体的に書き込まれているシーンが多々出てくるんだけど、それを逐一追いかけたら、もっと深く味わえたのかも。そんな詳しくもないし、ちょっと面倒ってのもあって、自分はやらなかったけど、それでも十分に楽しめた。クライマックスでとんでもなく盛り上がる、っていうタイプではないんだけど、終始漂う緊迫感が半端なくて、気持ち的にはワクワクし通し。やっぱ素敵。
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上巻とは異なり、男の過去が語られる。
将棋への執念。
犯罪のキーとなる有名な駒の存在。
果たして、結末は?
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将棋はやってたので、こないだ読んだ囲碁の話とは少し違う感覚で読めました。
下巻は読みたい衝動に駆られ、一気に読み、そして読み直しました。
何とも言えないラスト。
違う形であって欲しかったですが、心打たれました。
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将棋のことはよくわからないけど、将棋に関する小説は大好きです。「将棋の子」「聖の青春」「泣き虫しょったんの奇跡」・・・。この小説もとても面白く読ませてもらった。幼少期の桂介と唐沢夫妻の場面は切なくてホロリとさせられます。真剣師、東明もなんだか魅力的な男です。鬼殺しのジュウケイか・・・
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可哀想な子供が成功しても、結局世間のしがらみに足を引っ張られて浮き上がれない、というような話でどうにもつらい。
個人的には会社を売却する度胸があるんだから、そのオカネをもって海外でも逃げちゃえばよかったのにとか思ったり。もしくは自分から我が半生とか言って世間に公表しちゃうとかねぇ。
会社の社長さんなんだから弁護士とかを通すお金がなかったわけでもなかったんだろうけど、どんどん選択肢を自分で縮めてしまうのがつらい。
そして元研究生の刑事さんはあまり活躍しなかったな。
唐沢さんの駒もお守りにならなかったし。色々、なんか残念な感じですが、名工の駒ってのがあるんだ~ってのは知らなかったので面白かったです。
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将棋の世界にのめりこむ狂気を描きたかったかもしれないが、あまりにも上条がかわいそうである。また生まれを狂気に結びつけるのは、本人にはどうする事もできない呪いのようなもの。育ちは悲惨だが、周りの人間に蔑まれているわけでもなく、本人はクリーンに生きてもいる。自分自身で呪いを打ち破った末の、勝負師としての人生を見たかった。
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柚月裕子の間違いなく代表作だろうと思う(2017年8月単行本、2020年9月文庫本)。文庫本では(上)(下)に分かれているが、ストーリー展開に引き込まれ一気に続けて読了した。
物語は大きく分けて4つの時代が交差して描かれている。
1つは主人公の上条佳介33歳プロ棋士の現代(平成6年)、2つ目は佳介9歳将棋と出会う小学生の頃(昭和46年)、3つ目は佳介20歳将棋の真剣師と出会う東大生の頃(昭和55年〜56年)、4つ目は佳介28歳〜30歳IT企業経営者の頃(平成元年〜3年)。
上巻では1つ目と2つ目の時代までだったが、下巻は全ての時代が交差して描かれ進行する。
(上巻)
物語は埼玉県山中で身元不明の死体が時価600万円と言われる名工の将棋の駒と共に発見されたことで物語は始まる。
将棋の駒の捜査を担当する二人の刑事の現代平成6年の捜査進展状況、そして昭和46年佳介が幼少の頃の悲惨な家庭状況と将棋を覚えていく状況を綴った上巻。
昭和46年当時では佳介に手を差し伸べて将棋を教える元小学校校長唐沢光一郎と佳介を虐待する父親上条庸一との葛藤が描かれ、平成6年現代では県警捜査1課の刑事石破剛志45歳と所轄の刑事佐野直也31歳が絶妙な捜査で何代も変わった駒の持ち主を探す。佐野刑事が元奨励会所属でプロの棋士を目指していたが挫折して警察官になった過去を持ち、駒の捜査にはなくてはならない存在となって、いぶし銀の捜査能力を誇る石破刑事との絶大なコンビにグイグイ引き込まれる。
上巻では、現代平成6年は捜査で駒の記録上の持ち主から4人目になる転売された手掛かりを得るところで終わり、昭和46年小学生だった佳介は東大に合格、恩人の唐沢に挨拶に来たところで終わっている。昭和55年の3月である。そして駒は唐沢が手にしており佳介に餞別として渡すのである。
(下巻)
昭和55年東大生となった佳介は、賭け将棋で飯を食う「真剣師」で元アマチュア名人の東明重慶と出会い、再び将棋への思いに目覚め東北での賭け将棋の場に同行する。しかし東明に裏切られ、唐沢から贈られた菊水月の駒を騙し取られる。
時は経ち佳介は就職した外資系の会社を3年勤めて退職、2年後の平成元年には年商30億のIT企業の経営者として成功を収めていた。既に騙し取られた駒も買い戻し会社も順調な時に上条庸一が現れ、金を無心されるようになる。また時を同じくして8年振りに東明も現れ遺恨を残しながらも将棋の手ほどきを受ける関係になる。そんな二人との関係が1年半続いた平成2年12月庸一から佳介の衝撃の出生の秘密を明かされ、動揺し苦悩する。そして東明の余命ない病魔のことなどがわかってきて、事件になっていく。
それから4年、佳介は会社を売り払いアマ名人から異例のプロ棋士になり、タイトル戦を戦う最も注目される棋士になっていた。
平成6年の現代、捜査の進展で死体が予想外の人物に特定され、動機不明のまま容疑者が特定され、二人の刑事は将棋のタイトル戦の場へ向かう。
上条佳介の凄い生命力と悲しい運命、二人の刑事の捜査能力と人間的な魅力、それぞれの周りを固める興味をそそる登場人物達、テンポのいい物語の展開、過去と現代が交差する物語の中に引き込まれる描写方法、柚月裕子の最高傑作だと思う。
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二歩、ありえへん。
最後、上条の飛び込みは意義的に美しくないねんな。
途中まで白骨死体はどっちなんやろ?と脳を鋭敏にして読んでいたけど、
二歩、2回はないわー。
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将棋の話だけでも面白いのに、これに殺人事件が絡む。面白くないわけがない。
東大卒のエリート棋士、上条桂介の生い立ちも衝撃的。